心理療法-家族療法
問題番号(年度-番号): 3-12,4-62,5-85,6-62C,10-73,11-68,12-90,15-67
●家族療法
家族を1つのシステムとみなして、その家族システム全体を治療しようとする技法の総称。
○システム論的家族療法
○戦略的家族療法
○複合家族療法
○夫婦療法
も含まれる。
①世代論的アプローチ
○拡大家族システム療法・・・Bowen, M.
自己分化の概念、情動と知性とが個人の中で完全に分化さえた状態を目指すことが、家族療法の目標。
問題のある両親間の関係が次世代の子どもに伝播したり(家族投射)、この伝播が多世代にわたって生じる(多世代伝播)。
②システム論的アプローチ
○コミュニケーション派(アプローチ)
Bateson, G・・・二重拘束理論(ダブル・バインド)
Jackson, D・・・MRI→Segal. L. による短期集中療法(ブリーフセラピー)
家族をコミュニケーションの相互作用システムとみなし、望ましくない相互作用を見直すことで、治療する。
○戦略的アプローチ・・・Erickson, M. H.(催眠療法)、Haley, J.
原因→結果の連鎖を別なものへと変容させることを治療の目標としている。治療者の介入の仕方の効用に焦点が当てられている。
○構造論的家族療法・・・Munuchin, S.
システムの構造に重点を置く、家族システムの中に、夫婦、きょうだいなどのサブシステムの分化がある。この境界間の相互作用を強化し、新たに連合関係を再生すること(再構造化)を目標とする。そのために家族システムにセラピストがとけ込む過程(ジョイニング)を行う。
ジョイニングそ促進させる主な技法
※トラッキング・・・アコモデーションのもう1つの技法、Thが家族のコミュニケーションと行動の内容に赴くままに従い、それらを続けるように促すこと
※アコモデーション・・・Thがうまうジョイニングをするために、自らを家族にあわせて調整すること
※マイム(模倣)・・・暗黙的、自然発生的に行われる行為。家族のメンバーの中でThが相手と同じ動作、態度をとること。Thが家族のメンバーに似ることで、親近感が生じる。
※一般システム理論とは
Bertalanffy, L.(1948)
どのような次元の異なるシステムに関しても、構造上の同一性があり、そのシステム内の相互作用も同じ法則に従っていることを示した。
H3-12
→家族「療法」に関する設問ではありませんが、一緒にしました。答えdは明らか。
a・・・ホリスティックな=全体的な
H4-62
a・・・システム論的アプローチが主流なので間違い→×
H5-85
A→○
B→○
C・・・Bowen, M.の拡大家族システム療法→×
D→○
H6-62C
→○
H10-73
A→○ IP=identified patient
B→×・・・家族全員の参加は現実的に難しい
C→○
D・・・バイオフィードバックは行動療法の技法→×
リフレーミング・・・再構造化
課題の処方・・・宿題を出す
逆説的指示・・・望ましい方向とは逆の指示を出すこと(後の2つは短期療法でも用いられる)
H11-68
A→○
B・・・構造を変えて再構築する→×
C・・・Bowen, M.の拡大家族システム療法→×
D→○
H12-90(事例問題)
→家族療法の考え方から答えはc
H15-67
A・・・行動療法とは無関係→×
B→×
C・・・???
D・・・???
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コメント
Sandyさん、いつもコメント本当にありがとうございます。
コメントが見えてなくてちょっと読みにくくて申し訳ないです。
みなさん、各自でコメントもまめにチェックして下さいね。m(__)m
(管理人怠慢ですみません)
投稿: ひろみ | 2004.09.19 01:01
こんにちは。以前どこかで(15-58-D)の機能分析について「わかったら・・・」というコメントがあったと記憶していますが、ネットで見つけました。でも、そのコメントがどこにあったか思い出せないので、ここに入れてもよろしいですか? ひろみさんがおわかりでしたら、移動してください。変なところにぶら下げてごめんなさい。
認知行動療法
*機能分析的アセスメント
クライエントの状態を理解する際には,「なぜこのような症状が引き起こされたのか」という視点よりはむしろ,「なぜこの症状が維持されているのか」という視点から理解するほうが具体的な治療計画を立てやすい.「なぜ維持されているのか」を理解するためには,クライエントの問題にはどのような状況要因が作用しているのかや,クライエントの認知的反応,行動的反応,情緒・生理的反応が互いにどのような影響を及ぼし合っているのかといった「機能分析」をすることが大切である.具体的には,
①脅威の対象となる物や刺激は,どのようなものであり,どのような場面で多く見られるのかを把握する.そして,その外的要因がクライエントの認知や行動にどのような影響を及ぼしているのかを分析する.
②クライエントが脅威刺激をどのようにとらえているのか,その状況がどのように展開していくと予測しているのかなど,クライエントにどのような認知が生じているのかを調べる.
③認知が行動や情緒・生理的反応にどのような影響を及ぼしているのかを分析する.
④その場でクライエントがどのような結果を手にしているのか,その結果がどのような行動や認知を強めているのか(強化しているのか)を分析する.
⑤手にした結果をクライエントがどのようにとらえているのかを調べる.
⑥結果のとらえかた(認知)が,その後の情緒や行動にどのような影響を及ぼしているのかを分析する.
投稿: Sandy | 2004.09.18 18:09
15-67 CとDについて
家族におけるホメオステイシス
家族システムは、その組織を維持して従来の方法で機能しようして、変化を拒否します。これを身体の機能であるホメオステイシスになぞらえて、家族療法では使います。カウンセラーはホメオステイシスという言葉を使って、「なぜ、家族の症状が表面化しているのか」、「なぜ、ある一人のメンバーがIPになるのか」、そして「家族が変わろうとしたらどのようなことが起きるか」について、家族に説明をします。
円環的因果律
Triangular relationships(三角関係)のことだと思います。家族システム理論では、家族の感情的な関係は大体の場合、三角関係(物理的に3者間の関係と言う意味)です。そして、家族システムの中の誰か2人の間に問題が生じたとき、当事者同士(2人)の関係を安定させるために、殆どの場合、家族内の第三者をその関係の中に引きずり込みます。そして、この三者関係が、家族ホメオステイシスを維持するためにインターロックしてしまいます。よく見られる家族内三角関係は、子供1人にその両親、子供2人に親1人、子供1人+親1人+祖父母1人、兄弟3人等です。つまり、直線的な関係ではなく、3者がインボルブされ、環になっているので、日本語では円環的と言うのだと思います。
投稿: Sandy | 2004.09.18 15:38