ゲシュタルト療法とフォーカシング
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ゲシュタルト療法とフォーカシングは、私もなかなか違いがわかりませんでした。
「いま、ここ」が共通していますし、ゲシュタルト療法には「ボディワーク」があるし、どちらもロジャーズと関係があるようです。
違いを整理してみましょう。
フォーカシングは、手順がある程度マニュアル化されているのが特徴だと思います。ある程度というのは、「心理面接プラクティス」の表現ですが、私の感じでは「かなり」です。手順に従って、「フェルトセンス」を得て、それにぴったりする言葉を見つける相互作用のプロセスが、体験過程です。「これだ!」という感じがしたら、それを「フェルシフト」と呼びます。
一方ゲシュタルト療法には手順はありません。セラピストは「いま、ここ」における自明な現象を取り上げ、クライエントの気づきを促します。「地」から「図」に上がってくるものの言語化を勧めます。
この「言語化」も、フォーカシングとゲシュタルト療法で似ていますね。また、フォーカシングでは「これだ!」という感じを得ますし、ゲシュタルトでも気づきや洞察を得る「アッ! 体験」をします。これも似ています。
でも、フォーカシングは「体の感じ」から入っていく、マニュアル化された手法なので、ゲシュタルト療法とはプロセスが異なります。
今気づきましたが、「心理面接プラクティス」の202ページに出ている事例は、14-67~69の事例とほとんど同じです。
エスプリ4部作に関しては、「心理査定プラクティス」で、MMPIについて、過去問で出題されたプロフィールパタンの解釈が載っています。エスプリ4部作は、隠れた種本なんでしょうか??
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コメント
憂人さん、コメントありがとうございます。
コメントのためのメアドはでたらめな文字をいれてもらえば、OKですよ。他の方も、おっくうに感じないでくださいね。
投稿: ひろみ | 2005.09.29 00:33
手順に従がわないにしろ、
>「フェルトセンス」を得て、それにぴったりする言葉を見つける相互作用のプロセスが、体験過程
これも、ひろみさんが言うところの理解しやすくなる歪曲。
違います。
後の記事を読むと、
>先日のフォーカシングに関しても、深く反省させられました。
と書かれているので、書き込むかどうか迷いましたが、間違ったまま載っているのはいかがなものかと思い、書き込みます。
お詫び)アドレスを入れないと書き込めないので、ひろみさんのアドレスを入れました。ご容赦ください。
投稿: 憂人 | 2005.09.29 00:27
カゼノネのさん、貴重なコメントありがとうございます。
本当に理解するのは難しいので、ついつい理解しやすいように歪曲してしまいます。勉強になりました。
これからも気づいたことを教えてください。よろしくお願いします。
投稿: ひろみ | 2005.09.24 18:02
フォーカシングに関して、「手順がある程度マニュアル化されているのが特徴」という意見に関しては、誤解があるように思います。
多くの人にフォーカシングがマニュアル的であるという誤解を生じさせているのは、「フォーカシング=ショート・フォーム(シックス・ステップとも言います)」といった認識にあると思います。
フォーカシングという名称は、「現象」と「技法」の両方に使用されており、本質はあくまで「現象としてのフォーカシング」です。この「現象」を効果的に促進するため・守るために、「技法としてのフォーカシング」は開発されたと聞きます。
確かに、一定の手順がマニュアル化されているショート・フォームは「技法としてのフォーカシング」の核であり、効果的に「現象としてのフォーカシング」を守ることができると思います。が、だからといって、クライエント・センタードから発展したフォーカシングを学んだ人が、実際のセッションにおいて、目の前にいる人をないがしろにして、技法に固執することはないと思います。
ちなみに、フォーカシング創始者のジェンドリンは、著作(『フォーカシング指向心理療法(下)』)の中で、「セラピーで第一に重要なのは関係(その中にいる人)であり、第二が傾聴で、ようやく三番目にくるのがフォーカシングの教示なのである」と語っており、フォーカシングの技法がマニュアル化されないよう、技法に固執しないよう警告しています。
あと、フォーカシングを学んだ人は、実際の面接場面でショート・フォームを施行する場面は少なく、フォーカシング指向心理療法の形式をとっている場合が多いのではないでしょうか。これは、フォーカシング的な考え方やアスキング(問いかけ)を、実際の面接場面で、クライエントのプロセスを最優先しながら使用するタイプです。この形式の場合、ほとんどの方が1回の面接で数回しかアスキングを使わないと思います(それどころか、異なる理論背景を持ったあらゆる技法を、フォーカシング的な観点から使用することがあります。詳しくは『フォーカシング指向心理療法(上)(下)』を参考にして下さい)。つまり、フォーカシング指向心理療法の場合、技法的なマニュアルはないに等しいと思います。もしマニュアルがあるとしたら、それは「傾聴を大切にする」といった、カウンセリングにとって当たり前のことくらいだと思います。
タイミングをみてアスキングを入れる、クリアリング・ア・スペースを使用する、といった点においては、ゲシュタルト療法におけるチェア・テクニックなどの技法の使用とさほど変わらないのではないでしょうか。
以上、フォーカシングを理解する上で、クライエントセンタードから発展していること、フォーカシングという名称が「現象」と「技法」の両方に使用されていること、ショート・フォームだけが「技法としてのフォーカシング」ではない、という点について長々と述べさせて頂きました。参考にして頂けたら幸いです。
投稿: カゼノネ | 2005.09.24 04:00