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2005.04.24

病跡学会に参加して来ました(1)

金曜日は仕事を休み、金沢に行って来ました。目的は病跡学会に参加するためです。私は研究者になることも完全にあきらめてはいなくて、当面の目標の一つが病跡学の論文を書くことなのです。今年は通信講座の教材作りなどもあり、研究が始められない状態ですが、せめて学会だけでもと参加しました。

病跡学とは、天才の病理を研究する学問ですが、近年はいろいろな分野に研究領域が広がっています。私の研究テーマはまたおいおいお知らせします。
夏目漱石研究をされている先生の、大変興味深い講義を聞くことができたのが、私にとっては大きな成果の一つでした。

私がどれくらい漱石を好きだったかというと、大学生のとき、自分のお小遣いで岩波の漱石全集を買い、小説は全部読みました。英文科の学生でしたが、国文の漱石の演習に出て発言しまくり、前期試験の論述試験問題があらかじめわかっていたのですが、その準備のために夏休みに大学の図書館に通いました。問題は忘れもしない「前期三部作から後期三部作への展開の構造」でした。
結局原稿用紙20枚ほどのレポートを準備して試験に臨みました(持ち込み可でした)。そしたら・・あらら・・時間内に用意した分量を書ききれなくて(多すぎて(‥、)、悲しい思いをしたことを覚えています。後からでも先生に読んでいただこうかたも考えたのですが、そのままにしてしまいました。

でもね、「恐れない女」に関心があったのですが、それが男性から見た女性像であるが不満でした。漱石を読み終えて、その後は女性の視点を求めてエリカ・ジョングや中沢けいなどを読みました。

病跡学会での講義では、漱石が小説の中で妄想をきたしている統合失調症者へのすばらしい対応をして示している点や、精神に異常をきたした娘への尊敬の気持ちを表現している、ということが触れられていました。自分が強く心惹かれていた作家を、再認識させてもらいました。そして、漱石がすばらしい心理療法家の側面を持っていたと言えることがうれしかったです。森鴎外との比較も面白かったです。

長くなったので、詳しい内容は別に記事にします。


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