H18事例問題
昨年の事例問題について、コメントをいただきました。昨年いただいていたコメントをあわせて、今一度、まとめておきましょう。
A.閉所恐怖症を訴える主婦のロールシャッハ
方法は片口法です。量的分析・継起分析から読み取れる被検査者の状態・特性などを読み取るものだったと思います。
B.不登校女児の遊戯療法(対応に問題がある児童相談)
不登校の親と子の面接で、引き受けたセラピストに問題があり、作った課題を持って帰るのを黙認したりおもちゃをこわしたりと攻撃性が高まったりした例。
セラピストが注意すると女児ははっとし感じで、次のセッションを病気により欠席。そして母親担当カウンセラーから「もう学校にはいきだしたためカウンセリングは中止してほしい」との申しでがあった。そのときセラピストはカウンセラーに対し「怒りをもった」
問題:カウンセラーの対応について
おもちゃを持って帰らせることについての意味
問題:怒りを感じたことについて何かあったのですが・・忘れました。
「怒り」の件では、その件について母親面接者との対応をいかにするか?みたいな内容があったと思います。
C.うつ症状の男性会社員(男性Drと女性Thへの対応を区別)
D.セクハラを受けている女性会社員への関わり
E.緘黙女児との筆談を通した関わり
F.不登校男子学生との家族療法
IPには4人家族がいる。初回面接では長男(大学生)は忙しいと欠席。(出席拒否)長女は一度だけであとの出席には消極的。母と父は意見が分かれており、窓口である母は父の養育態度に問題があるのではといっている。
問題:次回面接に長女が来たくないといっている。この家族になんというべきか
□来てもらったことに感謝し、家族の意見を聞くことはIPにとってためになる。だから(負担にならない程度に)出席してほしい。
□IP自身にだれにしゅっせきしてほしいか決めさせる。→この2つに絞れると思います。
問題:治療方針??
・親の不仲に問題があるのだからそれを中心にすすめる。→悩ましい問題?
G.
H.レイプ被害から間もない女性への面接
20歳女性が部屋に侵入してきた男にレイプされ(事件があったのは「1週間前」だった)、ぼーっとしたり食欲不振、(うつ?)などの症状が続き、友人が気づき、(母に報告する。)母が都道府県の強姦センターに連絡をする。
問題:どう接するべきか
PTSDなのだから(?)、1.医師の診断を念頭におく、2、警察にただちに(本人の了解なく)通報する、
3、カウンセリングを実施する。(思い出させる、など)
→指摘のあるようにASD(急性)ですが、治療においてはPTSDと同様に扱うのが(つまりいずれ症状が数ヵ月後にでてくる可能性があるので今のうちに対処をする(リラックス法や思考の修正など。でも臨床心理士試験では過去問題で夫を交通事故でなくした女性の例など、消極的な?別の対処法がありましたよね・・・)個人心理療法の原則ではないかと思いました。ちょっと悩ましい問題。
I.16歳息子の恐喝・逮捕に悩む主婦への面接(恐喝事件を起こした高校生(16歳)の母の学校相談)
問題:CLの処遇について予測
問題:彼は少年鑑別所に送られることが決まった。そこで母と話して彼女が鑑別所について誤解を含むイメージをもっていることがわかった。正しいのはどれか。
・資質の鑑別をするところなので、心理テストなどをする。
・まじめに、事件を反省していれば、刑期は短くなるなど。
最初はその件で母親が相談の電話をかけてきました。その時のいかに対応するか(言葉をかえすか)が最初の問題だったと思います。選択肢の内容としては、予測できる処遇と関連させて、伝える言葉が挙げられていたと思います。
その次に、また母親から電話があり、少年鑑別所に送られ、少年鑑別所について持っているイメージで正しいものと、間違っているものを選んでいくのだったと思います。
J.知的障害女児(精神遅滞の病院臨床)
問題:自立支援法による措置で、どのように変わったか
・障害にかかわらずすべてのサービスが一本化された。
K.脳梗塞後,認知症となった女性への面接
60か70代女性。ケガにより入院しているが、(医師の求めにより?あるいは様子が変わったため?)12回カウンセリングを実施。意思疎通は最初できなかったが最後の二回で自分が老いていること、そして夫をなくしていることなどの喪失体験をもっているのだと思い当たるようになる。「脳血管性認知症」ということが既に問題文に組み込まれていた。
「職業は?」と質問したところ、「女刑事です」と真面目に答えたそうで、そのように答えた意味を問う問題(選択肢の一つだったかな?)もあったと思います。(多分、「女刑事です」と答えたのは、面接者が尋問みたいに話をしていたためで、面接者は話し方(訊き方?)を反省した、みたいな内容だったと思います)。
問題:CLに対してどう接するべきか??
「5歳」と答えたらその答えた年齢にあわせた対応をする→×。逆に一貫した態度が○だったと思う。
L.強迫性障害の男性への面接
以下、うまくコメントをマッチングできませんでした。
・ボーダーかつ性的非行のある高校生のスクールカウンセリング
女子生徒で、たまにふらっとカウンセリング室に顔をみせるが、予約が入っている、というと怒り、保健室にいってカウンセラーの悪口をいう。ほかに他校の男子学生複数と性的関係をもっているらしい。
問題:対応について
・生徒指導の先生に(本人の承諾なしに)相談、他校と連携して問題にあたる。
・妊娠の予防などを話せる雰囲気を作っておく、
→本人の承諾なしに・・・がポイントだった気がします。
・箱庭療法
(父を交通事故でなくした?あるいは自分が交通事故にあった?)子供が箱庭を実施。最初大きな人形を箱に入れるが、セラピストの顔色を伺って箱の中に人形と車をいれる。そしてとりだして砂だけで作品をつくった。
子どもが、多分、6ヶ月の時に、母親が1ヶ月間入院していたり、子どもと母親が外出した際に交通事故にあって、母親が怪我をしたりした経験があった。そして、いじめを契機に学校へ行かなくなり、相談室へ。母親と二人ででかけることへは不安があり、相談室に来る際には父親も共に来ている状態だったと思います。そして、面接をしていく中で、子どもは段々と、母親に対する不満(頼りなさ?)をぶつけだすという内容だったと思います。
問題:この箱庭作品にはセラピストも含まれていると解釈するべき。
・この作品は交通事故を連想するもの?
・男子学生にしつこくつけまとわれている(連絡がある?)女の子がいて、学生課からの依頼で、学生相談室に来室した女の子への対応する事例もありました。また、その話の続きがとして、その男子学生も来室するという内容がありました。そして、彼女は自分に好意があるということを確信的に言い、連絡がなかなかとれないので、それは何故かを知りたくて、連絡をしていると語っていて、その男子学生に対する対応を選ぶ問題がありました。
ちなみに、総合問題の事例とは別に、「アンナ・O」の事例についても出ていました。誰が発表した症例で、それによって、どんな病理が分かったか、その病理に使われている防衛機制は?という内容で、文章中のA,B,Cを埋めるものでした。
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コメント
A.ロールシャッハテスト、について
このたび試験に合格できたさんちゃんです。
私は最近、北大路書房刊行の「ロールシャッハテストはまち
がっている、科学からの異議」という本を読みました。
その本を読むと、(久野能久先生ら行動療法家が主張するように)
ロテ、は捨て去られるべきで、1回するのに4500円もの保険点数がついているのは間違っていると感じます。
ですから今回ロテが大問で1つのみだったのは良いことで、
できれば「ロテは捨て問題」などというレベルではなく
試験に出さない方が良いと考えます。
投稿: さんちゃん | 2007.01.11 02:36