過去問・類似問題はどの程度出題されるのか?
過去問そのままや類似問題は100問中何問くらいでしょう? という質問をいただきました。
受験生のみなさんは、こんなことを調べたり、考えたりするのに時間を使わないでください。
そんなヒマがあったら、とにかくまずは過去問を完璧にしましょう。
「○○点(たとえば50点とか60点とか)とれればいい」とか、「これくらいで合格できる」とか、そんな低いところに目標設定しないでください。合格できたらそれでいいのですか?
もちろん合格しないと意味がありません。でも、私は試験は、その試験が要求するところ(100点)にできるだけ近づけるように、ぎりぎりまで努力して挑戦し続けるものだと思っています。目標ラインは、常に自己ベスト、自分にとっての満点です。
誤解のないように申し上げますが、別に試験のためにだけ勉強する訳でもありません。問題の裏にある、長い研究の歴史を知れば知るほど奥が深く、自分の無知を思い知らされます。問題を通して知識を深め、研鑽を積む上での力にできるから、たかが試験と思わずにがんばれるのです。
前置きが長くてすみません。
過去問でどのくらい対応できるか、私が受験生のみなさんの代わりに調べましょう。
まず、自分の受験のとき(H16)ですが、ホント、過去問は使えないと、トホホでした。
認知的不協和理論は今までも出ていた、できていた、でも、わからなかった問題1はショックでした。
事例問題は、基本的に新出だと思っていますが。公表されている過去問で、完全に同じものは2回出題された例は2問あります。
公表されているH16問題で、既出、新出は次の通りです。
1. 認知的不協和理論…だけど新
5. 感覚…順応以外の4項目は新
6. 脳波…既
7. 脳…既(だけど、視野と眼球で混乱していました)
10. 学習理論…ほぼ新
11. 乳児の反射…既(H14出題、しかしあとからの追加公表だったので実質は新)
19. シングルケース研究…新
20. 心理学実験と調査に関する方法…出題方法などからほぼ新
22. コンセンサス・ロールシャッハ法…全く新
24. 枠付け…ほぼ既
26. 心理検査…既(CMIの項目数は新)
34. ロールシャッハの著作…新
39. 正規分布…ほぼ既
41. 信頼性と妥当性…既
48. 発達障害…ほぼ既(レット障害は新)
50. 質問紙法など…ほぼ既(しかし、YGとMMPIのD尺度の比較の問題が奇問)
59. 青年期の自我発達…全く新(奇問)
60. 心理検査・療法の侵襲性…新(だが、正解は得やすい)
61. 心理療法の精神病水準のクライエントへの適用…こういった形ではほぼ新
62. いじめ対応…似たような問題があったと思うので既
66. 箱庭療法…枠にこだわった出題という点で新(受験生だったときの私の印象)
68. 学校臨床心理士活動…たしか既です。
72. 行動化…たぶん新ですが、難しくない
77. 転移・逆転移…難問なので新
79. 洞察…新
82. 少年法…ほぼ既
86. DV防止法…設問の内容は新
90. ポスト・トラウマティック・プレイ…新
94. 事例…新
95. WAIS-Rのスコアの解釈…新
96. ロールシャッハ・テストの解釈…新
97~100. 事例…新
眠いし忙しいので、今日はここまでです。
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コメント
うみぼ~ずさん、コメントありがとうございます。
私は自分の意見はいいますが、それをうみぼ~ずさんに押しつけるつもりはありません。うみぼ~ずさんのお考えを尊重します。お互いのやり方でがんばりましょう。
モーガンの公準については、おそらく誤った理解で例にあげられていると思います。
モーガンの公準は、動物行動の研究において、動物を擬人化し、その能力を過大評価する研究を戒めたものです。「いかなる場合でも低次の心理能力による結果と解釈できる行動を高次の心的能力の結果と解釈してはならない」というものです。
まさか、高校生は低次で、臨床心理士受験の方は高次だとか???、そんなことはありません。
私は、受験ということに関しては、大学受験も臨床心理士受験も、条件の違いはありますが、本質(決められた時間内に問題に正確に解答する)において変わらないと思っています。だから、最近まで受験勉強をしてきたストレートの若い方では、比較的苦手意識が低く、受験から遠ざかってきた高齢の方ほど、負担が大きいのではないでしょうか。
しーちゃんさん、コメントありがとうございます。なごみました。物理は私の天敵ですが、なぜか、兄も夫も専門は物理です。
でも、私はなましーちゃんさんを存じ上げているので、お話半分に聞かせていただきます。
投稿: ひろみ | 2007.09.18 03:00
またまた私のコメントに対して迅速なる回答、有難うございました。・・・そのコメントを読ませていただいて、一寸思うところをまた書かせてもらいます。
・・・私は教師なので、どうも先生モードになってしまうのです。失礼しました。自分で限界を決めてしまう生徒は伸びないからです。そして多くはいませんが、最低限の成績で、卒業さえできればいいと思っている生徒は、留年することになるか、卒業できても将来の展望がないことが多いからです・・・
とありますが、これまた教師が全部、あるいはたいていの教師があなた様のような生徒に対するモノの見方や考え方をしているとは私は思いません。上述のご意見はやはり職業柄ではなく、あなた様の生き方・経験からの個人的な見解であろうと思います。
それに、そういう狭い世界の(生徒を見た)経験と、この臨床心理士試験の受験者それぞれの取り組み方とを一緒にするのも疑問に感じます。これは一寸ニュアンスが違うかもしれないけれど、今日、祝日なのにあいていた図書館で勉強していたとき、たまたま目にとまった「モーガンの公準」のようなもののように?感じました?←これは間違っているなぁ、やっぱり。いい例えが思いつきませんのですみません。
さて、以前のコメントで、18年度の事例問題の「女刑事」というクライエントの言葉に見覚えがあって過去問にあると思っていたのですが、再度やってみてもありませんでした。???一体、私はどこでこのケースに似た文章をみたのでしょうか??心あたりありませんか?すみませんが教えてください、どなたか。
投稿: うみぼ~ず | 2007.09.18 00:07
ひろみさん、
いつもデータを整理していただきありがとうございます。
助かります。
「新」のところをいかに「既」に変えられるかが実力の一つと思っています。
過去門をやりながら幹を太くする(類似問題に対応できる)作業がそれなのかな、と思います。
私は大学は物理でしたが、
教養課程の物理実験などははやばやと捨ててしまい、
教養も専門も最低単位で抜けていったフトドキ者です。
心理の大学院もほぼ最低で抜け出しました。
なので、ひろみさんのおっしゃる通り、
当然、将来の展望などありません笑。
転げまわりながら今をみっともなく生きているって感じです。
投稿: しーちゃん | 2007.09.17 12:16
うみぼ~ずさん、コメントありがとうございます。
過去問類似問題の出題率は、年度によって異なります。他の年度についてももう少し調べさせてくださいね。
ただ、赤本に出題方針の変更もはっきり書かれていますし、今後は過去問類似問題が6割以上になるのではと思います。(30%以上の事例問題と5%のチャレンジ問題以外)
私は教師なので、どうも先生モードになってしまうのです。失礼しました。自分で限界を決めてしまう生徒は伸びないからです。そして多くはいませんが、最低限の成績で、卒業さえできればいいと思っている生徒は、留年することになるか、卒業できても将来の展望がないことが多いからです。
投稿: ひろみ | 2007.09.17 08:23
私の早速の質問にお答え頂き、誠に有難うございました。それほど詳細に分類までしたいただかなくて良かったのです。たとえば、『同一の問題が4~5問あった』とか、『類似問題が1割位あった』というアバウトな回答で私は十分満足したのです。
さて、あなた様の勉強方法どおり、私はまず分野別に分類し、2回したあと、年度別にもどり、受験までにその2回を加えて全部で10回やろうと考えております。もう、8~9回目ですので、正解率も99%です。520余問中520問前後は正解という計算です。
でも、過去問だけやってても大丈夫だろうか?という疑問は常について回っておりました。なるほど、過去問をやっていると、同一問題もしくは類似問題にでくわすことがたびたびあります。しかし、原付の運転免許試験ではあるまいし、50問×7通り位ではないはずです。一体、どれくらいのパーセンテージで同様の問題がでるのだろうか?と全体的な数字だけを過去の受験経験者に一度お尋ねしたかっただけなのです。もちろん、私が今回受験すればわかるわけですが、それではもちろん遅いですから。少しでも不安が消え「安心」が欲しいからお尋ねした次第です。
あなた様の・・・「○○点(たとえば50点とか60点とか)とれればいい」とか、「これくらいで合格できる」とか、そんな低いところに目標設定しないでください。合格できたらそれでいいのですか?
もちろん合格しないと意味がありません。でも、私は試験は、その試験が要求するところ(100点)にできるだけ近づけるように、ぎりぎりまで努力して挑戦し続けるものだと思っています。目標ラインは、常に自己ベスト、自分にとっての満点です。
・・・という受験に対するご意見・お考えはわかりますが、それはあなた様のお考えであって、私の考えとは全く違います。
こんなに広い試験範囲、そうまるで海のような海図のない航路を行くのに、少しでも道しるべが必要です。その1つがあなた様のこのブログであろうことは間違い有りません。
でも、そのチャートの受け取り方・利用の仕方は千差万別、十人十色でいいのではないでしょうか。
だいたい、○合隼雄だって、○塚義孝、○山弘久等々のお歴々さえ、8割も取っていないのではないですか?
私は、これは競争試験ではないし、資格試験ですので、最低合格点でも合格できれば「御の字」です。『車輪の下』のハンスになろうとも思いません。ですから、前にコメントしたように60点くらいであおると思われる合格最低点を何とかクリアできるように悪戦苦闘しているわけです。
私は、過去、宅建免許を受験前、『絶対合格する』と確信できるほど準備ができたことを覚えています。しかし、今回は受験生が指定大学院修了という限定された世界であるにもかかわらず、前述したように、過去問の正解率がほぼ100%であっても、『たぶん大丈夫だと思うけど?』という思いはあっても、でも、不安はつきません。それほど、広い海原で灯台が見あたらないような、暗夜航(行)路?!の気分なのです。
再度書きますが、どんなすごいカンセラーでも、80点もとれない程の試験範囲の広大さです。競争試験ではなく、資格試験です。誰だってベストはつくしたいですが、あなた様とはちがい、私はとりあえずは「合格さえすればそれでいい」という考えです。でも、これは私の意見であって、正しいとも間違っているとも思いません。私の考えに基づいて受験対策をしているだけす。
ずいぶん長くなりました。すみなせん。私の前のコメントは、大体のパーセンテージなり、何問程度という数字だけで良かったのです。時間をかけて新・既を分類してくださり、誠に有難うございました。
投稿: うみぼ~ず | 2007.09.17 00:27