心理査定(1)
「頻出問題」ⅩⅡ臨床心理学の1~3の問題をやります。
「頻出問題」は順番にやっていたのに、ここにきてまるででたらめな順番でごめんなさい。私の都合としては、通信講座の5月の範囲が心理査定なので、リンクしているんです。また、明日仲間との勉強会でやることになっているので、それなら「勉強部屋」のみなさんともご一緒に、と思いました。
ただ、私が持っている本は初版なので、問題は一部新版と異なります。ご了承ください。
問題ははっきり言って私には簡単です。「頻出問題」に載っている解説以上に補足もないです。でも、各心理テストの確認にはよいと思いますので、一緒にやってみましょう!
1.性格検査概論から
頻出問題…心理テストの利用法として最も適当なものを選ぶ
1 境界性人格障害が疑われる青年に、原始的防衛の存在を検討するためにCMIを行った。
2 社会復帰を目の前にした慢性分裂病患者に対し、仕事をする際の癖を知るためにHTPを行った。
3 対人関係のトラブルに悩む高校生に対し、対人不安の程度を知るためにBGTを行った。
4 職場での人間関係に適応できないサラリーマンに対し、自己主張のあり方を知るためにP-Fスタディを行った。
5 分裂病が疑われる青年に対し、幻覚・妄想の存在を確認するためにEPPSを行った。
1→×…CMIはCornell Medical Indexで、心身両面にわたる自覚症状を検査する質問紙。
2→×…HTPはパーソナリティー検査。仕事をする際の癖を知るためなら、クレペリン作業検査が妥当。
3→×…BGTは臨士試験に出題されたことがない。「頻出問題」解説によると、器質障害の有無の検討と、視覚・運動ゲシュタルトの成熟度の把握を主目的とする検査。
4→○…自己主張のあり方と言えばP-Fスタディそのものですね。
5→×…EPPSはEdwards Personal Preference Schdule、キャリアガイダンスなどと関連する。
類似問題1
テスト・バッテリーの使用法として最も妥当なものを選ぶ
1 何日もかけて検査を行うと被験者の状態が時間の経過とともに変化する可能性があるため、ロールシャッハ・テスト、WAIS-R、MMPIを半日で施行した。
2 今後の情報の蓄積のことを考え、組み合わせるテストを被験者によって変えることはせず、固定することにした。
3 被験者のさまざまな意識レベルをとらえるために、ロールシャッハ・テストとY-G性格検査を組み合わせて施行した。
4 テスト結果に見られる矛盾をなくすために、質問紙による性格検査だけでテスト・バッテリーを組むことにした。
5 同一の被験者について、ある質問紙心理検査では攻撃性は低いと出たが、ある投影法検査では攻撃性は高いと出た。質問紙心理検査のほうが信頼性が高いため、投影法の検査結果は採用しないことにした。
1→×…この3つのテストは、投影法、知能検査、質問紙によるパーソナリティ検査がそろっていて、テスト・バッテリーの基本。ただし時間がかかりすぎるのが難点である。それを半日で終わらせるというのは、無謀でしかない。状況に応じて、2日またはそれ以上に分けるなどしてもかまわない。
2→×…被験者によってふさわしいテストを組む。
3→○…投影法と質問紙によるパーソナリティ検査の組合せは妥当。必要に応じて知能検査も行う。
4→×…質問紙と投影法は必ず組み合わせる
5→×…質問紙の方が信頼性が高いとは限らない。1つのテストでは偏りが起こる可能性があるから、複数のテストを組み合わせている。
類似問題2…性格検査に関する記述として妥当なものはどれか
1 内田クレペリン精神作業検査の定型特徴の1つに、前期の骨組みがU字型(もしくはV字型)というものがある。
2 SCT(文章完成法テスト)の刺激文の長さはさまざまだが、一般に長いもののほうが短いものよりも引き出す反応の自由度が高いと考えられている。
3 MAS(顕在不安尺度)じゃ。Y-G性格検査の質問項目から顕在不安の存在を示す項目を抽出したものである。
4 Eysenck, H. J. の開発したMPIは、外向性-内向性、精神病傾向、という2因子を測定する質問紙検査である。
5 マレーによるTAT(主題統覚検査)の欲求-圧力分析では、各絵カードは、自我阻害場面か超自我阻害場面に区別される。
1→○
2→×…刺激文は短いほど自由度が高くなる。たとえば「私は 」と「私の両親は 」を比べれば前者の方がより自由度が高い。
3→×…MPIはMMPIから項目を抽出している。
4→×…MPIは、外向性-内向性、神経症傾向の2因子、Eysenck はこの2因子に精神病傾向を加えた3因子による性格検査も作成している。
5→×…自我阻害場面と超自我阻害場面はP-Fスタディ。
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コメント
自立支援法についてご意見お聞かせ下さい。
自立支援法が4月からスタートしますが、私の勤務する精神科では不安が広がっています。不安の内容は「今までどおりDCに通えなくなる」等です。今までは32条(精神科通院医療費公費負担制度)のおかげで負担金なしで通えていた人も、日数を減らさざるをえないと心配しています。いろいろな減免制度もありますが、例えば資産が350万円以上あれば、施設入所やグループホーム利用の人など負担の軽減がされないのです。私はこの法律には良い点もありますし、働くことや親元から自立することは大切だと考えます。でも、私だって自分の子が障害をもったならば、お金を残してやろうとするでしょう。でもそうした結果、減免制度が利用できないなんて。いろいろと思うところはありますが、この制度のもと援助活動を行うことについて考えたいと思い、書き込みさせていただきました。いろいろな立場の方からのご意見お待ちしています。
投稿: きっこ | 2006.02.08 11:35
はなさん、お返事が遅くなって申し訳ありません。
MPIはアイゼンクによる性格検査です。(2次元)
MMPIから項目抽出して作ったテストの1つはMASです。
おっしゃる通り、間違って書いているようです。ごめんなさい。
投稿: ひろみ | 2006.02.06 23:54
問題に挑戦させていただきました。
その中で、確認したいことがあります。
3 MAS(顕在不安尺度)じゃ。Y-G性格検査の質問項目から顕在不安の存在を示す項目を抽出したものである。
の答えが、→×…MPIはMMPIから項目を抽出している。
とあったのですが、MPIはMASのことでいいんですよね?
投稿: はな | 2006.02.04 23:01