心理療法-ゲシュタルト療法
問題番号(年度-番号): 8-79,10-80
●ゲシュタルト療法
Perls, F.
基本概念:
①気づき・・・精神分析での意識化、洞察、「アッハ体験」とも言うべき納得の体験
内層の気づき・・・Clの身体の内部で起きていることを自身で意識化すること
中層の気づき・・・頭の中での想像、空想、これと外層との一致を促す
外層の気づき・・・外界の観察のレベル、正確な現実認知
②図と地とその反転・・・今意識に上がらないものが上がってくる時、地であったものが図になることを指す
③今、ここ・・・「今、ここ」という現象性の重視、過去体験から現在に目を向けさせる
境界例以上の重篤な症例には適応が困難
Clに治癒自体への欲求が乏しい場合には適用が難しい
技法
※ホット・シート・・・椅子を用いて、それらの上に、イメージの中の他者や自己を座られて対話する技法
※ファンタジー・トリップ・・・ファンタジーの世界をあらかじめ構成して、導入し、自己の潜在能力や問題点、生き様を
発見する
※夢のワーク・・・夢を過去の出来事とせず、「今、ここ」において再現し、登場人物や事物になってみる
※ボディー・ワーク・・・身体に関心をもち、それに関わる。例えば肩こりがひどいClに、その肩になったつもりで言語表現してみるように促す
正
8-79
a.ゲシュタルト療法はPerls, F.の創始したヒューマニスティックな心理療法の一つである
b.ゲシュタルト療法が「いま-ここ」という現象学的立場を大切にする
c.Perls, F.は、いわゆる典型的なさまよえるユダヤ人の性格をもち、それが彼の心理療法に少なからず影響を及ぼしている
d.Perls, F.は、東洋的なものにも関心があり、禅からも影響を受け、日本でも参禅している
10-80
a.不快感や怒りといった感情を精神的バランスを保つためのサインとして理解する
b.内面的な「生きざま」が、象徴的に身体に現れると仮定するため、身体を通じての気づきを得ることが一つの重要な技法となる
c.ここでいう「気づき」とは、「いま、ここ」で「地」から「図」にのぼってくる意識の過程をいう
e.神経症様の徴候とは、二つ以上の欲求が競合して二分割され、欲求が「図」として統合されない状態であるといえる
誤
8-79
e.ゲシュタルト療法の技法には、ホット・シート、ファンタジー・トリップ、夢のワーク、フィンガー・ペインティング、箱庭、ボディー・ワークなど多彩である・・・「フィンガー・ペインティング、箱庭」が×
10-80
d.主たる目的の一つは、「いま、ここ」の時点での対人関係のやりとりを分析することによって、自分の望ましくない対人様式の改善をはかることにある・・・分析や対人様式の改善は目標としない
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