精神状態-うつ
問題番号(年度-番号):3-24、5-25、5-92、7-22、10-28
※気分障害・・・①気分エピソード(うつ状態、躁状態、混合状態)を中心的な症状とする精神障害グループ。②大うつ病(うつ病)、双極性障害(躁うつ病)、気分変調症(抑うつ神経症)が代表的である。③女性に好発し、生涯有病率は10~25%。
●うつ病エピソード
①抑うつ気分(悲哀感または空虚感、ときに焦燥感)
②興味や喜びの減退、意欲の低下
③精神運動抑制、思考力、判断力の低下
④自分についての無価値感と罪責感(貧困妄想、心気妄想・・・身体のささいな不調にこだわり、ガンや心臓病といった重大な病気にかかっていると思いこむ、罪業妄想、虚無妄想)
⑤絶望と希死念慮
⑥睡眠障害、食欲、性欲の低下
●躁エピソード
気分の高揚、疲労感の消失、多弁多動、行為促迫、観念奔逸、注意の転動性亢進、注意散漫、自尊心の肥大、熱中、多食、睡眠時間減少
●混合性エピソード
躁、うつ両エピソードを併せ持つ。両者が急速に交代する場合もある。
●大うつ病(うつ病)
①うつ病エピソードのみを呈する気分障害
②青年期以後、女性が男性の2倍。有病率・・・成人女性5~9%、男性3%
③性格特徴・・・執着気質(下田)、メランコリー親和型(テレンバッハ)、循環型(クレッチマー)
まわりの評価に過敏、過度に神経質、失敗を恐れる、几帳面、心配性。責任感が強く仕事熱心、他人との関係をできる限り円満になるように気を配る。人に頼まれるとイヤと言えないタイプ。
④発病のきっかけとなる誘因として喪失体験がある
●双極性障害(躁うつ病)
複数のエピソードを反復する気分障害。
●治療は休養と投薬治療が中心。心理療法を適応する場合は、認知行動療法が有効である。支持的な対応は大事であるが、励ましは禁であるのが大原則。
うつ病としての精神症状が、身体症状(全身の倦怠感、頭痛、腹痛)によってマスクされている場合を仮面うつ病と呼ぶ。
思春期の場合、抑うつ感があっても簡単にうつ病とは診断できない。挫折や失敗、いじめなどによる抑うつ反応である場合もあるため。
産後うつ病(マタニティー・ブルースmaternity blues)は一般に産後2,3週間後に発症し、最低数ヶ月から1年にわたって症状が続く。
3-24
A→○・・・抑うつ気分は午前中に強く、夕方から夜にかけて軽快する
B→×・・・統合失調症の場合
C→×・・・統合失調症の妄想
D→○・・・不安抑うつによる不眠は早朝覚醒型であることが多い
E→○
5-25
a→○・・・躁病のみの発症は非常に少ない
b→○・・・躁エピソードより
c→×・・・睡眠障害はうつと躁との唯一の共通点
d→○
e→○
5-92
cが正解、励ますのは×
7-22
a→○・・・セロトニンのおかげで興奮したり、楽しい気分になれる。セロトニンが少なくなるとうつ病になるという説がある。セロトニンを増加させ、情報伝達を活発にするSSRIという薬が使用されることがある。
b→×・・・大うつ病の③より、「人づき合いを回避し孤立しやすい性格」の部分が間違い
c→○
d→○・・・大うつ病の④
e→○・・・うつエピソードの④
10-28
A→○・・・大うつ病の③
B→×・・・単極性うつ病に発病状況因が関与する症例が多い。喪失体験など。双極は器質
C→○
D→○・・・うつ病エピソードの①③⑥
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