WISC-Ⅲ(1)
昨年の公表問題にはありませんが、ウェクスラーは公表されていたよりたくさん出題されていました。ロールシャッハテストに次いで重要なテストです。
合宿でWISC-Ⅲについて勉強して、私も今まであいまいだったところが明確になりました。まとめておきます。
内容は
1.群指数について
2.WISC-Rとの違い
1.群指数について
群指数もWISC-Rにはなかったので、それ自体がRとの違いですが。
群指数とは、言語性IQ、動作性IQ、全検査IQだけではなく、別の視点からより多くの情報を得るために使われます。
WISC-Ⅲには13種類の下位検査があります。IQを求めるには10の基本検査を使用します。そして3つの補助検査のうち迷路を除く2つの検査を実施すると群指数を求めることができます。
4種類の群とそれに属する下位検査
1.言語理解…知識、類似、単語、理解
2.知覚統合…絵画完成、絵画配列、積木模様、組合せ
3.注意記憶…算数、数唱
4.処理速度…符号、記号探し
群指数の求め方は、IQの求め方と同じです。
補助検査と代替検査
WISC-Rではある下位検査の実施が困難な場合の代替検査がありました。それがWISC-Ⅲでは、代替検査とう設定はなく、10の基本検査と3の補助検査になっています。そして先に述べた通りIQを求めるだけなら、10の検査ですますことはあります。しかし、もっと詳しくみたい場合に補助検査も実施します。それは代替ではありません。
ところが、IQを求めるための基本検査のどれかの実施が難しい場合があります。そのときは補助検査のどれかを代わりに用いてIQを求めます。このような使い方をした場合は補助検査を代替検査と呼ばなければなりません。
ちょっとややこしいですが、補助検査は代替検査として使われることがありますが、始めから代替のためにあるのではない、ということです。
つづく
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