心理査定-MMPI
問題番号(年度-番号): 3-16c,5-37A,5-44E,6-44,7-45A,8-31C,8-40,9-48
●MMPI(ミネソタ多面人格目録)
ハサウェイとマッキンレー
1940年
550項目からなる質問紙・・・あてはまる(true)/あてはまらない(false)/どちらでもないで回答
10の臨床尺度
4の妥当性尺度
○臨床尺度
1.Hs: 心気症
2.P: 抑うつ
3.Hy: ヒステリー性
4.Pd: 精神病質的偏倚性
5.Mf: 性度
6.Pa: 偏執性
7.Pt: 精神衰弱性・・・不安が高いとき上がる
8.Sc: 精神分裂病性
9.Ma: 軽躁性・・・精神的な活動性が高いとき上がる
10.Si: 社会的向性
○妥当性尺度
1.?: 疑問点
・・・「どちらでもない」と答えた項目数。これが多いと全ての尺度を低得点化してしまい、正しい評価ができない
2.L: 虚構点(信頼性尺度)
・・・自分を検査者によくみせようとする態度
3.F: 妥当性得点
・・・注意力の欠如、また文章をよく読まずに答えているために回答に矛盾があり、テスト結果の信頼性が疑われる
4.K: K点(修正尺度)
・・・いくつかの尺度の修正を目的、Hs、Pd、Pt、Sc、Maの識別力を大きくする
○典型的なプロフィール三類型
◎神経症者群・・・右下がり、Hs↑、D↑、Hy↑Pt↑
◎問題行動者群・・・Pd↑、Mf↑、Ma↑、Pa↑
◎精神病者群・・・右上がり、Sc↑、Pa↑、D↑、Ma↑
3-16c・・・MMPIは投影法ではない
5-37A・・・特定の人格理論には基づかない
5-44E・・・尺度の内的整合性性に基づかない
6-44
a→○・・・MMPIは症状や症状群の把握を目的とし、患者と健常者との統計的な差異検定を経て構成されている
b→×・・・複数の尺度で高得点を示す場合があり、各尺度の診断の妥当性は低い
c→○
d→○
e→○・・・顕在性不安尺度(MAS)、自我強度尺度(ES)、非行傾向(Dq)もある
7-45A・・・臨床的妥当性
8-31C・・・妥当性尺度に虚構点はあるが、嘘発見とは無関係
8-40
A→○・・・臨床的に問題がなく、適応水準が高い場合は低得点となる
B→×・・・神経症的傾向はHs、D、Hyが高く、右下がりのプロフィール
C→○
D→×・・・「性格特性としての」抑うつ性ではない
E→×・・・Fは注意力の欠如を表し、テスト結果の信頼性が疑われる
9-48
A・・・T得点とはあてはまる(true)と回答した点。F尺度のT得点が高い場合は、テスト結果の信頼性が疑われるので、以前は臨床的解釈を差し控えたが、今は解釈をするようになっている→×
B→○・・・8-40A参照
C・・・Ptは精神衰弱性尺度、精神的な活動性の高さを表すのは第9尺度(Ma)→×
D→○・・・?
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コメント
Cornさん、コメントありがとうございます。
臨床尺度の2つめは確かにDです。まちがいに全然気づいていませんでした。ご指摘ありがとうございます。
あと1月あまり、がんばりましょう。
投稿: ひろみ | 2010.09.02 20:01
ひろみ様
初めまして。
いつもこのサイトにはお世話になっております。
感謝、感謝です
ところで、もうお気づきだとは思いますが、
MMPIの臨床尺度の部分で、
2.P: 抑うつ は
正しくは
2.D: 抑うつ (Dはdepression)
だと思います。
勉強を続けていくって大切なことですよねぇ
投稿: Corn | 2010.09.01 23:35
☆さん、コメントありがとうございます。
左の参考書コーナーでは受験対策用の本を中心に紹介していますが、紹介いただいた本のような、専門書のコーナーも整理していく必要を感じています。考えてみます。
投稿: ひろみ | 2007.02.10 15:59
あずさんが解釈にお使いのマニュアルがどういうものか分かりませんが、
John R .Graham著 田中富士夫訳
「MMPI-臨床解釈の実際 三京房」
という本では、低得点高得点について、数値をあげて詳しく書かれているので、
ご参考にされてはいかがでしょうか。
投稿: ☆ | 2007.02.08 00:51
あずさん、コメントありがとうございます。
申し訳ありませんが、査定の特に解釈に関しては、クライエントさんも見る可能性のある当サイトでは掲載を控えていきたいと考えています。
また、ご質問についても、おそらく、総合的に判断すべきところがあるのでしょう。それを、これだけなら高得点、これだけなら低得点と書いてしまうと、その内容だけが一人歩きしてしまいます。しかし、それでは査定本来の目的と異なってしまいます。そのような状況を生むことは、当サイトの趣旨ではありません。
あずさんは、ご自身のスコアについて、練習のために所見を書かれるのですね。最初コメントを拝見したときは、クライエントさんの所見を書くための質問かと思ったので、ちょっとびっくりしました。それならば、きちんとSVを受けながら行うべきものだからです。こんなところで、ちょろちょろ教えてもらって書くものではないと思います。
老婆心ですが、そういう誤解もありますので、何かを発言されるときは、状況の説明を最初にされることをお勧めします。相手はあなたのことをわかっていない訳ですから、質問をするにしても、手順があるかと思います。
ご覧になった方で、私の危惧していることの抵触しない一般的な内容で、あずさんの質問にお答えいただける方がいらっしゃいましたら、コメントをお願いします。
投稿: ひろみ | 2007.02.06 00:42
はじめまして☆
とつぜんのコメントすみません。
よくわからないのですが・・・教えていただけないでしょうか?
今MMPIの所見をかいているのですが、MMPIのマニュアルを見て、高得点は~低得点は~とかいてあるのですが、
どのくらいから高得点でどのくらいから低得点なんでしょう??
私のスコアは
8´4317-62/0:9#5 F?-K/:L
なのですが
全体的に高得点なのでしょうか??
よろしくお願いいたします
投稿: あず | 2007.02.05 20:46
Personal Orientation Inventory(POI)についてどんなテストかご存知であればメール下さい!!調べても分かりません。辞典にも乗ってないし・・・
投稿: カプリコ | 2005.12.02 01:37
ひろみ様
名古屋のはるです。すでに、お気づきかもしれませんが、『必勝マニュアル』の誤植を見つけましたので、報告します。
H8
問題31
C.MMPI・・・・・・・・・・嘘発見
が「分類別頻出項目の整理と解説ⅹⅱ」の一覧で本来、MMPIに分類されるものが、一行下の内田クレペリンの欄に記載されていました。まずは、ご報告まで。
投稿: はる | 2005.08.11 20:28
ひろみさん、何をおっしゃっているんですか!!
あなたがこのサイトを開いてくれたからこそ、勉強嫌いな私(正解がわからないと前に進めないタイプ)が「よし!やるだけやってみよう!」って思えるようになったのだもの。感謝してるのはこっちです。
お世話になりっぱなしだから、知っていることは投稿しようと当たり前のことをしているだけです。
この臨床心理士の試験は、「どこが合ってて、どこがどうして間違えているか」がひとりの勉強では時間ばかりが過ぎてしまって困りますよね。それが私は嫌だったの。
あなたのお陰で、急にやる気になってきたんですよ♪ (遅いけど、夫からも「やるだけやってベストを尽くせ!」と応援してもらっているので頑張りますね)
ひろみさん、本当にありがとう!
ここを教えてくれた、心の友の○○さん、あなたにも感謝です♪
石のスープの中の玉ねぎの皮くらいにはなりたいものですが、皆様にご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません。
投稿: メロン | 2004.09.27 17:46
moominさん、メロンさん、コメントありがとうございます。
大学のPCからです~。
私が頼りないから、みなさんにこんなに助けていただけるので、足りないところがあるのも長所かなぁって(^^ゞ思ったり・・・
これからもよろしくお願いします。
ランキングももう少しで100位以内に入りそうです。引きつづきよろしくお願いします。
投稿: ひろみ | 2004.09.27 17:29
moominさんのおっしゃる有名なパターンですね。
それとは別に情報を。皆さんご存知でしょうが・・
MMPIのF尺度ですが、これがあまりに高いと『了解不能』『統合失調症』の可能性もあります。
受検態度の偏りと適応水準をみているのがF尺度です。
投稿: メロン | 2004.09.27 17:20
私が持っていた参考書にのっていたので転記します。
「LとKが50以下でFが60を上回るような山型のパターンは、
自らの情緒問題を認めて援助を望むあまり症状を誇張して
訴える『救助を求める叫び』サインとして知られている」
(現代のエスプリ別冊 心理査定プラクティスより)
有名なパターンの一つのようです。なのでやはり私も
「問題を認めようとしない」の箇所が間違っているのでは?」と思います。
投稿: moomin | 2004.09.27 16:48
8-40E)について
ひろみさんの解説で、なるほどと思いました。私は後半の『心理的問題を認めようとしない傾向』に引っかかりました。というのは、私の参考書に、K尺度は、高いと心理的弱点を隠すことによって自己をよく見せようとする傾向を表し、低いと、過度に自己批判的で、悪い印象を与えようとする態度を見せる傾向があると解説してありました。これから判断して、この問題では、『心理的問題を認めようとしない傾向』(高Kの傾向)が、間違っているのではないかと思ったもですが、どうでしょうか?(でも、心理的弱点は必ずしも心理的問題ではないですしね・・・。)
また、V字型(高L/K,低F)は防衛的で自己をよく見せようとする傾向、逆V字型は自己批判的で、悪い印象を与えようとする傾向があるとあります。)
投稿: Sandy | 2004.09.27 00:33