精神状態-統合失調症
問題番号(年度-番号): 4-18,5-23,6-74,12-25、13-16A
●Kraepelin
1889年、精神病を「早発性痴呆」と「躁うつ病」に分けたことで、現在の統合失調症の基礎概念が確立された。
●Bleuler, E.・・・精神機能の分裂としての「精神分裂病」を初めて定義(1991)
基礎症状①感情鈍麻(障害)、②自閉性、③両価性、④連合弛緩
副次症状①幻覚、②妄想、③錯乱、④緊張病
●Schneider, K.・・・経過よりも状態像に重きを置く。体験の異常、表出の異常。
一級症状・・・幻聴、思考奪取、妄想、作為思考、作為感情、作為的色彩
●Binswanger,L.・・・現存在分析から、「自然な経験や一貫性」を失った状態
●Sullivan, H. S.
新フロイト派の研究者の1人で、対人相互作用を通じて形成される精神分裂病や神経症に関する研究を行った。彼の考え方の特徴は、精神医学の基本的対象を対人の場と対人関係であるとしたところにある。さらに、精神病者を特殊視する精神医学を批判し、分裂病も人間過程であるとして、その破壊的側面のみでなく、保護的側面の存在を主張し、分裂病患者の治療に多大な貢献wぽ及ぼした。
「精神医学とは対人関係の学」あると規定し、その基礎となる対人認識の方法を、「参与しながらの観察」という概念で定式化した。
●有病率・・・0.5~1.0%、青年期に好発
各国において差があまりない。男女差も時代による差もない。
原因を取り去ることは不可能、投薬によって症状を抑えるという薬物治療が主流。
●症状による分類
①妄想型
②緊張型・・・昏迷
③解体型(破瓜型)・・・思考の解体、機能不全
④鑑別不能型・・・機能不全
4-18
A→○・・・Schneiderの説明参照
B→○・・・幻覚は少なく、幻聴の頻度が高い
C→○・・・Bleulerの説明参照
D→×・・・妄想型は中核群ではない。中核群に妄想はない。中核群:破瓜型から目立った副症状を差し引いた単純型=基礎症状が明らかになったもの。特徴①きわめて緩徐な潜行性の発病、②経過にはなはだしい起伏はない
5-23
A→○・・・有病率0.5~1.0%
B→・・・症状の持続が6ヶ月以上の場合精神分裂病、1ヶ月以上、6ヶ月未満・・・分裂病様障害、1日~1ヶ月未満・・・短期精神病障害
C→○
D→○
6-74
Clが幻聴や幻覚症状を示した場合は、勝手な判断はせず、統合失調症を疑いすぐに精神科医へ連絡を取る。そのまま面接を続けた場合、症状が悪化する場合もある。
12-25
A→×・・・Bleulerの説明参照、幻聴は副次症状
B→○・・・Schneiderの説明参照
C→○・・・Sullivanは対人関係的側面に注目した。
D→×・・・Binswangerは「自然な経験や一貫性」を失った状態。「自明性の喪失」と言ったのはブランケンブルグ。
13-16A→× よくわかりません、「被害的なもの、誇大的なものが多い」のでしょうか
| 固定リンク
「過去問の解説-精神状態」カテゴリの記事
- PTSDと代理トラウマ(2013.08.02)
- SSRIの副作用(2013.01.16)
- 惨事ストレス(2012.10.12)
- 認知症の治療(2012.10.10)
- セネストパチー(2012.07.31)
コメント
ようこさま、
コメントありがとうございます。わからなかったこと教えていただいて、私だけではなく、私たちの仲間&このサイトを見てくださっている他の人たちも大助かりです。ありがとうございます。よろしかったら、ようこさんご自身のことも教えていただけたらうれしいし、一緒にがんばれます。これからもよろしくお願いします。(ランキングのクリックも)
投稿: ひろみ | 2004.07.26 00:20
4-18 Dの「中核群」について
中核群:破瓜型から目立った副症状を差し引いた単純型。
=基礎症状が明らかになったもの。
これを統合失調症の中核群と考える臨床家もいるそうです。
特徴・きわめて緩徐な潜行性の発病
・経過にはなはだしい起伏はない
投稿: ようこ | 2004.07.25 22:56