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2005.01.18

怪獣のバラード

始まりは、m&mのアーモンドチョコレートです。昨日買ったのを、家にあったアーモンドチョコに混ぜて、「恐竜の卵が入っているよ」と娘に見せていました。カラフルな色と形が、そう見えたからです。そんなことがあって、「怪獣のバラード」という古い歌を思い出しました。

古い歌と言っても、「怪獣のバラード」は今でも耳にすることがある、根強い人気がある合唱曲です。歌詞をつらつらとたどってみると、その人気の訳がわかりました。マスローの欲求階層説にもとづいた、人間にとっての普遍的なテーマを歌っているからです。

歌詞:
真っ赤な太陽 沈む砂漠に
大きな怪獣が のんびり暮らしてた
ある朝目覚めたら 遠くにキャラバンの
鈴の音聞こえたよ 思わず叫んだ
海が見たい 人を愛したい
怪獣にも 心はあるのさ
出かけよう 太陽は燃える
愛と海のあるところ

この詞をマスローの欲求階層説に従って読んで見ましょう。砂漠で「のんびり暮らしてた」怪獣は、下位の2つの欲求である「生理学的欲求」と「安全の欲求」は満たされていたと考えられます。ところが、遠くに見えたキャラバンが怪獣に新たな欲求を喚起しました。「愛と海」とは、何を表すのでしょうか。

「愛」が「安全の欲求」の次の欲求である「所属と愛の欲求」であることは容易にわかります。何不自由ないと感じていた怪獣は、自分が孤独であることに気づきました。そして、愛し愛されたいと望んだのです。

それは怪獣が見たいと切望した「海」は何でしょう? 私は最上高位の欲求である「自己実現」であると考えます。
「海」は広いもの、はるかなもの、その海への憧れは、怪獣にとってはるかに広がる未来を表しているのでしょう。このまま砂漠で一人朽ち果てるのではなく、未来は広々と広がっていて、怪獣はそれに向かって旅立つのです。
はるかな未来に向けて、今と違う自分になろうとしている怪獣は、まさに自己実現欲求に動かされていると思います。

もちろん軽快なテンポの歯切れのよいメロディーも、この歌の魅力であることは付け加えておきます。

ところで…怪獣には自己実現欲求はありません。怪獣も人間同様の高度精神活動があると推測するのは、心理学では禁忌事項でしたね。これがモーガンの公準でした。

この詞の怪獣は人を表しています。機敏でも、美しくもない、孤独な、でも普通の人です。だから人として、当たり前の欲求に動かされています。怪獣は私たち自身なのです。これが、この歌が永きに渡って歌いつがれている訳であると思います。
一緒に怪獣くんの未来を応援してあげましょう!

最後は心理でなく文学でした。(^_^;)

今、相生を過ぎました。あと1時間くらいです。

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コメント

なさん、コメントありがとうございます。
私はライターでもありました。思い出させていただて、感謝します。

投稿: ひろみ | 2013.09.26 22:45

わたしは、今年の合唱祭実行委員で、この曲を歌うのですが、歌詞の意味が、わからなかったのでたすかりましたー!

投稿: な | 2013.09.22 21:01

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