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精神状態-人格障害ほか

●DSM-Ⅳ-TRにおける人格障害
A群
(1)妄想性人格障害・・・他人の動機を悪意あるものと解釈するといった、他者に対する不信と疑い深さが特徴
(2)シゾイド(分裂病質)人格障害
(3)失調型人格障害
B群
(1)反社会性人格障害
(2)境界性人格障害
(3)演技性人格障害
(4)自己愛性人格障害
C群
(1)回避性人格障害・・・他者に受け入れられることを求めているにもかかわらず、自己評価が低く、傷つきやすいために社会的接触から退き、社会生活が著しく制限されるのが特徴
(2)依存性人格障害
(3)強迫性人格障害
分類不能の人格障害

●DSMの診断分類体系
第1軸 臨床疾患、臨床的関与の対象となることのある他の症状
(1)通常、幼児、小児期または青年期にはじめて診断される障害
(2)せん妄、痴呆、健忘および他の認知障害
(3)一般身体疾患による精神疾患
(4)物質関連障害
(5)精神分裂病および他の精神病性障害
(6)気分障害・・・大うつ病性障害など
(7)不安障害・・・パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害など
(8)身体表現性障害
(9)虚偽性障害
(10)解離性障害
(11)性障害および性同一性障害
(12)摂食障害
(13)睡眠障害
(14)他のどこにも分類されない衝動制御の障害
(15)適応障害
第2軸 人格障害、精神遅滞
第3軸 一般身体疾患
第4軸 心理社会的および環境的問題
第5軸 機能の全体評価


●境界性人格障害: 3-39,4-70,10-29,13-16C,13-64ア

①対人関係、自己像(同一性)、感情における極端な不安定性と衝動的な行為が特徴。
②青年期に始まり、女性に多い。有病率2%。
③対人関係・・・理想化と幻滅、価値下げを繰り返す
④自我障害・・・自己像の極端な変化、離人症、解離、小精神病状態
⑤感情・・・極端な易変性、見捨てられ抑うつ、空虚感と怒り
⑥衝動性・・・自己破壊的な行為、たとえば自殺企図、浪費、性行動、物質の乱用、食行動異常など

3-39
a→○
b→○・・・Kernbergは中心に口愛的攻撃性をすえ、それに対する特有の防衛体制の敷かれた人格構造を「境界性人格構造」と定義した
c→×
d→○
e→○・・・Masterson調べられていません

4-70
a→○・・・投薬
b→○・・・直面化
c→×・・・転移の扱い
d→○・・・行動化
e→○・・・逆転移

10-29
A→× 共感性を欠くのは自己愛性人格障害
B→× 妄想性人格障害
C→○ 「理想化とこきおろし」は境界性人格障害のキーワード
D→× 分裂病質人格障害

13-16C
・・・Clの行動化に対する対応(4-70dも行動化)。→×

13-64ア
見捨てられ抑うつ-境界例


●自己愛性人格障害: 9-29
 自己についての誇大性、賞賛されたい欲求、共感の欠如に基づく。

9-29
A→×・・・境界性人格障害
B→○
C→×・・・分裂病質人格障害
D→○

●演技性人格障害: 14-54
 あらゆる方法で他者の注意をひこうとする行為が見られる。

14-54
A→○
B→× 自己愛性人格障害
C→○
D→× 自己愛性人格障害

●解離性障害 問題番号(年度-番号): 9-28,13-64.2
 意識や記憶、自己同一性、知覚などが途切れたり、失われたりすることが主な症状である疾患

①解離性健忘・・・氏名などの重要な個人情報を含む広範囲の記憶を思い出すことができない。強いストレスを伴うできごとに関する記憶を思い出すことができなくなる。思い出せない空白の時期がある。
②解離性とん走・・・家庭あるいは職場から突然、周囲の人にはよきできない形で放浪に出る。過去を思い出せなかったり、氏名など個人情報が混乱。
③解離性同一性障害・・・2つあるいはそれ以上のはっきりと区別できる同一性あるいは人格の状態が存在。
④離人症・・・自分の精神あるいは身体から自分自身が遊離しているという持続的あるいは反復する感覚と、正常に保持された現実検討を特徴とする。

9-28
A→○
B→×・・・現実吟味は正常を保てる
C→○
D→○

13-64.2
解離-多重人格

●アレキシシミア(失感情症): 7-25,13-64.4
①alexithiymia(a=lack, lexis=word, thymios=emotion)
②感情制御(感情を的確に認知したり表現したりといった幅広い機能)の障害
③自分や他者の感情について語ることが困難
④空想力や想像力が乏しい
⑤認知や思考の様式が外面性志向である
⑥二次性アレキシシミア・・・ストレスなどの反応としてアレキシシミアの症状が出ること

7-25
A→○・・・②
B→×・・・Sifneos, P. E.が提唱
C→×・・・離人症とは別
D→○・・・⑥
E→○・・・⑤

13-64.4
・・・アレキシシミアは心身症者の本質的現象

●かのようなパーソナリティー: 13-64.3
Deutschが記載した人格障害の一種
一見正常で、適応的な行動をとるようにみえるが、実は表面的な順応状態を繰り返しているだけで、他者と深い安定した情緒関係を発展させることができない人格。「かのような」とはas-if性のこと。シゾイド(分裂病質)との関連。

●神経性食思不振症 問題番号(年度-番号): 3-21
・・・摂食障害場合、カロリー不足による体温低下のため体毛が増える

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精神状態-統合失調症

問題番号(年度-番号): 4-18,5-23,6-74,12-25、13-16A

●Kraepelin
 1889年、精神病を「早発性痴呆」と「躁うつ病」に分けたことで、現在の統合失調症の基礎概念が確立された。

●Bleuler, E.・・・精神機能の分裂としての「精神分裂病」を初めて定義(1991)
 基礎症状①感情鈍麻(障害)、②自閉性、③両価性、④連合弛緩
 副次症状①幻覚、②妄想、③錯乱、④緊張病

●Schneider, K.・・・経過よりも状態像に重きを置く。体験の異常、表出の異常。
 一級症状・・・幻聴、思考奪取、妄想、作為思考、作為感情、作為的色彩

●Binswanger,L.・・・現存在分析から、「自然な経験や一貫性」を失った状態

●Sullivan, H. S.
新フロイト派の研究者の1人で、対人相互作用を通じて形成される精神分裂病や神経症に関する研究を行った。彼の考え方の特徴は、精神医学の基本的対象を対人の場と対人関係であるとしたところにある。さらに、精神病者を特殊視する精神医学を批判し、分裂病も人間過程であるとして、その破壊的側面のみでなく、保護的側面の存在を主張し、分裂病患者の治療に多大な貢献wぽ及ぼした。
「精神医学とは対人関係の学」あると規定し、その基礎となる対人認識の方法を、「参与しながらの観察」という概念で定式化した。

●有病率・・・0.5~1.0%、青年期に好発
各国において差があまりない。男女差も時代による差もない。
原因を取り去ることは不可能、投薬によって症状を抑えるという薬物治療が主流。

●症状による分類
 ①妄想型
 ②緊張型・・・昏迷
 ③解体型(破瓜型)・・・思考の解体、機能不全
 ④鑑別不能型・・・機能不全


4-18
A→○・・・Schneiderの説明参照
B→○・・・幻覚は少なく、幻聴の頻度が高い
C→○・・・Bleulerの説明参照
D→×・・・妄想型は中核群ではない。中核群に妄想はない。中核群:破瓜型から目立った副症状を差し引いた単純型=基礎症状が明らかになったもの。特徴①きわめて緩徐な潜行性の発病、②経過にはなはだしい起伏はない

5-23
A→○・・・有病率0.5~1.0%
B→・・・症状の持続が6ヶ月以上の場合精神分裂病、1ヶ月以上、6ヶ月未満・・・分裂病様障害、1日~1ヶ月未満・・・短期精神病障害
C→○
D→○

6-74
 Clが幻聴や幻覚症状を示した場合は、勝手な判断はせず、統合失調症を疑いすぐに精神科医へ連絡を取る。そのまま面接を続けた場合、症状が悪化する場合もある。

12-25
A→×・・・Bleulerの説明参照、幻聴は副次症状
B→○・・・Schneiderの説明参照
C→○・・・Sullivanは対人関係的側面に注目した。
D→×・・・Binswangerは「自然な経験や一貫性」を失った状態。「自明性の喪失」と言ったのはブランケンブルグ。

13-16A→× よくわかりません、「被害的なもの、誇大的なものが多い」のでしょうか

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精神状態-うつ

問題番号(年度-番号):3-24、5-25、5-92、7-22、10-28

※気分障害・・・①気分エピソード(うつ状態、躁状態、混合状態)を中心的な症状とする精神障害グループ。②大うつ病(うつ病)、双極性障害(躁うつ病)、気分変調症(抑うつ神経症)が代表的である。③女性に好発し、生涯有病率は10~25%。

●うつ病エピソード
①抑うつ気分(悲哀感または空虚感、ときに焦燥感)
②興味や喜びの減退、意欲の低下
③精神運動抑制、思考力、判断力の低下
④自分についての無価値感と罪責感(貧困妄想、心気妄想・・・身体のささいな不調にこだわり、ガンや心臓病といった重大な病気にかかっていると思いこむ、罪業妄想、虚無妄想)
⑤絶望と希死念慮
⑥睡眠障害、食欲、性欲の低下
●躁エピソード
気分の高揚、疲労感の消失、多弁多動、行為促迫、観念奔逸、注意の転動性亢進、注意散漫、自尊心の肥大、熱中、多食、睡眠時間減少
●混合性エピソード
躁、うつ両エピソードを併せ持つ。両者が急速に交代する場合もある。

●大うつ病(うつ病)
①うつ病エピソードのみを呈する気分障害
②青年期以後、女性が男性の2倍。有病率・・・成人女性5~9%、男性3%
③性格特徴・・・執着気質(下田)、メランコリー親和型(テレンバッハ)、循環型(クレッチマー)
まわりの評価に過敏、過度に神経質、失敗を恐れる、几帳面、心配性。責任感が強く仕事熱心、他人との関係をできる限り円満になるように気を配る。人に頼まれるとイヤと言えないタイプ。
④発病のきっかけとなる誘因として喪失体験がある

●双極性障害(躁うつ病)
複数のエピソードを反復する気分障害。

●治療は休養と投薬治療が中心。心理療法を適応する場合は、認知行動療法が有効である。支持的な対応は大事であるが、励ましは禁であるのが大原則。
うつ病としての精神症状が、身体症状(全身の倦怠感、頭痛、腹痛)によってマスクされている場合を仮面うつ病と呼ぶ。
思春期の場合、抑うつ感があっても簡単にうつ病とは診断できない。挫折や失敗、いじめなどによる抑うつ反応である場合もあるため。
産後うつ病(マタニティー・ブルースmaternity blues)は一般に産後2,3週間後に発症し、最低数ヶ月から1年にわたって症状が続く。

3-24
A→○・・・抑うつ気分は午前中に強く、夕方から夜にかけて軽快する
B→×・・・統合失調症の場合
C→×・・・統合失調症の妄想
D→○・・・不安抑うつによる不眠は早朝覚醒型であることが多い
E→○

5-25
a→○・・・躁病のみの発症は非常に少ない
b→○・・・躁エピソードより
c→×・・・睡眠障害はうつと躁との唯一の共通点
d→○
e→○

5-92
cが正解、励ますのは×

7-22
a→○・・・セロトニンのおかげで興奮したり、楽しい気分になれる。セロトニンが少なくなるとうつ病になるという説がある。セロトニンを増加させ、情報伝達を活発にするSSRIという薬が使用されることがある。
b→×・・・大うつ病の③より、「人づき合いを回避し孤立しやすい性格」の部分が間違い
c→○
d→○・・・大うつ病の④
e→○・・・うつエピソードの④

10-28
A→○・・・大うつ病の③
B→×・・・単極性うつ病に発病状況因が関与する症例が多い。喪失体験など。双極は器質
C→○
D→○・・・うつ病エピソードの①③⑥

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精神状態-強迫性障害、不安

問題番号(年度-番号):7-9,12-52,15-29

●強迫性障害: 12-52 
①反復する強迫観念または強迫行為のために、重い苦痛や不利益を生じているもの。患者はしばしば強迫観念に対して抵抗を試みるため、強い心理的な衝突を伴う。
②強迫観念は、本人にとってその内容が不合理であると感じられているにもかかわらず、打ち消したり、無視したりすることができない。しかし自分の考えであるという感覚は保たれている。
③強迫行為は、強迫観念に反応して繰り返される行動である。強迫観念を中和する働きを持つ場合があり、(続けることだけでなく)中断することについても強い苦痛を伴う。

12-52
A・・・病識あり→×
B→○
C・・・強迫神経症の防衛機制は「置き換え」、また「肛門期」への固着が関与→×
D→○

※問題文にもあるとおり、古典的に神経症と呼ばれていた症例は、DSM-Ⅳにおいて不安障害(広義)などとして定義しなおされた。DSM-Ⅳでの呼び方を確認しておく。
◎不安障害
不安神経症→全般性不安障害またはパニック障害
恐怖症→広場恐怖、特定恐怖症、社会恐怖
強迫神経症→強迫性障害
◎身体表現性障害
心気症→心気症
ヒステリー→転換性障害または解離性障害
◎解離性障害
ヒステリー→解離性健忘または解離性遁走
離人神経症→離人性障害または解離性同一性障害(多重人格障害)
◎気分障害
抑うつ神経症→大うつ病性障害または単一エピソード気分変調性障害

●不安、不安障害: 7-9,12-29
7-9
A・・・恐怖のこと、恐怖がはっきりした対象を持つものであるのに対し、不安は対象が未分化で漠然としている→×
B→○
C→○
D→○・・・Lazarus, R. S.の不安の認知的評価(①否定的解説群、②否定的方向づけ群、③サイレント群)
E→×・・・認知的不協和理論はフェスティンガー

15-29
A→○
B・・・広場恐怖を伴うパニック障害、広場恐怖を伴わないパニック障害に分けられている→×
C→○
D→○

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