交互作用と主効果
「心理学研究法入門」が届きました。
準実験の前に、minaさんからご質問の4-7の確認をしましょう。
交互作用が問題となるのは「完全無作為2要因デザイン」です。
そして「交互作用」とは、ある要因の効果のあり方が、別の要因の水準によって異なる場合、この2つの要因間に「交互作用がある」といいます。この場合はグラフを描くと並行になります。
またある要因の「主効果」とは、他の要因の水準に関しては区別せずに、すべてにプールしたときの効果です。
具体的に4-7を見てみましょう。
Aテストの平均点
10歳…男:80 女:85
15歳…男:100 女:95
Bテストの平均点
10歳…男:70 女:80
15歳…男:90 女:100
2要因とは
①年齢差
②性別
Aテストにおいては、
得点を縦軸、年齢を横軸でグラフを描くと
男女のグラフは交差するので、2つの要因間には「交互作用あり」です。年齢が上がれば得点が上がるのですが、男女差によって、得点の上がり方に差がありその影響を受けていると言えます。
また、年齢が上である方が男女どちらにおいても得点が高いので、「年齢の主効果あり」です。
ところが、年齢を考慮しなかった場合の平均は、男:90 女:90と差はありません。したがって「男女差に主効果なし」です。
Bテストでは、
得点を縦軸、年齢を横軸でグラフを描くと
男女のグラフは並行になります。したがって2つの要因間には「交互作用なし」です。
主効果に関しては、Aと同じ理由で「年齢の主効果あり」
また、どちらの年齢でも女の成績が高いので、「男女差の主効果あり」となります。
以上から交互作用、および主効果があるのは
Aテストの交互作用
Aテストの年齢差
Bテストの年齢差と男女差
となるので、eが正解です。
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コメント
アンカさん、コメントありがとうございます。
グラフが交差する場合に交互作用ありと判断します。
いつの記事かわかりませんが、混乱させてしまってすみませんでした。
投稿: ひろみ | 2005.10.08 14:00
交互作用と主効果についてですが、「交互作用がある」場合、グラフは並行になるとありますが、後の解説では”交差するから「交互作用あり」”と書かれています。交互作用がある場合はグラフは”交差”すると覚えてよいのでしょうか?
投稿: アシカ | 2005.10.08 12:05
ちぃさん、ソンディに関する教材で私が書いたことは間違っています。問題文にもあるとおり、VGPが被験者の現状をもっともよく反映しています。ごめんなさい。
投稿: ひろみ | 2005.08.28 11:59
こんにちわ。分からないところがあるので,教えていただければと思いメールしました。ソンディテストのことです。15-55で前景像VGPは被験者の現状をもっともよく反映していると考えられるとありますが,通信のひろみさんの解説はThKPが被験者の現状をもっともよく反映しているとあります。心理臨床大辞典を開いてみたのですが,VGPは解釈の中心資料とするとあります。ソンディテストはVGP,ThKP,EKPのどれがもっとも被験者の現状を表し,検査者はどこに注目する必要があるのでしょうか?教えてください。よろしくお願いします。
投稿: ちぃ | 2005.08.27 09:45