少年法
まさこさん、にっちゃんさん、コメントありがとうございます。
少年法について書いた去年の記事は少し不十分なないようなので、こちらに書き直しておきます。去年の記事もコメントがいろいろついているので、残しておきますね。
少年法に関しての私のオススメは「心理臨床家の手引き」です。第五章に非行少年の処遇について、わかりやすい表があります。一目瞭然、全てがわかります。
非行少年の処遇
14歳未満の少年
↓
①児童相談所
↓
②-1 児童福祉法の措置 または ②-2 家庭裁判所送致
14歳以上の少年
↓
①家庭裁判所
↓
②-1 不処分 または ②-2 児童相談所送致(18歳未満の場合) または ②-3 保護処分 または ②-4 検察官送致(逆送)
まさこさんのご指摘の通り、家裁から児童相談所送致という処遇があります。これもまたご指摘の通り、児童相談所は児童福祉法によって定められてた施設なので、対象は児童福祉法が対象とする18歳未満の少年です。
②-3の保護処分にはいくつかのパターンがあります。
(1)保護観察…保護司の指導の下、自宅で保護観察を受けます
(2)児童自立支援施設送致…18歳未満の少年対象です。また14歳未満の少年には少年院送致がないので、重大犯罪を犯した場合は、この処遇を受けます。
(3)少年院送致…14歳以上の少年対象です。罰ではなく、更正のための施設です。少年院の区分についてはこちらを参照してください。
②-4 検察官送致(逆送)
16歳以上で重大犯罪を犯した少年は、原則的に検察官に送致され、刑事裁判を受けます。14歳以上、16歳未満の少年も、特に重大犯罪を犯した場合は、検察官送致になることがあります。
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コメント
ひろみ様
いつも勉強させていただいております。ありがとうございます。
こちらに書いてよいのかどうか分からないのですが、少年法について質問させてください。
少年法についてまとめていただいてとてもわかりやすく読ませていただきました。
その後15-92を解いたのですが、なぜAが誤りなのかがわからずにおります。
この場合、②-1の不処分に当たるのかと思い正解にしたのですが、不処分とは、無罪決定は異なるのでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
投稿: りょう | 2005.10.03 23:00
キー坊様
ご指摘のとおり、「送致」ですね。
また、私もコメントしてから思ったんですが、最初にご指摘された前段部もおかしいことは確かです。それだったら、児相で何とかしろ!って感じです。でも、児相が送致するのは「家裁の審判に付することが適当なとき」なので、適当と判断した細かな理由は問わないのかもしれません。
Pie様
具体的には児童福祉司の指導や、児童養護施設、児童自立支援施設への入所などです。
投稿: たろう | 2005.10.01 06:21
Pieさん、コメントありがとうございます。
児童福祉法の措置は具体的にはわかりません。調べておきます。
少年鑑別所ですが、家庭裁判所で審判を下す(措置を決定する)前に、少年を心身の鑑別を目的に収容するところです。いい表現ではないかもしれませんが、大人の場合の拘置所に近いです。収容の期間は2週間ですが、3回延長ができるので、最長8週間です。
キー坊さんのご質問には別にコメントします。
投稿: ひろみ | 2005.09.30 21:24
たろう様
さっそくのコメント有難うございます。
13歳ということを考慮していませんでした。
私は、ひろみさんお勧めの「心理臨床家の手引き」のフローチャートを見ながら考えていたので、この問題のAで、「・・・救護院の自立支援処遇を受けさせる」が○だったため、もうてっきり家庭裁判所→審判→保護処分という流れになっているものとばかり思い込んでいました!調べてみて、Aだと児童福祉法の措置→福祉法第27条適用で自立支援処遇となることがわかりました。とても参考になりました。
ご指摘の通り、13歳なので児童相談所としてどう対処するかが問題なのですね。そうすると確認ですが、正しくは少年法6条の「・・・家庭裁判所に送致する」となりますね?
投稿: キー坊 | 2005.09.30 21:12
すみません。
関係のない質問なのですが、おねがいします。
今年関西から試験を受けに行きます。
皆さん大体前日に入る方が多いと思いますが、やむない事情で当日朝一番の飛行機(大体8時過ぎに羽田着)と電車で行こうと思っています。これは無茶なことなのでしょうか。
そのような方はいらっしゃるでしょうか。
経験者の方、アドバイスをおねがいします。
投稿: だん | 2005.09.30 18:57
ひろみさん、いつもありがとうございます。
お書きいただいたチャートですが、少年鑑別所はどこに入ってくるのでしょうか?
また、14歳未満の②-1の措置には、具体的にどのようなものがありますか?
投稿: Pie | 2005.09.30 14:12
ごめんなさい。先ほどのコメントは、キー坊さんのご指摘の11-93Bについてです。
投稿: たろう | 2005.09.30 05:10
この問題は、13歳の子のことを言っているので、児相としてどう対応できるかなのではないでしょうか。試験観察をするかどうかはあくまで家裁が決定することなので、「家庭裁判所に通告する。」までなら○なのでしょうが、「試験観察を『受けさせる』」というのは言い過ぎなんだと思います。
ちなみに、家庭の問題を調整することを目的とした試験観察は非常に多いです。
投稿: たろう | 2005.09.30 05:04
ひろみ様
いつもありがとうございます。
丁度少年法が出てきたので、ちょっと疑問に思っていたところを質問させてくださいね。
11-93 B
「資質の改善よりも、家庭の問題を調整することが最優先されるので、家庭裁判所に通告し、試験観察を受けさせる。」
答えは×で、ひろみさんの解説では、試験観察自体は最終的な処遇ではない、というコメントになっています。
以下、
心理臨床大辞典のp.1174.3家庭裁判所の構成と機能 の最後の方の記載部分です。
「審判官が選択する措置としては・・・
このほか、終局決定を一時留保して、家庭裁判所調査官が指導を試み、その成果をみて処分を決める試験観察制度を中間処分として決定することもある」となっています。
この問題で問われているのは、最終処遇かどうかということよりも、処遇としてありえるかどうかということ、また大辞典の記述から判断すると、Bの前半部分、つまり「資質の改善よりも、家庭の問題を調整することが最優先されるので・・・」という部分が違っているのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
投稿: キー坊 | 2005.09.30 01:24