発達と環境
今日から発達について勉強します。過去問における出題数は少なくないですし、H16の「モロー反射」と「バビンスキー反射」が『頻出問題』に出ていたのは、今では有名な逸話になっています。H17も何が出るかわかりません。『頻出問題』の項目と人名はチェックしておきましょう!
今週はまたいろいろ用が立て込んできました。こまぎれの時間を使ってのアップになりますが、応援(右上クリック)をよろしくお願いします!!
●発達・・・受胎後から青壮年期までの心身の質的・量的変化
●成熟・・・発達を支える精神生理学的機構の整備状態、学習成立などの内的要因となる
→Gesell, A.・・・成熟優位説
訓練による学習は、成熟の要因が整って初めて効果を持つものであり、その意味では学習は常に成熟に依存した形をとる。・・・この考え方を批判する形でVigotskyなどは「発達の最近接領域」説を唱えた。
●遺伝と環境
孤立要因説・・・遺伝か環境か
輻輳説・・・両方から影響を受けるが、相対的な関与の割合が異なる(加算的に考える)、Stern, W.(シュテルン)、遺伝と環境の要因がどのように影響し合い関わり合っているかについては説明していない
相互作用説・・・相互作用的&相互作用の生じる時期の重要性、個人間でのずれ
→Jensen, A. R. ・・・環境閾値説
遺伝的資質は特性によって環境から影響を受ける程度が異なる。身長などは環境の影響を受けにくいが、絶対音階などは、豊富な環境条件が与えられたときにのみ顕在化する
●研究方法
縦断的方法・・・同一個体群を追跡調査
→依存性や攻撃性などの特性について、発達における機能的連続性が縦断的研究より示唆されている
横断的方法・・・発達段階ごとに被験者体群を設定し、比較・対象する
→出生コホートの影響を考慮する必要があるため、得られた結果の一般化は困難である
コホート・・・同じ年代に生まれ、共有できる特定の時代体験をもつ同世代集団
●双生児研究
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コメント
ひろみさん
いつも利用させていただき感謝しています。
昨年試験に落ち、今年は気を引き締めて合格せねばと、ひろみさんのサイトをまじめに見させて利用させていただいてます。もう解決したのかもしれませんが、社会的学習のところで、11年12の問題のdの回答の参考資料がありましたので、以下に書きます。
自己効力は主に4つの情報源によって基礎付けられるとされる。以下にまとめてみる。
1)遂行行動の達成
個人が自分で行動して必要な行動を達成できたという経験のことで、これを情報源とする自己効力は最も強く安定したものになると考えられる。一般に、成功経験は次の機会にもその状況を効果的に処理できるという予期を高める傾向があり、逆に失敗経験は自己効力予期を低める傾向があるといわれている。
2)代理経験
人々はさまざまな社会的モデルを通して、自分にもできそうだという効力予期を形成する。この要因は直接経験としての達成経験に比べれば幾分弱いと考えられるが、「人間の経験の中に占める代理経験の相対的大きさからみれば、この情報源の影響は、きわめて重要なものと考えなければならない。」(祐宗・原野・柏木・春木,1985)
3)言語的説得
この情報源はその手軽さのために最も安易に用いられる。強力な説得の方式を反復して用いれば、やがては自己効力を高めることができると多少は期待できるが、言語的説得のみによる自己効力は、現実の困難に直面して簡単に消失してしまうことが十分にあり得る。言語的説得は、結局は遂行行動を達成に導くための一時的な補助手段として用いられ、それが実行によって確証されてはじめて確固たるものとして機能する。
4)生理的状態(情動喚起)
大勢の聴衆の前で声が震えたり赤面したりといった生理的反応から、人々は効力予期を弱め、逆にそうならなかったという判断手がかりから自己効力を強める。このように生理的状態も効力予期の重要な判断手がかりとなる。
投稿: たなか | 2005.02.22 10:03