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2007.08.13

改訂版・鈴木ビネー知能検査

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1948年以来改訂されていなかった、鈴木ビネー知能検査の改訂版が昨年12月に発売されました。
機会があり、研修会に参加してきました。

1.ビネーの知能観
 「一般知能」の測定。「一般知能」とは、「方向づけ・適応能力(理解、構想)・自己批判」の3つの側面を持った心的能力のこと。鈴木ビネー検査も同じ知能観に基づいている。

2.検査の構成
 子どもを観察し、日常生活場面から問題を作成している。すなわち、これくらいの年齢なら、おおよそこれくらいのことができるという「年齢尺度」に基づいて問題は配列されている。
 72問(改訂前は76問)で1問1点。対象年齢は2歳0か月~18歳11か月。

3.施行方法
 個別検査。実年齢のおおよそ1歳下の問題からスタートする。順に検査を実施し、連続5問正解(評価+)した場合は、それ以下の問題は全問合格と見なす。また、連続5問失敗(評価-)した場合は、検査を中止する。
 問題によって、精神年齢が分かるので、それに基づいてIQを計算する。
(ちょっと気になったのですが…)

IQ

140以上 最優
124~139 優
108~123 中上
92~107 中
76~91 中下
69~75 劣
59以下 最劣

と記録用紙の表紙に書かれていました。

検査の開発者鈴木治太郎(はるたろう)氏は、検査の理念として、子どもを評価するのではなく、愛情を持って観察することの重要性を説いているそうです。その理念に、ちょっと反するように感じます。

改訂のポイントは

(1)鈴木治太郎博士の精神はそのまま受け継ぎ、鈴木ビネー検査の特徴や内容については、この改訂版に引き継いでいる。

(2)現代の時代に即し、知能検査の問題内容と尺度を作成している。
(3)検査材料、図版や絵カード、検査用具などは新しくし、時代に即して一新している。
(4)問題を76問から72問に減少し、短時間に実施でき、しかも正確な知能判定ができるように改善してある。

とあります。IQの評価の表記も時代に即して改訂して欲しかったです。(問題にも、私の感覚では、時代に即さないと思われるものがありました…)

全部の検査を体験したり、詳しい評価方法について触れる時間がなかったのが残念でした。

以下、私の感想です。
問題はK式発達検査と似ているなぁと思いました。ただし、運動に関する問題は、たぶん「ひも結び」だけです。抽象思考や推理力に関する問題の割合が多いようにも感じました。
マニュアルにどこまで載っているのかわかりませんが、発達検査に慣れたテスターなら、それぞれの検査が何を見ているのかだいたいわかります。検査結果は数量的には全IQしか出しませんが、個別の検査の回答内容を吟味すれば、被験者の弱いところや得意なとくろはわかるなぁという感じです。問題はよく吟味されているという印象を受けたので、ゆっくり丁寧に(それこそ、愛情をもった観察的態度で)検査を実施すれば、被験者の反応からいろいろなことが引き出せるようになっています。
ちょっと、投影法的に使えるのかな、と思いました。(改訂版著者のお一人である講師からも、「この問題はTATのようにも使えます」という発言がありました)

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