社会的比較理論
Festinger, L. が唱えた自己評価の原理に関する理論。
人は複雑な社会環境を適応的に生きていくために、自分の意見や能力を正しく評価したいという動機があり、そのために自分と意見や能力が類似した他者との比較を行う。
しかし常に類似した他者が比較対象となるわけでもない。自己を高め、自己をより望ましいものとして知覚したいという自己高揚動機が作用する場合は、自分より劣った他者が比較他者として選ばれる。自尊感情が脅威にさらされるような状況においては、自分よりも下のレベルにいる人と比較して「あの人よりは自分はましだ」と思うことで自分を安心させるのである。これを下方比較という。
また、自尊感情が高まっている場合や自己向上動機が作用する場合は、自分より優れた他者と比較を行う。このとき比較他者は自分にとって成功のモデルとなるのである。これを上方比較という。
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