人格理論-過去問
今日は、人格理論のまとめとして、過去問の確認をします。
問題番号は4-16acd,5-34A,6-55,7-65,8-56,13-8,67
Rogers の出題も多いのですが心理療法のところで、クライエント中心療法と一緒にまとめます。
過去問を見てもらったらわかりますが、『頻出問題』でやってきた人名はあまり出ていません。しかし、H16問題では、過去問で見たことのない問題が出たわ!と思ったら『頻出問題』に出ていた!という例が多数でした。勉強したことを記憶の片隅に止めておくのがいいと思います。
●Freud
8-56b
Freud,S.のエディプスの考え方には対象関係論の着想が認められる。→○・・・対象関係論はFreudのエディプス論に基づいている
13-13B
Freud,S.は,人格は無意識,自我,超自我という3つの領域からなると考えた。→×、・・・Freudによると人格は、イド、エゴ(自我)、スーパーエゴ(超自我)の3つの領域からなると考えた。無意識に対するものは、前意識と意識。
●Adler
7-65
[Adler,A.]はFreud,S.の『夢判断』を読み,精神医学に関心をもち,Freudの研究会のメンバーになったが,後に別れて個人心理学を提唱した。かれの最初の業績『器官の劣等性に関する研究』において強調した[劣等感]の概念は,いまや日常用語になっている。また,かれが用いた[ライフ・スタイル]という言葉も今日では一般的に使われている。彼の理論は精神分析分派とみなされることが多いけれども,その先見性が人格の全体性の重視,社会的視点などから[Rank,0.]との共通点が指摘されている。
→著書名よりBの「劣等感」が分かれば、Adlerであることはすぐにわかるので、答えをみつけるのは容易である。Rankは「外傷体験」でb.のABの横並びは一致している。他年度でも出題されているので、そちらでチェックする。
●Jung
5-34A
Jung,C.G.は内向性と外向陸を査定するために向性検査を作成した。→×・・・Jungは性格検査は作成していない
13-13C
Jung,C.G.は,心的エネルギーがどちらを向いているかによって外向性,内向性というパーソナリティ類型を考えた。→○・・・心的エネルギーをJungはリビドーと呼んだ。
13-67
A.元型は人生の典型的な状況の数だけ存在する。→○
B.思考タイプの人は,感情を上手に抑制することができる。→×
C.無意識とは,すなわち普遍的無意識のことである。→×・・・個人的無意識と普遍的(集合的)無意識(その内容が元型)とを定義した
D.人格の統合された姿として両性具有の状態がある。→○・・・ギリシャ神話的ですが、○です
●Maslow, A. H.
4-16acd
a.Maslow,A.H.の理論は,実証的根拠をあまりもたず,深い思索から生まれた哲学的理論である。→×
c.人問学的理論は,精神分析的理論及び行動主義的理論に対するアンチテーゼとして提唱されたものである。→○・・・Maslow 自らが「第三の勢力」と述べた
d.Maslow,A.H.の理論においては,人間の最も基本的な欲求は生理的欲求であり,最も高次の欲求は自己実現欲求とされている。→○
●Rank, O.
6-55
Freud,S.の弟子たちの中には,精神分析の理論や技法について彼と別な意見を主張するようになっていった人びとがいる。例えば1910年代のAdler,A.,Jung,C.G.や1920年代のFerenczi,S.,Reich,A.そして[Rank,O.]などである。特に[Rank,O.]は神経症の基本的葛藤をエディプス・コンプレックスに置くFreud,S.とは異なり,母子の分離こそが中核であると主張し,中断療法などの方法を考えた。そして今日の力動的短期心理療法の基盤を作った。
→Rank, O. はFreud の直弟子、出産外傷の概念や、意志療法(will therapy) という独自の療法を提案した。短期療法の分類では積極療法。
●Frankl,V.
13-8
Frankl,V.は,人間の動機づけの基本となるものは〔意味への意思〕であるとし,人生に独自性の感覚を写える意味と目的を見出せないとき,人は〔実存的空虚〕を経験する。この状態は主として退届,倦怠としてあらわれ,それが持続すると〔実存的欲求不満〕となる。これは意味・目的が見出せないことに対する反応であるが,これが昂じると〔精神因性神経症〕となる。
→Frankl, V. E. はナチスの強制収容所での経験を描いた著書『夜と霧』(1946)で有名。自己存在を意味で満たすことができるようにするロゴセラピーを創始。
●その他
8-56acde
a.基底欠損という用語を提唱したのはBalint,M.である。→○・・・焦点心理療法と呼ばれる短期療法を開発
c.Klein,M.は対象恒常性という発達課題を提唱した。→×・・・Kline, M. は対象関係論を提唱したが、対象恒常性とは別
d.Searles,H.F.の逆転移論は精神分裂病の心理療法に寄与している。→○
e.Winnicott,D.W.の移行対象は,ぬいぐるみや毛布の切れはしにとどまらない。→○
13-13AD
A.Eysenck,H,J.は,因子分析法を用いて人問のパーソナリティを外向性・内向性,神経症傾向といった因子で説明可能であるとした。→○・・・特性論
D.Bender,L.は,まとまりやパターンの繰り返しのあるさまざまな模様や図形を描写するときの反応パターンを元に,パーソナリティを視覚型と運動型に類型化した。→×・・・ベンダーゲシュタルトテストは前頭葉の働きを調べる神経生理学検査で、パーソナリティ検査ではない
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