しろさんの質問-行動療法
しろさんからの質問です。みなさんのご意見をお願いします。
お忙しいところすみませんがひとつきになっているところがあるので質問させてください。
平成8年の問題で、行動療法とイメージを扱った問題が2問あります。
ひとつは
8-62 A 行動療法ではイメージのような内面的な行動は扱わない →○
となっております。
一方、同年の
8-80-b 行動療法では、イメージが現実行動や現実場面の変わりに用いられる場合がある→○
となっています。
メンタルリハーサルやいわゆるイメージトレーニングというものも、行動療法の一つとして考えられるということで
しょうか。たぶん認知行動療法を、行動療法と区別するかどうかということのようにも感じますが・・・。
御示唆いただけると幸いです。
8-62については、私はよくわかりません。ただ、行動主義は目に見えないイメージ体験は扱わないような気がぼんやりします。
8-80はわかりますよ。
まず、メンタルリハーサルやイメージトレーニングと行動療法は全く別物です。
行動療法でイメージを使うというのは、レスポンデント技法においてです。系統的脱感作法や暴露法において、イメージを使います。
つまり、リラックス状態を作っておいて、恐怖や緊張を引き起こすもの(場面)を思い浮かべるのです。実際の現場やものにクライエントを直面させることもあるのですが、その前にイメージを使って練習をします。
ですから、イメージは練習のために、現物の代わりに利用するだけです。それが問題62だと、イメージそのものを行動としてとらえ、それに直接働きかけることはしないという意味だと思います。
みなさんもご意見をお願いします。
| 固定リンク
「質問箱」カテゴリの記事
「過去問の解説-心理療法」カテゴリの記事
- ポスト・トラウマティック・プレイ(2012.08.28)
- ロジャーズ(2012.08.24)
- 遠心的家族システムと求心的家族システム(2012.08.19)
- おまかせ脱力(2012.08.16)
- 催眠療法(2012.08.13)
コメント
8-62 では正解が b なので、「行動療法ではイメージ体験のような~~」は × なのではないでしょうか? 8-80の「行動療法では、イメージが現実行動や現実場面の代わりに用いられる場合がある。→〇」と矛盾しないように思いますが。
投稿: ちゃりんこ | 2005.08.22 22:08
突然失礼いたします。
神戸で臨床心理学や特別支援教育の学習会の充実に努力しがんばっているものです。
とても興味深いBLOG、拝見させていただきました。
失礼かと思いましたがトラックバックさせていただきました。
投稿: 立花淳子 | 2005.08.22 01:27
8-62では「扱う」、8-80では「用いる」という表現になっているのがポイントではないかと思います。広辞苑の「扱う」の定義のうち、この場合に適切なのは「取り沙汰する、操作する、とりさばく、いじりまわす」ではないかと思います。
つまり、「イメージを扱う」という場合、イメージを操作したり、いじりまわしたりすることを指すのではないでしょうか。行動療法ではイメージそのものに介入せず、イメージによって喚起された生理的反応に介入するわけです。従って、イメージを用いるけれども扱わないという意味ではないかと思います。
いずれにせよ、悪い問題だというのが私の率直な感想です。
投稿: activator | 2005.08.13 18:25