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2005.09.27

ウェクスラー(3)

一位に肉薄しています!! 応援よろしく! 人気ブログランキング

今日は、WISC-Ⅲの下位検査が何を見ているかについておさらいしましょう。
夏の合宿で確認した事項なので、参加された方はくり返しになってしまってごめんなさい。
他のテストや他の項目の確認をして欲しい方は、リクエストしてくださいね。できる範囲でご要望にお応えしていきます。

2.知識…一般的な知識に関する質問に答えてもらう
→知識の範囲や量

4.類似…2つの言葉を提示して、それらがどのように類似しているかを答えてもらう
→推理能力や抽象的思考

6.算数…算数の問題に紙や鉛筆を使わないで答えてもらう
→計算や暗算の力、集中力、注意の持続力

8.単語…単語の意味を答えてもらう
→長期記憶、語彙力

10.理解…社会的なルールなどに関する質問に答えてもらう
→状況判断、社会的な常識

12.数唱…数字を読んで聞かせて、復唱してもらう
→記銘力、集中力、注意の持続力

<動作性>
1.絵画完成…絵カードの欠けている部分を答えてもらう
→集中力

3.符号…幾何図形(符号A)と数字(符号B)が対応している見本を手がかりに、問題の符号に対応する符号を書いてもらう
→集中力、注意の持続力、目と手の協応(目で見えていることを手で作業できるか)

5.絵画配列…何枚かの絵カードを物語の意味が通るように並べ替えてもらう
→状況判断、論理性

7.積木模様…モデルの模様を決められた数の積木で作ってもらう
→分析力、目と手の協応

9.組合せ…ピースを組み合わせて具体的なものを完成させてもらう(ジクソーパズルと似ています)
→視覚的分析と統合

11.記号探し…左側の記号が右側の記号のグループの中にあるかどうかを判断してもらう
→集中力

13.迷路…迷路問題を解いてもらう
→空間把握、見通し

各スコアは10が平均です。
抜けていることもあるかもしれません。フォローをお願いします。

少しだけ関連する過去問を確認しておきます。

9-47
A.「単語」と「組合せ」の得点は、高齢になると減退する。→×
…単語は長期記憶に関連するので、高齢になってもスコアは下がりません。
B.「絵画完成」と「理解」は、抽象的思考を表している。→×
…「理解」は抽象的思考を表しますが、「絵画完成」は抽象的というよりは具体的です。
C.「数唱」と「符号」は、不安が高い場合に低下することがある。→○
…どちらも集中力に関連するので、不安が高い場合は集中力を欠き下がることがあります。
D.「類似」と「積木模様」は、一般知能をよく表している→?
…解答は○ですが、「一般的知能」という考え方自体がテストを開発したウェクスラーにないので、大変疑問の残る記述です。

14-37
A.言語性知能得点は、高齢になると減退する。→×
…高齢になって減退しやすいのは、記銘力など、短期記憶や作業記憶に関わる部分です。
B.「数唱」問題は、短期記憶を反映し、「算数」問題は作動記憶の負荷が高い→○
…作動記憶とは作業記憶のこと。暗算には作業記憶が関連しています。

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コメント

はるきさん。

「積木模様」はWISCにおいては動作性検査ということで間違いないです。その元となったコース法が、一般知能をみるためにつくられ、また、ビネーとも相関が高いということで、「積木模様」⇒「一般知能をよく表している」という図がイメージできればよいのではないでしょうか?
「類似」については根拠はわかりませんが、ビネーと相関が高いとかあるのかなぁ。
因みに、以前の書き込み(コース法の説明など)は『心理臨床大事典』から引用しました。

投稿: ちゃりんこ | 2005.09.30 01:39

検査の問題でひろみさん、また皆さんに一緒に考えていただきたいものがあります。
8-31の問題ですが、Bのロールシャッハ・・無意識の理解が×、Dのビネーの知能検査・・精神遅滞児のスクリーニングが○、という解答になってますが、どうなんでしょう?ロールシャッハが無意識の理解というのは問題ないと思うし、ビネーがスクリーニングというのは違う気がするのですが、理由わかりますか?この問題は検査名と社会的要請の正誤をきいた問題なのですが、社会的要請と本来持っている検査の目的がずれていると考えるのでしょうか?よろしくお願いします。

投稿: はるき2 | 2005.09.28 23:49

ちゃりんこさんへ

 ということは「積木模様」は現在動作性に分類されてますが、言語性と考えるのでしょうか?それともまた別の分類と考えるのでしょうか?ちなみに「類似」は言語性に分類されていますが・・・

投稿: はるき | 2005.09.28 23:19

一般知能についてです。
「積木模様」はコース法という知能検査からとられたものです。Kohs,S.C.が考案したコース法は動作性の知能ではなく一般的知能を測ろうとしたものだったようです。このことから、「積木模様」が一般知能を表しているというのは了解できます。

*コース法(立方体組み合わせテスト): 6面がそれぞれ異なる色に塗り分けられた立方体をいくつか組み合わせて指定された模様を構成するもの。ビネーとの相関が高い(ビネーは一般知能を測定したものだったと思います)。言語を理解しないもの(聾唖者など)にも適応可能な点が特徴的。【心理臨床大辞典より】  因みに以前いっていた病院では、このコース法をよくつかっていました。知的な面でビネーがかなり負担になると思われる方、言語の交流が難しい方には用い易い知能検査です。   


投稿: ちゃりんこ | 2005.09.28 01:51

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