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2004.10.01

心理療法-行動療法

問題番号(年度-番号): 3-28,4-61,5-57,7-87,8-62,9-95,9-81,10-74,12-13,12-71,13-50,13-90c

●系統的脱感作
Wolpe, J.
恐怖や不安を除去する手続き。レスポンデント条件づけの消去の理論を前提。拮抗条件づけの手続きもとる。
手続き:
(1)Clの不安・恐怖場面の重度のものから軽度のものまでの不安階層表をつくる
(2)リラクセーションをClに学習させ、これを恐怖反応への逆制止(拮抗条件づけ)として利用する
(3)リラックス状態にあるClに不安階層表の軽度の不安場面から順にイメージさせ、脱感作をはかり、不安・恐怖を克服していく
※拮抗条件づけ・・・ある条件づけが行われた後、これと同じ条件刺激に対して全反応とは両立しない反応(拮抗反応)を新たに条件づけること。この条件づけによって前反応は実質的に消去される

●フラッディング(flooding)
Clを不安・恐怖の強い場面の「洪水」にひたらせ、いやおうなしにこれと対決させる方法
レスポンデント条件づけの消去の原理に基づく
強い恐怖反応を喚起する刺激(条件刺激)に長く(何度も)Clをさらすが、無条件刺激となる不安・恐怖を引き起こすものは随伴しないため、条件反応としての不安・恐怖は徐々に消えていく

●バイオフィードバック
オペラント条件づけを、生理学的測定によって明らかになる身体反応に対する適応
血圧、心拍、皮膚温など
身体内の情報を、工学的な方法の助けをかりて、本人に知覚させ、その局部内または全身的反応を訓練を通じて制御させようとするものである(13-90c)

●シェイピング:漸近的接近
目標行動の生起率が悪い場合、目標とされる行動をいきなり獲得させるのではなく
(1)最終的な目標行動に至るまでの行動を、容易にできるものから順にスモール・ステップで段階的に分類する
(2)容易な段階から順にその行動が生じたら強化を行うことで、徐々に目標行動の獲得へ近づけていく

●トークンエコノミー
学級集団や病院で不適応行動を減らし、望ましい行動を強化するために、集団内でのみ通用するトークン(よくできましたシール、金券など)を望ましい行動の直後に与える方法

4-61・・・系統的脱感作法
a.「人間は、弛緩状態と不安状態を同時に経験することできない」という至極簡単な原理にもとづいている→○
b.Clの不安階層表をつくり、この表に従って順次脱感作を行っていく→○
c.不安階層表とは、何に対して不安を感じるかを調べるための質問リストがあり、系統的脱感作法の実施にとって不可欠な資料を集めるために用いられる→×・・・質問リストはない
d.Clは漸進的弛緩法を教えられ、自宅でもこれを実習する→○
e.通常、系統的脱感作法は10回前後の少ない回数で必要な効果があがるといわれる→○

8-62
A・・・イメージを用いる(系統的脱感作、フラッディング)→×
B→○
C→○
D・・・「嫌悪療法」調べられていませんが→×

12-13
a→○
b→×・・・レスポンデント条件づけ
c→○
d・・・「潜在感作方」調べられていませんが→○
e→○

●四大理論モデル: 5-57,7-87,9-81AD
◎新行動主義SR仲介理論モデル
レスポンデント条件づけ
Wolpe, J.
Eysenck, H. J.
・・・「現代の学習理論に基づく実験によって基礎づけられたすべての行動修正法」(9-81A)
・・・「人間の行動と情動を行動理論にしたがって変える試み」(12-71A)
系統的脱感作
フラッディング

◎応用行動分析
オペラント条件づけ
Skinner, B. F.
正・負の強化
トークンエコノミー

◎社会学習理論
Bandura, A.
モデリング
セルフモニタリング

◎認知行動療法モデル
Beck, A. T.
Ellis, A.
合理情動(論理)療法
思考修正法

●タイム・アウト: 13-50
A.子どもの攻撃行動や破壊行動といった問題行動に適応される→○
B.問題行動が生じた事態から強化子を取りのぞき、当該行動の消去をはかる→○
C.タイム・アウト室には5~10分とどめおく→○
D.タイム・アウト室へ入る時、出る時に対象児の内省を聴取する→×・・・内省は促さないし聴かない

●SST(生活技能訓練法): 9-95
A.オペラント条件づけを、感情的・社会的コミュニケーションの不十分な人々の援助トレーニングに適用したものである→○
B.被訓練者は、会話技法の基礎・視線を合わせること・声の大きさと抑揚・会話のスピード・表情や身振りなどにより、感情表現の適切な表現法を学習する→○
C.SST訓練者は、被訓練者が練習を行っている際に、励ましは行わない。望ましい行動に近づいた時、初めて是認と賞賛を与える→×・・・励ましを行う
D.訓練目標について、正のフィードバックと負のフィードバックを与えることにより、全体の見通しを形成させ、訓練プログラムを進める→×・・・負のフィードバックは与えない

●全般的なことについての問題: 3-28,9-81,10-74,12-71

3-28
a.行動療法は、学習理論、行動理論に関する実験室での研究から生み出された理論と技法である
b.主として動物実験から得られた理論を、そのまま人間を対象とする臨床活動にあてはめることは、必ずしも適切でないという批判がある。
9-81
B.行動療法は、複数の多様な技法と理論的視点をもった面接法であるが、人間の問題を「行動」として認識し、それを面接の主な対象としている共通点がある
C.行動療法の効果が認められない時は、仮説のまちがいか、方法のまちがいと考えられる
10-74
a.行動に焦点を当て、人を抽象化してとらえたり概念で理解するよりも、具体的な現象により理解する
c.行動の変容を直接的な目標にし、どのようにすれば行動が変容するのかというところで援助を進める
d.問題解決のためにどうしたらよいのかに焦点をおく技法なので、やり易いところから進める
e.行動は、なんらかの形で具体的にとらえた心理活動全般であり、考え方や感じ方及びふるまい方などの多元的な活動である
12-71
A.先駆的な業績は1920年代に始まるが、「人間の行動と情動を行動理論にしたがって変える試み」と、包括的に定義し体系化したのはEysenck, H. J.である
B.条件づけ、応用行動分析、社会的学習、行動論的セルフコントロール、認知行動理論などの複数の理論による方法論をもっている。
C.エキスポージャーと反応暴露法は、強迫性障害の指導に著効をあげ、欠かせぬものであるが、環境の制御や動機づけなどの問題がり、誰でも実施できるものではない。


10-74
b.援助の方法は、一人のClに対して一つの人格論に基づく方法で、行うことを目指している
12-71
D.主として、恐怖症や不登校、パニック障害、摂食障害などに適応され、精神科リハビリテーションや肥満などへの適応が困難である・・・精神科リハビリテーションや肥満への適応も可

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コメント

すみません!見るとこズレてました(泣)。
嫌悪療法はレスポンデント条件付けの応用ですから8-62Dは×になります。

投稿: ゆかり | 2005.09.09 15:30

 いつも勉強の参考にさせていただいております。ありがとうございます。
さて、嫌悪療法(8-62D)が手持ちの辞書に載っていましたので上げておきます。

 望ましくない行為をやめさせるために負の刺激との結合を強化してその行為にに嫌悪を抱かせるようにさせる療法。1948年にオランダのHald,JとJacobsen,Eが駆虫薬の研究中にtetraethylthiuram disulfide(←テトラエチルジスルフィド?殺虫剤の成分です)を注射・服用させてアルコールを飲ませると不快感を強くすることを発見し、アルコール中毒の治療に用いるようになった(アンタビュース療法)。
 アルコール依存に対する負の強化子としては嘔吐剤としてのエメチンやアポモルヒネ、また電気ショックを使うことも多い。ただし、治療室内でアルコールを飲みたいという欲求を起こせない(自然発生に任せられているということか?)から失敗に終わりやすい。
 また、アルコールや他の嗜癖に限らず,男性の同性愛の場合、男性のヌード写真を見せて性的に興奮すると電気ショックを与えるという方法も用いられている。

↑20年前の辞書の内容なので、同性愛の矯正は人権上如何なものかとも思いますが・・・ともあれ、問題については○になります。


投稿: ゆかり | 2005.09.09 15:20

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