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2004.10.05

直前確認-ロールシャッハ・テスト

これから毎日「直前確認」のシリーズを投稿していきます。みなさんも一緒に最後の確認をしましょう。
例によって管理人の足りないところ、補足をよろしくお願いします。

では、第一回は「これだけで絶対に解けるロールシャッハ」です。
付け焼き刃でもなんでも、かまわないと思います。試験自体がその程度のものです。


問題文徹底分析&スコアのここを見ろ!
問われるところはだいたい決まっています。新しい順に確認していきます。
ようこさんがすでにアップしてくださったキーワードとも重なっていますが、ダメ押しです。
スコアは包括システムを使用しています。片口への読み替えはようこさんの記事で確認してください。
H14,12はわからないところがあり、空白です。補足をお願いします。m(__)m
H13はまた違った傾向ですので、ここでは扱っていません。ようこさんのコメントをご覧ください。


●漠然とした印象によって刺激を処理する傾向がある(15-46A)
→DQvが高い(2以上?)、W反応の割合が高いのもこれにあたらないでしょうか?

●意志決定や課題を解決する際、思考よりも感情に支配される(15-46B)
→体験型・・・M>WSumC:内向型(感情よりも思考)、M<SumC:外拡型(思考よりも感情)、M=SumC:両向型

●感情刺激に直面すると、かなり混乱して逃避的態度を取る(15-46C)
→カラーカードの反応数の割合で見ます。包括ではAfrという指標で、ⅧからⅩ図の反応数をⅠからⅦ図の反応数で割った値。平均は0.47。少なすぎると混乱&逃避が考えられます。

●常識的・習慣的な仕方で反応する傾向が著しい(15-46D)
→Pが高すぎる場合、平均的な数は5~8

●現実検討力が歪んでいて、物事を客観的に判断できない(15-47A)
●物事を具体的、現実的に処理する能力が高い(14-42D)
●状況の認識は適切(14-43B後半)
●現実とのかかわりは主観的(14-43D後半)
●現実検討力はほぼ保たれている(12-27C)
→F+%<70だと現実検討力なし、現実との関わりは主観的

●思考の構えや価値観を変えにくく、可塑性の欠如が目立つ(15-47B)
→a:pの差が2以上

●思考をしているとき、他のことが浮かび、注意を集中させにくい(15-47C)
→FM+m(平均3~6)が高い

●悲観的な構えによる思考をしやすい(15-47D)
→MOR≧1

●女性への攻撃的な感情を抱いている(15-48A)
→攻撃性ありはAG≧2の場合

●現在、対象が明瞭でない不安を感じている(15-48B)
●抑うつ気分が強い(14-42B)
●漠然とした不安感と緊張感が強い(14-44D)
→SumC’+SumT+SumV+SumY(平均2~5)が高い、片口ではFc+c+C’
またP≦3も、極度の不安状態と知的欠陥、社会的協調性に乏しく内閉的傾向を表す
m≧2も内的緊張が高いことを表す

●思ったことを言わない態度によって、感情を抑えがちである(15-48C)
●萎縮しすぎて自己表現できない(12-28D)
→SumC’>WSumC、またはSumC’≧3だと感情発散を抑制

●感情表出の調整や統制が困難である(15-48D)
●刺激に敏感で情緒的に反応(14-43A前半)
●状況刺激に影響されて、衝動的に行動する傾向がある(14-44B)
●内的衝動が制御できず、動揺している(12-28B)
→FC<CF+C

●自己愛の肥大傾向が見られる(15-49A)
→Fr+rF反応≧1

●自己を内省し、自分に関心を向けて、自我を再構成しようとしている(15-49B)
→FD=1~2でかつSumV=0

●自分は弱い存在であると、自己を否定的に眺めている(15-49C)
→MOR≧1またはSumV≧1

●自分の身体状態を著しく気遣っている(15-49D)
→An+Xy≧2

●知的能力は高い(14-42A)
→低い場合・・・Aが多い、F+%<70、P<4
Mは知的能力を表す

●本人に認知されていない内向傾向がある(14-42C)
●現実にはひきこもりがちである(14-43B後半)
→P≦3、極度の不安状態と知的欠陥、社会的協調性に乏しく内閉的傾向を表す

●対人関係に内的には敏感(14-43B前半)
●対人関係への過敏さゆえに、人とかかわれない(12-28A)
→Hd、(Hd)、Ad、(Ad)があると対人関係に過敏

●元来消極的であり、自分を主張したい欲求は弱い(14-43C)
→反応数が少ない?

●自分の内的葛藤についての自覚に乏しく(14-43D前半)

●内面の葛藤について適切な観察力、表現力がある(14-44A)

●不適応になっても、自己主張してしまう(14-44C)
→(Hd)がある?

●物事の総合的把握ができる(12-27D)
→反応領域で適度なDdやW?

●感情表現は豊かである(12-27B)
→色彩反応の総数

●物事の得意な見方を反映する記号がある(12-27D)
→Ddがある

●自己顕示願望に動かされすぎる傾向がある(12-28C)
→W/M≧4.4だと高すぎる要求水準、W/M≦1.9だと達成目標が明確でなく、能力を発揮できていない感じ


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過去問の解説-ロールシャッハ」カテゴリの記事

コメント

ふみさん、はじめまして。

自己顕示が強い方の場合は、もっと美しい、あるいは誇大的な
ファンタジー色の濃い反応が見られます。
⇒そう言われれば、自己顕示的な反応として「華やかな衣装を着た女性」という例がありました。
このような自己顕示的な反応は解離性障害で見られやすい反応だそうです。
エクスナーの場合、自己愛的な反応(Fr+rF)も何らかの関係はありそうですね。

WとM
⇒昨日、「要求水準と自己顕示願望の関係が分からない」と書いたのですが、私は要求水準と自己顕示願望は別の概念のように思ってました。
例えば、要求水準が高いからといって自己顕示的だとは限らないからです。
だから、自己顕示願望のところでWとMの比率を見ることに疑問があったんです。
でも、実際は参考にする立場もあるかもしれないので、よく分かりませんでした。

もしこのような問題が出たら、反応内容を最初に検討してみたいと思います。

投稿: ようこ | 2004.10.07 23:06

ようこさん、ふみさん、コメントありがとうございます。

私は本だけで勉強したので、何書いてあるのかよ~わからんかったことも、このようにかみ砕いて説明していただくととても腑に落ちます。ありがとうございます。

しかし、総合的判断って、やりにくいです~。いっそ外国語的にすぱっと一対一対応になって欲しいものです。

実際のケースに関してではなく、こういう試験では、という意味です。

投稿: ひろみ | 2004.10.06 23:06

ひろみさん、ようこさん、皆さんはじめまして。
いつも勉強させていただいております。

自己顕示願望(12-28C)は私もいまひとつピンとこないの
ですが、包括が出た場合は、やはりFr+rF鏡像反応をチェック
してみるとよいかと存じます。

12-28Cの反応内容をざっと眺めてみると「顔」反応の多さ、
動きの乏しさが目につきます。
対人関係を危険なものとみなして、そこから引きこもり
萎縮しているCL像が推測されます。

自己顕示が強い方の場合は、もっと美しい、あるいは誇大的な
ファンタジー色の濃い反応が見られます。

WとMは、Mがその方が現在使える内的資質、
Wはその方が自分に課しているがんばり度要求水準で、
Mが少ないのにWが多すぎる場合には、頑張って情報を
たくさん取り込んではいるけれども、努力が空回りしている
状態が推測されます。

試験に直接役にたたない情報かと思いますが、
スコアを覚える時にちょっとでもお役にたてばと思い書きました。
間違っているところがあれば教えてください。

投稿: ふみ | 2004.10.06 22:37

こんばんは。
⇒以下に私のコメントを書きます。
平均的数値は成人の基準を示しています。
確認不足の部分もあるので、はっきりしている部分のみ書いてみました。

●漠然とした印象によって刺激を処理する傾向がある(15-46A)
→DQvが高い(2以上?)
⇒DQvの平均は、内向型と不定型は0~1、外拡型で1~2。
→W反応の割合が高いのもこれにあたらないでしょうか?
⇒形態の良くないWが多ければ、そう言えるかもしれません。
 ここでは、Wの形態質に関する記号はありませんが、注②を見ると、漠然とした全体反応が目立つので、参考にして良いと思います。

●意志決定や課題を解決する際、思考よりも感情に支配される(15-46B)
→体験型・・・M>WSumC:内向型(感情よりも思考)、M<SumC:外拡型(思考よりも感情)、M=SumC:両向型
⇒エクスナーの場合は、MとSumCの差が2~2.5以上の場合に内向型、外拡型と判断。そこまでの差がないM=SumCなら不定型。

●本人に認知されていない内向傾向がある(14-42C)
●自分の内的葛藤についての自覚に乏しく(14-43D前半)
●内面の葛藤について適切な観察力、表現力がある(14-44A)
⇒問題に出ている「FM+m:Fc+c+C’」(裏の体験型)を見る。
 これは、本人には認知されないような潜在的傾向の指標。
 FM+m…潜在的内向傾向の指標、Fc+c+C’…潜在的外拡傾向の指標。
 よって、
 FM+m>Fc+c+C’なら潜在的内向傾向。
 FM+m<Fc+c+C’なら潜在的外拡傾向。(潜在的情緒的反応性。)
 M:∑C(エクスナーのM:SumC)とFM+m:Fc+c+C’の不等号が食い違う(体験型が異なる)なら、内的な矛盾と葛藤の存在を示す。
 この場合体験型はM<∑C(外拡型)、裏体験型はFM+m=Fc+c+C’(両向)なので、内的矛盾と葛藤あり。
 かつ、FM+mの数字が高いので、本人に認知されていない内向的傾向があると言える。
 ※この考えをそのままエクスナーに利用できるかは疑問。

●現実にはひきこもりがちである(14-43B後半)
→P≦3、極度の不安状態と知的欠陥、社会的協調性に乏しく内閉的傾向を表す
⇒H+(H)=0と低い。(Hは3~7個が平均。)

●対人関係に内的には敏感(14-43B前半)
●対人関係への過敏さゆえに、人とかかわれない(12-28A)
→Hd、(Hd)、Ad、(Ad)があると対人関係に過敏
⇒反応内容にある「目」、あるいは「顔」の反応も敏感さの指標。

●元来消極的であり、自分を主張したい欲求は弱い(14-43C)
→反応数が少ない?
⇒反応数がまあまあなので、消極的とは言い難い。
⇒自己主張の指標は…?
 強いて言えば、反応数がまあまあということと、M<∑Cなので、感情表現が優位であり、自己中心性も見られることがヒント?

●不適応になっても、自己主張してしまう(14-44C)
→上記の反応数やM<∑Cに加え、SCTで自己の不適応感について主張しているため。
●物事の総合的把握ができる(12-27D⇒A?)
→反応領域で適度なDdやW?
⇒12-27Aは、Wが少なめなので×

●自己顕示願望に動かされすぎる傾向がある(12-28C)
→W/M≧4.4だと高すぎる要求水準、W/M≦1.9だと達成目標が明確でなく、能力を発揮できていない感じ
⇒ぴったり当てはまる記号は不明。要求水準と自己顕示願望の関係もよく分かりません。 
反応数が多くないこと、Hが少ないこと、内向型であることなどのヒントを見ながら総合的に判断?

きちんと読み直してないので、修正する点があったら教えてください。

投稿: ようこ | 2004.10.06 21:13

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