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2004.05.23

精神状態-人格障害ほか

●DSM-Ⅳ-TRにおける人格障害
A群
(1)妄想性人格障害・・・他人の動機を悪意あるものと解釈するといった、他者に対する不信と疑い深さが特徴
(2)シゾイド(分裂病質)人格障害
(3)失調型人格障害
B群
(1)反社会性人格障害
(2)境界性人格障害
(3)演技性人格障害
(4)自己愛性人格障害
C群
(1)回避性人格障害・・・他者に受け入れられることを求めているにもかかわらず、自己評価が低く、傷つきやすいために社会的接触から退き、社会生活が著しく制限されるのが特徴
(2)依存性人格障害
(3)強迫性人格障害
分類不能の人格障害

●DSMの診断分類体系
第1軸 臨床疾患、臨床的関与の対象となることのある他の症状
(1)通常、幼児、小児期または青年期にはじめて診断される障害
(2)せん妄、痴呆、健忘および他の認知障害
(3)一般身体疾患による精神疾患
(4)物質関連障害
(5)精神分裂病および他の精神病性障害
(6)気分障害・・・大うつ病性障害など
(7)不安障害・・・パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害など
(8)身体表現性障害
(9)虚偽性障害
(10)解離性障害
(11)性障害および性同一性障害
(12)摂食障害
(13)睡眠障害
(14)他のどこにも分類されない衝動制御の障害
(15)適応障害
第2軸 人格障害、精神遅滞
第3軸 一般身体疾患
第4軸 心理社会的および環境的問題
第5軸 機能の全体評価


●境界性人格障害: 3-39,4-70,10-29,13-16C,13-64ア

①対人関係、自己像(同一性)、感情における極端な不安定性と衝動的な行為が特徴。
②青年期に始まり、女性に多い。有病率2%。
③対人関係・・・理想化と幻滅、価値下げを繰り返す
④自我障害・・・自己像の極端な変化、離人症、解離、小精神病状態
⑤感情・・・極端な易変性、見捨てられ抑うつ、空虚感と怒り
⑥衝動性・・・自己破壊的な行為、たとえば自殺企図、浪費、性行動、物質の乱用、食行動異常など

3-39
a→○
b→○・・・Kernbergは中心に口愛的攻撃性をすえ、それに対する特有の防衛体制の敷かれた人格構造を「境界性人格構造」と定義した
c→×
d→○
e→○・・・Masterson調べられていません

4-70
a→○・・・投薬
b→○・・・直面化
c→×・・・転移の扱い
d→○・・・行動化
e→○・・・逆転移

10-29
A→× 共感性を欠くのは自己愛性人格障害
B→× 妄想性人格障害
C→○ 「理想化とこきおろし」は境界性人格障害のキーワード
D→× 分裂病質人格障害

13-16C
・・・Clの行動化に対する対応(4-70dも行動化)。→×

13-64ア
見捨てられ抑うつ-境界例


●自己愛性人格障害: 9-29
 自己についての誇大性、賞賛されたい欲求、共感の欠如に基づく。

9-29
A→×・・・境界性人格障害
B→○
C→×・・・分裂病質人格障害
D→○

●演技性人格障害: 14-54
 あらゆる方法で他者の注意をひこうとする行為が見られる。

14-54
A→○
B→× 自己愛性人格障害
C→○
D→× 自己愛性人格障害

●解離性障害 問題番号(年度-番号): 9-28,13-64.2
 意識や記憶、自己同一性、知覚などが途切れたり、失われたりすることが主な症状である疾患

①解離性健忘・・・氏名などの重要な個人情報を含む広範囲の記憶を思い出すことができない。強いストレスを伴うできごとに関する記憶を思い出すことができなくなる。思い出せない空白の時期がある。
②解離性とん走・・・家庭あるいは職場から突然、周囲の人にはよきできない形で放浪に出る。過去を思い出せなかったり、氏名など個人情報が混乱。
③解離性同一性障害・・・2つあるいはそれ以上のはっきりと区別できる同一性あるいは人格の状態が存在。
④離人症・・・自分の精神あるいは身体から自分自身が遊離しているという持続的あるいは反復する感覚と、正常に保持された現実検討を特徴とする。

9-28
A→○
B→×・・・現実吟味は正常を保てる
C→○
D→○

13-64.2
解離-多重人格

●アレキシシミア(失感情症): 7-25,13-64.4
①alexithiymia(a=lack, lexis=word, thymios=emotion)
②感情制御(感情を的確に認知したり表現したりといった幅広い機能)の障害
③自分や他者の感情について語ることが困難
④空想力や想像力が乏しい
⑤認知や思考の様式が外面性志向である
⑥二次性アレキシシミア・・・ストレスなどの反応としてアレキシシミアの症状が出ること

7-25
A→○・・・②
B→×・・・Sifneos, P. E.が提唱
C→×・・・離人症とは別
D→○・・・⑥
E→○・・・⑤

13-64.4
・・・アレキシシミアは心身症者の本質的現象

●かのようなパーソナリティー: 13-64.3
Deutschが記載した人格障害の一種
一見正常で、適応的な行動をとるようにみえるが、実は表面的な順応状態を繰り返しているだけで、他者と深い安定した情緒関係を発展させることができない人格。「かのような」とはas-if性のこと。シゾイド(分裂病質)との関連。

●神経性食思不振症 問題番号(年度-番号): 3-21
・・・摂食障害場合、カロリー不足による体温低下のため体毛が増える

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