心理査定-テスト・バッテリー
問題番号(年度-番号): 4-38,6-53,8-49,9-55
過去問の傾向分析から、考え方の基本は
①ロールシャッハ(投影法)は必ずいれる。特に境界性人格障害を調べるときは必須だそうです。
②知能検査(WAIS-R)も必要。知能に問題がある人は心因性の疾患を起こしやすいので。知能が低い場合は境界性人格障害ではないかもしれない。(9-53)ただし統合失調症の場合は知能との関係はないので、必要ない。大卒者へも必要ない。だから4-38(分裂病)では選ばれていない。しかし6-53(人格障害)でも選ばれていないのは、どうもすっきりとはわかりません。
③あとひとつは人格検査(MMPIまたはYG)
4-38・・・精神分裂病が疑われる青年
P-Fスタディ、バウム、YG、ロールシャッハ、MMPIから3つ選ぶ
・・・知能検査は必要なし・・・まずロールシャッハ、MMPIを選択・・・選択肢の組み合わせからあと1つはバウム、またはYG・・・MMPIとYGを同時にする意味なし→バウム、ロールシャッハ、MMPI
6-53・・・人格障害が疑われる22歳の女性
WAIS-R、CMI、YG、MMPI、SCT、ロールシャッハから3つ選ぶ
・・・ロールシャッハを選ぶ・・・選択肢から他2つはMMPIとSCTまたはWAIS-RとYG→答えはMMPI、SCT、ロールシャッハ・・・なんでこうなるのか、わかりません!
8-49・・・うつ症状を訴える30歳の主婦の心因の有無と内容を検査
ロールシャッハ、MMPI、知能検査というテストバッテリーの問題点
A・・・時間がかかりすぎ、疲労要因を読む→○
B・・・心因検討は知能検査をSCTに入れ替えた方がよい→×・・・投影法はロールシャッハがあるのでSCTは必要なし・・・しかし、6-53と矛盾!
C・・・MMPIは心因の内容検討に適さない→○
D・・・ロールシャッハ、MMPIの代わりにTATを採用→○
・・・つまり、MMPIはなくてもいいか(時間もかかるし)省き、ロールシャッハの代わりにTATということだと思います。
9-55・・・境界性人格障害の疑いをもたれた23歳の男性向け
WAIS-R、ロールシャッハ、CMI、MMPI、YGから3つ選ぶ
→WAIS-R、ロールシャッハ、MMPI
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コメント
補足です。
>4-38では知能検査が選択肢にないので、迷わずにすみます。
とかきましたが、バウムから発達的側面は査定できますね。
投稿: みどり | 2004.10.05 23:45
マークシートをいただいたお礼に、初登場です!
>②知能検査(WAIS-R)も必要。知能に問題がある人は心因性の疾患を起こしやすいので。知能が低い場合は境界性人格障害ではないかもしれない。(9-53)ただし統合失調症の場合は知能との関係はないので、必要ない。
↑
そんなことはありません。
統合失調症が疑われているPtの査定を依頼された場合は、
通常、知的問題がないかどうか知能検査を行います。
当然、知的に低いために失調症様の訴えが現れる場合がありえるからです。
面接段階で否定されている場合は、必ずしもしないかもしれませんが。
4-38では知能検査が選択肢にないので、迷わずにすみます。
>6-53・・・人格障害が疑われる22歳の女性
WAIS-R、CMI、YG、MMPI、SCT、ロールシャッハから3つ選ぶ
・・・ロールシャッハを選ぶ・・・選択肢から他2つはMMPIとSCTまたはWAIS-RとYG→答えはMMPI、SCT、ロールシャッハ・・・なんでこうなるのか、わかりません!
↑
試験対策としては有効かもしれませんが、なんでもかんでもロールをするというのはとっても危険なので
この機会にそのあたり勉強されるのもいいかもしれません。
ちなみにこの問題は、
1.CMIは×
2.人格障害の査定なのでMMPIとロールはとりたい
(この段階で選択肢はすでに絞られていますが・・・)
3.挙げられた選択肢でロールとバッテリーの相性のいいSCTをとると、その人の意識レベルの傾向もみられる。
4.さらに足すならば知能検査もあり・・・(ちょっと盛りだくさんすぎるけど)
投稿: みどり | 2004.10.05 23:40