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2004.10.01

心理療法-認知行動療法

問題番号(年度-番号): 6-88,13-90ad,14-84C,14-90,15-58

ようこさんのコメントも加えて書き直しました。BeckとEllisの理論の違いが案外重要なようです。

認知療法、認知行動療法という場合、認知行動療法という場合の方が、やや広義になる。Beck=認知療法の祖としてよいが、Ellis の合理情動療法なども認知療法と呼ぶときがあるし、これらすべて認知行動療法の一種と呼ぶこともある。

●Beck, A. T.
認知療法(congnitive therapy)
Clの認知の歪みに焦点を当てる
自動思考・・・①自己についての否定的な見方、②自己を取り巻く世界についての否定的な見方、③自己の将来についての否定的な見方
ネガティブな思考が情緒的苦痛の核となっていると考えるが、対処の仕方を指示したり、ネガティブな思考を明らかにしてクライエントに直面させたりはせず、むしろクライエントとの安定した治療関係を築くことを重視する。
主な技法は、不適応な自動思考を明らかにし、それを適応的・合理的な思考に置き換えていくことであるが、治療者が説得するのではなく、クライエントが」自分自身で置き換えられるように質問することを基本とする。

●Ellis, A.
合理情動療法(rational-emotive therapy)初期には論理療法(rational therapy)と呼ばれた
ABCシェマ理論
 A(activation event or experience)・・・原因となる出来事、経験
 B(belief system)・・・信念体系
 C(consequence)・・・結果
Bに非合理な信念(irrational Belief)がある場合は論駁(D:dispute)を行う
その結果Clは新たに合理的な信念体系を獲得し、症状の改善が図られる(E:effectiveness「効果」ないし「自己啓発」)
合理的な信念を使用することを勧め、問題が生ずる場面で実際に合理的信念を使用する宿題を与え
ABCシェマの構造について学ばせ、クライエントの苦悩の原因である不合理な信念を見いだして、それに変わって問題を軽減させる思考、すなわち合理的な信念を使用することを勧め、問題の生ずる場面実際に合理的信念を使用する宿題を与える。

6-88
A→×・・・「観察可能な行動の制御に注目」は行動療法
B→○・・・Beck
C→×
D→○
E→○

13-90
a→×・・・「行動論を中心的な背景理論にしている」が誤り
d→○

14-84
C→×・・・「Wolpe, J.の系統的脱感作ほうなどの技法」は行動療法の新行動SR仲介理論モデル

14-90
・・・「論理(合理)情動療法」なのでEllisの理論
A・・・「自己効力感」は社会的学習理論における認知過程の変数、認知行動療法の場合は「原因帰属」
B→「出来事」を選ぶ
C→「信念体系」を選ぶ
※プライミング効果・・・類似の先行刺激のため、記憶の保持率が上がること

15-58
A→○
B→○・・・認知行動療法は、主にうつ病に有効。その他、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、身体化障害も対象になる。最近では、統合失調症や人格障害にも適用範囲が広がりつつあるそうです。
C→○
D→×
※機能分析・・・ある行動が環境側に与える効果と、その行動を維持させている出来事とを明らかにする。
例:問題行動が注目を引き出すために生じている。
行動療法で使用されるが認知行動療法でも使用されるようです。

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