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2005.07.17

H16問題-事例

公表されたH16問題を見ると、知りたいことが載っていない(ロールシャッハや社会心理学関係、発達障害関係など)、ボリュームも全然違うので、こんな少ない情報しか与えられないで受験しなければならないというのは、不合理に感じます。

国家資格化のことで、先のことはわかないし…今年はいろんな意味でフラストレーション材料が多い中での受験ですね。
それでも、私は先送りにしないで、資格が欲しいと思っている今、受験をするのがいいと思います。H&Lさんのコメントもありますが、不確かな情報に振り回されないで、受験すると決めたらやるべきことをしっかりやりましょう。早く資格を取って、あとから困ることはないでしょう。

昨年の最後の事例問題についてです。何度読んでも全然頭に入ってこなくて、どんな判断したのかも覚えていませんが、今見直すと正答を探すのは難しくないですね。

今までの事例だと、クライエントは一人でした。ところがM,N,P,Q,R,S,Tと7人もいるから、誰が誰だか、わからなくなるのだと一つ理解しました。グループで起こったことの流れはわかるけれど、それぞれ誰がやったか、すぐには覚えられません。「TやSがPに反応して…」「M,Nに見られた自我境界の侵襲脅威…」とか読んで、誰だっけ???と思っても、また事例を一から読みなおす元気もなかったです。
こんなときは、簡単なメモを取っておけばよかったかもしれないです。P…人格障害、遅刻、M…統合失調症、トイレ、など。

では、メモから
M…男、統合失調症、トイレ
N…男、統合失調症、帰る
P…男、人格障害、遅刻
Q…女、人格障害、不快感
R…女、人格障害、無反応
S…女、パニック障害、Pに反応
T…男、恐怖症、Pへの気遣い

問題97
A.重度の障害への適用性が高い集団心理療法は、安全にいられるグループを形成していく過程である。→○
…特にまちがったところがない。安全にいられるグループであることは、集団心理療法にとって必須事項である。
B.M,N,Pのような行動化反応の多発は、統合失調症や人格障害に代表される困難例の特徴である。→○…メモがあると、行動化の内容がすぐに確認できる。
C.M,N,Pの反応は、グループ構造を崩すものであり、自我境界の脆弱なM,N,緊張感の高いPには、集団心理療法を適用すべきではない。→×…この治療構造全体を否定する記述であるので、これが○ならば、この設問自体が成り立たなくなる
D.M,N,Pの反応は、面接構造外の行動化(acting out)から面接構造内の行動化(acting in)への変化のプロセスの始まりとして取り扱われる。→○…ABCが決まれば、選択肢から○になるが、面接構造内で行動化が起こっているので、矛盾もない。

書かれている内容は難しいですが、Cは明らかに間違いと判断でき、A,Bも正しいと思われるので、落ち着いていれば、正答を見つけるのはむずかしくないです。

(つづく)

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コメント

すいません・・・この事例ついての解説のつづきってどこに載っているのでしょうか?
ちょうど問98~100について知りたかったので・・・。もし記載されているのでしたら、すいません!うまく探せてないだけでしょうか・・・。

投稿: みんみん | 2006.07.04 00:02

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