ようこさんによるロールシャッハ・キーワード その2(完結編)
ロールシャッハ・キーワード その2(完結編)
シリーズ2作目にして完結編です。
1作目は、「2004.09.26 ロールシャッハ・テスト」に投稿済みです。
キーワード作戦を、H15で出題された問題に沿ってまとめました。
以下の「キーワード」→「記号」の部分、および各記号の基準値を頭に入れた後で、
H15-46~49に取り組んでみてください。
片口式の方は「2004.09.26 ロールシャッハ・テスト」に投稿した翻訳版を参照してください。
H15の出題内容のみまとめてあるので、他にも当てはめられるものがあるかどうか発見してみてください。
試験の時には、H15に出なかった記号が出ても慌てずに注釈を読んでください。
注:分類が「認知」・「思考」となっているものは、認知の三側面(その1参照)の中から2つずつ複合されたものです。
15-46 認知の側面
「キーワード」→「記号」
A.「漠然、刺激を処理」→「DQv」
※「v」はVague(=あいまいな、はっきりしない、漠然なという意味)
DQ(発達水準)の種類には以下がある。
統合度の高い順に、「DQ+」、「DQo」、「DQv/+」、「DQv」
これらは、「情報処理の質、効率が良い、悪い」といったキーワードと関連。
統合度の高いものが多そうだったら質や効率が良い、低いものが多そうだったら質や効率が悪い。
B.「意思決定、課題解決」→「M:WsumC」
※「思考よりも感情」の場合は外拡型かどうか確認
「感情よりも思考」の場合は内向型かどうか確認
「一貫性がない、やり方が決まっていない」の場合は不定型かどうか確認
C.「感情刺激、混乱」→「彩色図版への反応の仕方、
片口のⅧ+Ⅸ+Ⅹ/R、
エクスナーのAfrなど」
※「感情刺激」というのは、図版の色彩による刺激のこと。
Ⅱ、Ⅲの彩色図版や、Ⅷ~Ⅹの多彩色図版に対する態度を見る。
D.「常識的・慣習的」→「P」
15-47 思考の側面
「キーワード」→「記号」
A.「現実検討力」→「X+%、X-%、F+%」
B.「思考の構え、価値観、可塑性」→「a:p」
C.「思考、他のことが浮かび、注意、集中」→「FM+m」
D.「悲観的な構え」→「MOR」
15-48 感情の側面
「キーワード」→「記号」
A.「攻撃」→「AG」
(今回は出ていませんが、AG≧2なら攻撃性。)
B.「対象が明確でない不安、精神的苦痛、不快感」→「SumC'+SumT+SumV+SumY」
※「感情の発散を抑制」→「SumC'≧3」
「喪失感、寂しさ、飢餓感」→「SumT≧1」
「ネガティブな感情、自己評価」→「SumV≧1」
C.「感情、(頻繁に)抑える、苛立ち」→「SumC':WsumC」
D.「感情表出、調節、統制」→「FC:CF+C」
15-49 自己イメージの側面
「キーワード」→「記号」
A.「自己愛、肥大した自己価値感」→「Fr+rF≧1」
※今回は出ていませんが、Fr+rFは反射反応です。
(「鏡に映っている」など鏡像反応とも呼ばれるもの。)
B.「自己内省」→「FD、SumV」
※「適度な自己内省」→「FD=1、2でSumV=0」
「内省に乏しい」 →「FD=SumV=0」
C.「自己、否定的、ネガティヴ、悲観的」→「MOR≧2」、「SumV≧1」
D.「身体状態、身体的関心」→「An+Xy」
以上です。
「キーワード」→「記号」は絶対的なものではありませんが、
特徴のある言い回しが多いので、ある程度まで参考になると思います。
困った時にはキーワードを類似後に置き換えるなどしてみて下さい。
修正点・疑問点があったら教えてください。
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コメント
どういたしまして。
本番でどの程度お役に立つものか不明ですが、エクスナーの問題を目にした時の焦りがちょっとでも少なくなるといいですね。
私も油断しないで最後の確認をしようと思います。
投稿: ようこ | 2004.10.01 23:06
待ちに待ったキーワードです。受験前のお忙しいときに本当に有難うございました。これでロールシャッハの追い込みに力が入ります。
投稿: Sandy | 2004.09.30 22:21