家族療法
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家族療法についてリクエストいただきました。ちょっと多くなりますが、まとめておきましょう。
大事典では356pから360pまで、5pにわたって説明されています。ここで「ラッキー!」と思って一生懸命読むと、どつぼにはまる人がいるかもしれません。σ(^_^;) 詳しすぎて、しかもわかりにくいです。読むほどに混乱…
今になって見ると、ああ、ここだけ読んでおけばというポイントがわかりますが。
しけしんの臨床心理学編でまとめられているポイントを押さえておけばよいでしょう、というのが私の意見です。
ポイントを整理すると、
1.家族療法の前提としての一般システム論
2.ボーエンの世代論的アプローチ
3.コミュニケーション学派と戦略派
4.ミニューチンの構造学派
5.家族療法の技法
1.家族療法の前提としての一般システム論
家族療法は家族を1つのシステムとみなし、そのシステムを治療の対象とする技法を指します。この考え方の基盤となっているのが、一般システム論です。
一般システム論は、Bertalanffy, L. (ベルタランフィ)によって1948年に発表された、生物学、経済学、物理学などすべてのシステムを説明する理論です。次元の異なるシステムに関しても、構造上の同一性があり、そのシステム内の相互作用も同じ法則に従っていることを示しています。
私たちが理解しやすいところは、円環的システムでしょうか。家族ホメオスタシスの理論とかも、一般システム論を基礎としています。
過去問にもありますね。(^_^;
15-68
C.ホメオスタシスの概念が用いられる。→○
D.直線的因果律ではなく、円環的因果律が用いられる→○
この問題のA,Bは×です。C,Dが一般システム論と関連しています。
2.ボーエンの世代論的アプローチ
Bowen, M. の理論は、世代論的アプローチや、家族システム論と呼ばれたりするようです。この家族システムという言葉が、Minuchin, S. とかぶっているので、ややこしいです。
Bowenの理論によると、両親の二者関係が確立していないと、母子間に融合関係が生まれ、これが問題を生むと考えます。また、両親間の関係が次世代に伝播する(家族照射)や、それが多世代にわたって生じる多世代伝播が起ります。
過去問の記述文は決まっているので、挙げておきます。
5-85C/11-68C
両親の未分化な状態が、子どもに伝えれれる過程としての家族投影過程は、治療的介入の着眼点である。
3.コミュニケーション学派と戦略派
コミュニケーション学派と戦略派は続いているのですが、違いがわかりにくくて、そこがまたややこしいです。
コミュニケーション学派はBateson, G. の二重拘束理論に始まります。同種のものに、Jackson, D. のMRIがあります。家族をコミュニケーションの相互作用システムとみなし、望ましくない相互作用を見直すことで治療しようとするものです。
このMRIから、Segal, L. らによる短期集中療法(ブリーフセラピー)が生まれています。だから、ブリーフセラピーと家族療法はとても関わりが深いのです。
ダブルバインドについて過去問ありますね。
6-62
C.家族療法は家族全体を対象として,その全体システムに働きかける特徴を有する。さまざまな基本概念があるが、Bateson,G.のダブル・バインドもそのひとつである。→○
14-85
ダブルバインドの構成要素として、正しいものに○、正しくないものに×。
A.ふたりあるいはそれ以上の人間
B.繰り返されない体験
C.第一次的な禁止命令
D.第三次的な禁止命令
A.→○
B.→×…繰り返される体験です。昨日の「非」「不」のパターンですね。
C.→○
D.→○
ダブルバインドについては調べやすいと思います。各自参考書をご一読ください。
戦略派は、コミュニケーション的アプローチの中で、特に治療者の介入に焦点が当てられいます。催眠療法のErickson, M. H. やHaley, J. が有名です。発達理論のエリクソン,E.H.とは違うので注意してください。(スペルも違います)
5-85が戦略派についての出題です。
A.理論的実践的な指導者は、Haley, J. である。
B.戦略とはゲーム理論の用語であって、戦略派家族療法では、家族のルールを重視する。
C.両親の未分化な状態が、子どもに伝えれれる過程としての家族投影過程は、治療的介入の着眼点である。
D.治療的変化を誘発させるには、症状処方などの逆説的介入法を用いることが必要である。
A.→○
B.→○…ですが、根拠は未確認です。どなたか教えて下さい!
C.→×…さきほどのボーエンの理論
D.→○
4.ミニューチンの構造学派
Minuchin, S. は家族システムの中に、夫婦、きょうだい、などのサブシステムの分化があるとしました。母子間サブシステムができあがっている場合はそれを解体し、世代間境界を作った上での相互関係を重視しました。代表的な技法はジョイニングで、治療者が家族にとけ込みながら家族システムに働きかける方法です。また、ワンサイドミラーも使用したようです。
過去問は11-68
構造派家族療法に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×。
A.理論的実践的な指導者は,Minuchin, S. である。
B.構造派家族療法では,家族の構造は変化させるべきではないと考える。
C.両親の末分化な状態が,子どもに伝えられる過程としての家族投影過程は,この学派の治療的介入の着眼点である。
D.この学派では,親世代と子世代との間に適切な世代境界が確立されていることを重視する。
A.→○
B.→×
C.→×…ボーエンです。
D.→○
10-73も確認しておきます。
A.症状を呈しているクライエントは,家族システムの問題や病理を代表して表すものという意味で,IPと呼ばれる。
B.面接は,家族の一部のメンバーとだけ行うのでは意味が薄いので,原則として家族全員の出席が求められる。
C.面接者側はチームを組んで行うことが多く,ワンサイドミラーを通して観察するスーパーヴァイザーが,その場で面接者に指示や助言を与える方法も用いられる。
D.技法としては,リフレーミング,課題の処方,バイオフィードバック,逆説的指示など,多様な方法が用いられる。
A.→○
B.→×
関連して、4-62
e.家族療法では初期には,家族全員との合同面接が強調されたが,システムズ・アプローチの普及につれて家族システムの中核または母胎を構成する人々との面接で充分だとされるようになった。→○
C.→○…私が調べたところ、ミニューチンが用いたようです。
D.→×…バイオフィードバックが違います。
長くなってしまったので、今日はここまでです。技法はみなさんの宿題にします。
5.家族療法の技法
①リフレーミング
②エナクトメント
③課題の処方
④逆説的指示
⑤ジョイニング
参考になるサイトを紹介しておきます
佐藤研究室
臨床心理学の色々な理論と技法:1
今日、時間があれば、続きを書きます。
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コメント
ぽっとさん、コメントありがとうございます。
少年法について、アップしました。参考になさってください。
あと1週間を切りましたね。最後までがんばりましょう!!
投稿: ひろみ | 2008.10.13 21:44
ひろみさん。こんばんは★
家族療法、私もなかなか覚えられなかったので要点をまとめてくださって、とてもありがたく思います。
本当にありがとうございます。
さて、私の場合「少年法」が常にこんがらがってしまいます。
改正されたので過去問の答えも変わってきてしまいますし、事例的なものが出るとますますわからなくなってしまいます。(逆送は何歳~?など基本的なことも。。。)
お分かりになる範囲で構いませんので、教えていただきたく思います。
お手数おかけしてすみませんが、よろしくお願いします。
投稿: ぽっと | 2008.10.13 17:25