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2006.05.05

学習曲線とプラトー

昨日話が出たので、さっそく『キーワードコレクション心理学』で調べました。

学習曲線の種類
a.正の加速曲線…思考が増すとともに学習反応の増し分が大きくなる。学習が困難であるものの、困難を克服して徐々に学習が進む場合。
b.負の加速曲線…始めに急速に学習が進むものの、後になるほど学習反応の増し分が減少する。学習が容易である場合。
c.S字型曲線…前半は正の加速曲線、後半は負の加速曲線

プラトー
b.やc.において、思考を増しても学習反応の増加がほとんどなくなる状態

キーワードコレクションには、他にもう一つ学習曲線が紹介されていました。運動学習における学習曲線です。
いったん、プラトーに達した段階から、再び急速な技能の伸びが見られます。

昨日、試験のための勉強をしていても、「なかなか覚えられない~」という声がありました。私も特に記憶力がすぐれている訳でもありませんから、始めからさっさと覚えられた訳ではないなぁと思い出していました。それでも、忘れたら繰り返し、確認し…という作業を繰り返していると…ある日気づいたら、全部覚えていました。

実は高校生のとき、クラブ(ブラスバンド)の友人から、聞いた話を私はずっと実行してきたのです。

指揮者の岩城宏之さんが、東京音大ですか、ドラム科を受験しました。何かの順番を待っていたとき、隣にいた受験生が、すばらしい技術を持っていることに知り、自信をなくしました。ところが、結果は岩城は合格、その隣の彼は不合格でした。
なんとなく通ってしまって、一年が過ぎ、また受験の季節が訪れました。そして、昨年不合格だった彼が合格したことを岩城は知ります。「このままでは、後輩に負けてしまう」それから、岩城の猛練習が始まったのです。
来る日も来る日も、ひたすら練習を続ける日々。ある日、ふと気がつくと、自分の技術が格段に上達していたのです。

私は岩城さんのファンなので、この話がとても印象に残りました。こういうもんなんだと思いました。努力を続けていて、結果がすぐに見えない時期はある。でも、見えないところで、自分の中で、確実に蓄積されていくものがきっとある。それが一気に力として発現する日が、必ず来る。

私は実際、英語が苦手で、単語が覚えられなくて、忘れては調べ直し、印を何度も何度もつけて…ということを繰り返して大学受験の勉強をしました。長文も英文法も英作文も、忘れるたびに繰り返しました。
そして、ある時期から、なんとか受験に耐えられる力が自分についている実感を得ることができました。

私は自分で勝手に「潜伏期」と呼んでいましたが、a.タイプの学習曲線または、運動学習曲線のプラトーですね。

プラトーを乗り越えるのは苦しいですが、そこを越えないと先には進めません。がんばりましょう!

水路の工事かなぁとかイメージ描きましたよ。脳の中に水路の工事を一生懸命しているんです。工事が終わるまで、水は流れません。でも、工事が終わって、すべての水路が繋がったら、一気に水が流れます。細胞が一気に活性化して、問題の答えが全部わかるようになりますよ!

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コメント

ひろみ様
昨日の勉強会に引き続き、学習曲線を例に挙げ、励まして下さってありがとうございます。頭は悪いけど、元気な事と、真面目に取り組む所が私のとりえなんだから、その長所を認めて、こつこつと頑張ります。でも、試験が10月14日と聞いて、あと5ヶ月と思うと、またまた焦りが・・・
本日は舅の誕生日ということもあり、午前中はできた嫁をつとめ誕生会を楽しみ、午後から家事をしながら勉強机に向かい、現在やっと落ち着いてやれる時間が持てる状態です。
昨日は本当にありがとうございました。私は尊敬していたひろみさんに会えて感激です。サインを見ながら勉強に精を出します。えみ

投稿: えみ | 2006.05.05 21:48

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