2次的動機
過去問では出題されていない用語も、『頻出問題』でまとめておきましょう。
対応する過去問: 7-4,(13-8)
●Maslow, A. H. の欲求の階層説(H16出題)
①生理的動機、②安全への動機、③所属と愛情への動機、④自尊の動機、⑤自己実現動機(新たな努力によって失敗や弱点を克服し、償い、自尊心や誇りを高く持つ動機)
『頻出問題』の記述
人間の欲求は階層をなしており、下位の欲求が充足されると上位の欲求が機能する
『頻出問題』から、他の欲求に関する考え
●Lewin, K. (1890-1947)
人間の欲求は人間内部の緊張体系によって生じるものであり、緊張解消に向けて機能する
→ゲシュタルト心理学のLewin、葛藤の分類
●Murry, H. A.
人間の欲求は身体内部から生ずる生理的欲求と、精神的な面から生じる社会活動の中で満たされる社会的欲求とに分類される
→TAT、社会的欲求のリスト
●Rogers, C.
人間の欲求は実現傾向を中心に成り立っており、自らを維持を強化する方向に全能力を発展させるように機能する。
●過去問13-8から Frankl, V.
Frankl, V. は、人間の動機づけの基本となるものは【意味への意志】であるとし、人生に独自性の感覚を与える意味と目的を見出せないとき、人は【実存的空虚】を経験する。この状態は主として退屈、倦怠としてあらわれ、それが持続すると【実存的欲求不満】となる。これは意味・目的が見出せないことに対する反応であるが、これが昂じると【精神因性神経症】となる。
●2次的動機
生理的・生得的な1次的動機(苦痛を回避したり、あるいは個体内の生理バランスを一定状態に維持する動機)に対して、1次的動機を基礎として学習によって習得された動機
①内発的動機
行為自体が報酬となるような動機づけ。操作動機、探索動機。
『頻出問題』記述
面白いから勉強するというように、行動することそれ自体が目標になっている動機
②社会的動機
Murry, H. A. が提唱。社会活動や対人関係の中で満たされる動機。親和動機(仕事に熟練した人よりも、気心の知れた人とともに共同作業をしたいという動機)、達成動機(高い目標を持ち、自己に打ち克ち、困難に対処し、競争場面でも優れたいという動機)、承認動機。
●機能的自律性
Allport, G. W. がしめした社会的動機に関連する概念。もとは目的のための手段であったものが、目的そのもの転化すること。例:経済的な理由で保険外交員の仕事を始めたが、やがて仕事自体に興味を見出し、経済的必要がなくなってもその仕事を続けたいと思う。
●ヤーキス・ドットソンの法則
学習の成立において適切な動機の強さがあるという法則
●心的飽和
同一の活動を続けていると、時代に活動に対する欲求が満たされ活動を続ける気がなくなる現象。一般に、動機づけが弱くても強すぎても、飽和までの時間は早い。
『頻出問題』記述
その行為に対する自我関与の程度が極端に強いかあるいは極度に弱い場合には、中程度の場合に比較して早く飽和に至る。
●学習性無力
回避不可能な場面を多く経験すると、自分の行動の無効力を場面全般に対して予測し、その後回避可能な場面になっても回避学習が成立しなくなる
過去問7-4
a.動物の動因を低減するためには、食物、水等の報酬が役に立つ→○、Hull, C. L. 動因低減説
b.動物は、食物や水を十分与えられていても、未知の場所を探索し学習する→○、2次的動機の探索動機
c.人間は、達成への動機づけを強くもち能動的に行動するので、賞罰だけの動機づけでは不十分である→○、達成動機
d.自分の能力を十分使って、いきいきと環境と相互作用ができる力をコンピテンスと呼ぶ→○
e.Piage, J. によると、子どもは環境の側からの働きかけにうおってシェマ(行動のパターン)を洗練し獲得する→×、子どもが環境へ働きかける
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