心理学の基礎-人格理論
問題番号:4-14,4-16,4-46,5-13,6-55,7-65,8-56,11-12,13-8,13-13,13-67,15-69
メモ書きにすぎないですが重要人物&重要項目
◎精神分析学
●Freud, Sigmund(1856-1939)
パーソナリティー構造論(イド・自我・超自我)
発達論(口唇期、肛門期、男根期、潜在期、性器期)
転移
逆転移
自由連想法
抵抗の解釈
夢分析・・・無意識の抑圧された願望を知るためのてがかり
●Adler, Alfred(1870-1937)
個人心理学(individual psychology)の創始者
劣等感の補償、優越への意志(自尊心を高めようとする欲求)、権力への意志
人間の行動を規定するのは、Freudの言う性欲(リビドー)ではなく、権力への意志であるとした。
未来志向的な「いま、ここで」という目的性を重視
文化社会的要因も重視
初期の頃にはFreud, S. の研究を支持し、相互に研究の影響を及ぼしあったが、後にFreudの性欲論を批判し、精神分析的立場を離れて独自の「個人心理学を築いた。児童のガイダンスに興味を持ち、はじめて児童ガイダンス診療所を作ったことでも知られる。
●Jung, C.(1875-1961)
分析心理学の創始者
元型(Archetypus)、類型論(内向-外向・・・リビドーの向かい方による)などの基づくパーソナリティー論
無意識・・・個人的無意識、普遍的(集合的)無意識(その内容が元型)とに分けた
夢分析・・・夢そのものが無意識の心の表現、象徴解釈は元型的イメージを重視
◎Freudの直系の弟子
Sachs, H., Rank, O.(1884-1939), Ferenczi, S.(1873-1933), Eitingon, M., Jones, E.(1879-1958), Abraham, K.
●Rank
神話概念の強調や、出産時外傷の概念の提案などでFreudから離反
意志(will)療法という独自の療法を提案
◎Freudの孫弟子
●Klein, Melanie(1882-1960)
遊戯療法を通して対象関係論の基礎を提唱
Freudの実娘であるFreud, Annaと激しく対立した
●Winnicott, D. W.(1896-1971)
KleinのSV、対象関係論を発展させた
乳幼児の無意識理解のため、6万例をこえる子どもと家族に面接、移行対象という概念を提出
●Freud, Anna(1895-1982)
精神分析的自我心理学、児童分析の開拓者
遊戯療法
◎自我心理学
●Erikson, E. H.(1902-1994)
修正フロイト派、自我心理学派
8つの発達段階についての理論
モラトリアム
アイデンティティ
クライシス
●Fromm, E(1900-1980)
人間主義、社会文化的要因を重視
性格類型・・・生産的構えと非生産的構え(さらに受容、搾取、貯蓄、市場的構えの4つに分類)→五種類の類型
5つの実存的欲求①関係性(生産的愛を培うこと)、②超越性(創造すること)、③根拠性(どこかに所属し、安定感を感じること)、④アイデンティティ、⑤方向性、献身の枠組み(自分の行動に目的があること)
人間には情緒的な健康や人格への完成へ向かう固有の衝動があり、生産的生活や、調和と愛情を求める、生まれながらの傾向を持つと考えた。健康的な人格は、心理学的欲求を創造的、生産的方法で満足しようとする、知的、情動的、感覚的反応のすべての側面を包括する態度を持つとした。また、歴史的分析の結果、人間のおかれた条件の本質を孤独と無意味と捉えた。
●Horney, K.(1885-1952)
自己分析の可能性を強調
社会文化的なものを重視
10の神経症的欲求を分類、それらを3つの一般的な類型に分類した
不安を防衛するための神経症的欲求を①依存的「人に近づく」、②隔離的「人から遠ざかる」③攻撃的「人に対抗する」で類型化
→この2人は新フロイト派だが、おおまかにはEriksonと同じグループ
●Sullivan, H. S.
新フロイト派の研究者の1人で、対人相互作用を通じて形成される精神分裂病や神経症に関する研究を行った。彼の考え方の特徴は、精神医学の基本的対象を対人の場と対人関係であるとしたところにある。さらに、精神病者を特殊視する精神医学を批判し、分裂病も人間過程であるとして、その破壊的側面のみでなく、保護的側面の存在を主張し、分裂病患者の治療に多大な貢献wぽ及ぼした。
「精神医学とは対人関係の学」あると規定し、その基礎となる対人認識の方法を、「参与しながらの観察」という概念で定式化した。
◎ロゴセラピー
●Frankl, V. E.
『夜と霧』・・・三年間のナチス強制収容所経験
自己存在を意味で満たすことができるように援助
実存分析
人生における人間の主な動機は意味の探求であるととらえており、人間存在の本質には、精神性、自由、責任の3つの要素が含まれると考えた。人間はいかに行動するかを選択する自由があるし、精神的に健康になろうとするなら、その自由を行使しなければならないが、それと同時に、選択することの責任を受け入れなければならないことを主張した。
◎現存在分析
●Binswanger, L.(1881-1966)
Freudの精神分析学とHeideggerの現存在分析論とを融合
◎特性論
●Allport, G. W.(1897-1967)
パーソナリティー心理学者
中立的・折衷主義
特性論(共通特性)
成熟した人格基準として、自己の内部だけでなく、かかわりを持つ世界にやり深い関与を感じてをいく自己の感覚の拡張、自分の欲求と社会的要請を調和的に解決できる情緒的安定と自己受容、自己を冷静に対象化することができ、自身を笑いの対象にもできるユーモアの間隔を持つ自己客観視などを挙げている。また、神経症的な性格と健康な人格を分離してとらえた。
●Cattell, R. B.(1905-)
因子分析の各種テクニック→心理的特性の階層的構造(35の表面的特性と12ないし14の根元的特性)
性格、知能に関する諸研究・・・結晶性知能と流動性知能、16PF(性格)
●Eysenck, H. J.(1916-)
実験心理学とパーソナリティー理論を結びつける研究
類型論的特性論(因子分析によって特性論を類型論に結びつける)
パーソナリティーの次元として、外向-内向、神経症傾向、精神病傾向の三次元を想定し、アイゼンク人格目録(EPI : Eysenck Personality Inventory)などの性格検査を作成
◎学習理論、行動主義
●Skinner, B. F.(1904-1990)
行動療法という言葉をはじめて用いた
決定論、要素主義、環境主義、可変性、客観主義、反応性、可知性
社会的学習論、社会的認知論
●Bandura, A.(1925-)
観察学習・・・他人(モデル)がある反応を行い、強化を受ける事態を観察するだけでその反応の生起率が増えること
代理強化・・・モデルに与えられた強化
自己強化
自己効力感
●Rotter, J. B.(1916-)
人間の行動は目標への期待によって決定され、その期待は社会的状況で学習される。
◎個人的構成体論
●Kelly, G. A.(1905-1967)
RCRT
構成主義的択一主義
◎人間主義心理学、人間性心理学、ヒューマニスティック心理学
●Maslow, A. H.
人間主義的(ヒューマニステック)アプローチ
第三の勢力(行動主義、Freudの精神分析学に対して)
自己実現
欠乏動機
成長動機
欲求の段階説(生理的満足→安全と安定→所属と愛情→承認と自尊心→自己実現)
人間は生まれつき自己実現の意欲ないし傾向を持っていると考えた。しかし、我々はそのほかの普遍的で生まれつきの欲求によっても動機づけられており、それらは階層になって配列されているという欲求階層説を唱えた。その最高次元にある自己実現の欲求は、欠乏によって起こるのではなく、生得的な成長欲求であると考えた。
◎現象学的心理学
●Rogers, C. R.(1092-87)
非指示的療法
Cl(来談者)中心療法
ベーシックエンカウンターグループ
人格体型において単一の動機、すなわち個人のあらゆる側面を維持し、実現し、高めようとする欲求を設定した。人間は年齢を増すにつれて自己が発達し、自己実現への傾向が現われ、これが人の一生における主要な目標である。人間は創造しようという生得的衝動を持つが、最も重要な創造的生産物は自分自身で、この目標は健康な人格で最もよく達成されると考えた。
4-14
対象の恒常性とは他者を統合された形でいつも変わらない存在として認知できること(?自分で説明を書きました)
A→×・・・投影同一視だと、他者の本当のすがたは見えないし、投影される自分によって変化する
B→○
C→×・・・自己もまた統合されていなければならない
D→○・・・分離-個体化とは他者と自己を分離すること?
4-16
A→×・・・「実証的根拠をあまりもたず」が誤り
B→○
C→○・・・Maslowの項を参照
D→○
E→○・・・自己理論とは、世界は個人の知覚によって認知されるので、普遍のものではないという理論
4-46
a→×・・・Rogersは技法として「繰り返し」を用いたが、「反射的応答」を重視したわけではなかったということでしょうか。
5-13
b・・・熟慮型に対するのは衝動型(ケーガンの認知型研究)
6-55
・・・Rank, O.の項を参照
※Rankはフロイトでの恐るべき子どもたちの一人だが、後にフロイトからは離れ「出産外傷体験」を重視するwill(意志)セラピーを行った。
7-65
・・・Adlerの項を参照
8-56
a→○・・・基底欠損とは2者関係すらできていない原始的2者関係のこと
b→○
c→×・・・対象恒常性を提唱したのはマーラー
d→○
e→○
11-12
a・・・観察学習においてはモデルが強化されるのを観察する(代理強化)→×
b・・・表象モデリングもある→×
c・・・効力予期と結果予期がある→×
d・・・「情動喚起」が誤り「生理的な過剰反応を減らしたり、自分の生理的な状態の解釈の仕方と変えること」が妥当→×
e→○
13-8
・・・Franklの項さを参照、キーワードは「意味への意思」
13-13
A→○・・・これをもとにつくられたのがモーズレイ人格目録(MPI)
B・・・イド、自我、超自我→×
C→○
D・・・ベンダーゲシュタルトテストは神経生理学的検査、脳損傷の識別指標→×
13-67・・・Jungの項を参照
A・・・?
B・・・?
C→×・・・・個人的無意識と普遍的(集合的)無意識
D→○
15-69
A→○
B→×・・・「外在化」ではなく「内在化」
C→○
D→×・・・何かを「する」とか、何かを目指していくことではなく、「存在する」ことである点を強調
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コメント
カヨさん、コメントありがとうございます。
受験生の方から応援されるとは、私は何をしるんでしょうね…私はカヨさんを応援しているつもりですよ。v(^_^;
勉強はまだまだ中途半端だったので、自分のために続けることは苦になりません。わからなかったことがわかってくるのもうれしいです。
あと1ヶ月、みんなでがんばりましょう!
投稿: ひろみ | 2005.09.03 23:22
ひろみさん
お礼を言っていただき、恐縮です。
自分で書いた解説を読んでみて、「説明不足でこれじゃあよくわからないなー」と思いながら、解説を書くことがいかに難しいかを痛感しました。
詳しすぎてもだめ、簡単すぎてもだめ、ポイントを押さえてまとめるということは、大変ですね。自分でわかっているつもりのことでも、いざこうして書くと、書けないものですから・・・。
改めて、このサイトの、膨大な量に及ぶ「とってもわかりやすい整理と解説」に感謝感激しています。
みなさん、せめてもの恩返しに「1日1クリック」しましょう!
あと、わたしは、ひろみさんのマニュアル本に加えてこのページから、お勧め参考図書を3冊注文しました。(まだ届いてない。そんなに読めるのかな?)微々たるものでしょうが、これも「感謝をこめた応援」になればと思います。
投稿: カヨ | 2005.09.03 21:55
カヨさん、コメントありがとうございます。
私はユングが苦手なので、とてもありがたいです。これからもよろしくお願いします。
投稿: ひろみ | 2005.09.03 13:40
ホームページをやっと、一通り見せていただきましたが、「石のスープづくり」に参加させていただけるのは、ここだけでした。
ユングに関する13-67の解説です。
A:元型の数は理論的にはいくらでも存在しますが、誕生、結婚、死、別れなど、とりわけ普遍的で根本的な生活経験は、元型を認識しやすい事柄といえます。
B:ユングは内向と外向という二つの基本的態度に加え、意識の機能の仕方を4つのタイプに分けました。思考、感情、直感、感覚がその4つです。
この4つのタイプは、「思考-感情」「直感-感覚」で対になっています。つまり、主機能が「思考タイプ」の人の弱点は、「感情」、「感情タイプ」の人の弱点は「思考」、「直感タイプ」の弱点は「感覚」なのです。
投稿: カヨ | 2005.09.02 23:11