Lacan, J.
『心理臨床大事典』p.292から引用
対象関係論に付言して言えば、ラカンとクラインの所説には類似点が多い。ラカンは人間的世界を大きく想像界と象徴界に分ける。後者は言語によって取り仕切られる現実の世界、前者は言語以前の自他融即の世界とされる。個人はどちらの世界にあっても疎外感は避けられない。象徴界にあて個人は現実の掟ゆえにみずからの欲望を断念しなければならないし、想像界においては自己の幻想的肥大と、それゆえのより大きい幻滅が共存する。治療はセラピストの人格を媒介として、クライエントが象徴界から想像界へ押し戻され、そこを徘徊し、あるいは両世界の往復を体験することによって、いくばくかでも現実の秩序を受け入れ、みずからの望欲を断念することであると説かれる。
解釈の言辞が重視されること、体験された事実としての過去の想起より治療関係の現在における無意識空想が重視されること、そいてセラピストの非介入法性が特徴とされる。
ラカンとクラインは、用語の点では違いが大きい。しかし想像界と妄想分裂態勢や象徴界と抑うつ態勢という術語が意味するところはよく似ている。両者ともに現実の生活世界への信頼は小さく、この世界のすぐ下は矛盾に満ちた自他融即の世界であるとされる。そして治療過程の本質は、いわばこの冥界でのセラピストとクライエントの幻想的遊戯であると説く点も両者に共通している。
(引用以上)
自他融即??? 幻想的遊戯???
よ~わけがわかりませんので、もう少し調べてみます。
大事典のp.975にもまとまった記述がありますね~。長くなるので省略させてください。
確かに同一化はラカンのキーワードの1つのようですが、説明を読んでも、事例との関連は私にはわかりづらいです。
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