Sandyさんからの質問-ロールシャッハ-
Sandyさんのご質問、ロールシャッハについてお答えします、というか、一緒に勉強させてください。
ひろみはロールシャッハ・テストについては、大学で高橋依子先生の特別講義を2コマ)、学会で構造一覧表のワークショップに1回参加しただけです。テキストに載っている以上のことはしりませんが、問題を解くために必要なことを整理してきました。問題で問われていることはごくごく表面的なことなので、ポイントを押さえておけばある程度は解答できるのではないかと思っています。
(以下Sandyさんの質問→ひろみの解説)
ロールシャッハですが、ひろみさんの懇切丁寧な解説を読んでも、不勉強の私には理解できません(情けなーーい!)。片口の本や、検査法の本からスコアの基準のようなものだけでも押さえておきたいと思い、私なりに抜粋してみたのですが、それでも不明なところがあります。ご存知でしたら教えていただけませんか?
ロールシャッハは捨てる覚悟でいたのですが、ここだけでも押さえておこうかなと思っています。よろしくお願いします。
平均%・出現数
F% 75% 現実権津、知的能力
→F+%です。出現率は70%以上が目安です。インクブロットをそれに見合った形で見ているかということを示しています。過去問では「現実吟味力」(9-53C)「現実検討力の程度」(11-46D、12-27C)「物事を具体的、現実的に処理する能力」(14-42D)とあります。
A% 40-60 知的レベル
→動物反応の比率です。高いと知的レベルが低いと判断します。
H ? 他者無関心、抑うつ気分
→人間反応の数です。平均的な出現数は3~7です。人間への関心を示します。低い場合は書かれているような傾向を示します。高すぎる場合は自意識過剰、または人間関係へ過敏である傾向を示します。
FC>CF+c 安定した情緒
→cはCです。過去問では「感情・情緒面の手がかり」(11-46C)とあります。FCが高い場合感情表出を統制できているが、CF+Cの方が高い場合は、感情表出の調整が不十分な傾向を示します。
M>ΣC ** 内向型
M<ΣC ** 外拡型
→体験型です。エクスナーでは重みづけした色彩反応の合計(WSumC)を用います。内向、外拡というのが、性格の内向性、外向性を表すのではないことに注意しましょう。
FM+m 4―7個
→注意の向けられない思考活動が、意図的な思考に干渉する程度を表すとあります。低いと内的な欲求表現がうまくできていない、高いと満たされない欲求状態に動かされているように感じられる傾向を表すようです。
F- ? 現実認識不適切、主観的
→平均的な反応数正確にわかりませんが、1~2程度たど思います。F+との対比から、書かれているような傾向を示します。
C ? 衝動性
→単純色彩反応ですね。これも大人の場合ほとんどないはずです。平均的な反応数は0~1程度だと思います。
DQ 0-1個 高いと、低い知的能力・現実把握
→発達水準です。+とoとvを使って表しますが、形態水準(F+とかの+,-)と混同しないように注意が必要。
0~1個はDQvの平均的な反応数です。刺激を極端に単純化して、対象を漠然と知覚しているます。低い知的能力、現実を正しく把握していない傾向を示します。
逆にDQ+は4~7個が平均的な反応数です。刺激を統合できる知的な高さを示します。でも、統合失調症の場合高くなることもあるようです。
SumC´>wSumC ? 感情を溜め込む
→wではなくWです。書かれている通り、感情的萎縮の割合を示します。
SumC’>WSumCの場合、感情を過度にため込んでいるということ以外わかりません。すみません。
P 4―5個 常識性・社会性
→平凡反応です。私の資料では平均的な反応数は5~8です。過去問(9-53D)では4~5ですね。
R ? 自己統制、現実吟味、安定性
→反応数です。平均は過去問(9-53A)では20~25です。
同じく過去問に「検査態度と関係している」(11-46A)とあります。少ない反応数は検査への拒否的態度を示します。また自己表現をしていない(できない)とも判断されます。「自己統制、現実吟味、安定性」は?です。特に現実吟味はF+ではないでしょうか・・・
W:M ? 欲求水準と潜在能力の合致
→W/M≦1.9・・・達成目標が明確かできず、自分の能力を発揮できないと感じている。他者からは努力していないと見られる傾向
W/M≧4.4・・・高すぎる要求水準、自分の可能性を過大視する傾向を示す
Dd 5-15% 細部へのこだわり、不安、過敏、自己中心性
→特殊部分反応です。平均的な反応数は1~3です。ブロットを通常と異なる見方をしているので、書かれているような傾向も示しますが、環境に対して可塑的であることも示します。
D 45-55% 情緒の安定度
→部分反応です。平均的な反応数は4~12です。情緒的な面は私が調べた範囲ではありません。 物事を具体的・客観的に眺め、実際的常識的に課題にアプローチし、現実的・具体的・経験的に思考する傾向とあります。
反応数 20-25 多:精神活動の豊かさ、気分の高揚、顕示性
少:精神活動の貧困さ、抑うつ気分
→これがRです。
M 2-4個 想像力、知的水準、内部安定、共感性At 10%以下 不安の指標
→人間運動反応です。意味はわかりません。m(__)m
W 20% 知的側面
→全体反応です。平均的な反応数は8~14です。20%は低すぎます。70%くらいあります。
知的能力とも関連しますが(特に発達水準が高い場合)、刺激を分割せずに全体をそのまま処理してしまう可塑性の欠如とも関連します。
W、D、Ddは反応領域です。反応領域は課題に対しての取り組みを示します。(H8-43A)
W>D>Ddです。
取り急ぎ、わからないところはまた質問してください。
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コメント
Sandyさん、いつもお世話になります~。
ロールシャッハはH13年はお手上げです。古い順に過去問をやっていって、記号の確認をしていけばいいと思います。
投稿: ひろみ | 2004.09.23 20:08
ひろみさん、迅速なお答え有難うございました。自分でも何がわかっていて何がわからないの混乱状態での質問だったので、さぞかしひろみさんを困惑させたのではないかと思います。ごめんなさい。他の方の”?”に書き込めるところがあるかなとHPを眺めて、書き込んで、その後でひろみさんのお返事を見つけました。早速、プリントアウトしたので、しっかり勉強します。表面的なことしか聞かれていないとのことですが、その言葉を支えにがんばってみます。また、拙い質問をするかもしれませんが、そのときにはよろしくお願いします。本当に有難うございました。
ところで、ひろみさんのこの迅速さは、カウンセラーに求められる重要な資質の一つだと思ういますよ。You are an inborn counselor!!!
投稿: Sandy | 2004.09.23 16:15