記述文をよく読みましょう(1)
いよいよあと1週間。最後までがんばりましょう! 人気ブログランキング
↑ ↑ ↑ ↑
受験生のみなさんへの応援の気持ちを込めて、1日1クリックをお願いします。ランキングへの投票がされます。2位に肉薄してきました。がんばりましょう!!
睡眠不足解消のために、少しお休みしました。いよいよ最後の週末になりましたね!
ネタの依頼がありませ~ん。ちょっと思いつきですが、大事だと思うことを提案します!
みなさん、過去問はどんどん解くことも必要ですが、記述文をよく読んでください。特徴があって、うまく拾い読みすると効率的な勉強ができます。
その1つは拙著でも紹介していますが、同じ項目の正しい記述文を集めることです。それだけで、かなり網羅的にその項目についてのまとめになります。一例として、箱庭療法関連です。
正文
5-82
A.子どもに対する心理療法技法として始まった箱庭療法は,現在成人の心身症や人格障害,ときには精神分裂病にも用いられることがある。
B.箱庭療法を発展させたKalff, D. M. は,治療者・クライエント関係を重視し,両者の関係を「母と子の一体性」という表現で示している。
6-60
Kalff, D. は,箱庭療法の治療過程を(動物・植物的段階-闘争の段階-集団への適応の段階)と考えた。
7-83
C.クライエントが制作する作品を鑑賞するように見守るのが、臨床心理士の態度である。
D.作品ができ上がりかけてはそれを壊すことを繰り返す子どもがいたので、臨床心理士はその子どもに何か器質的な障害がある可能性があるかもしれないと疑った。
8-76
a.治療の最初のころの作品では,外的現実で演じている役割などの状態をよく表現しているが,次第に内的な問題を示すシンボルが現れてくる。
b.箱庭作品は,治療の過程で繰り返し制作され,その箱庭表現の流れを系統的に見ていくことで,一連のテーマを見い出すことができる。
d.箱庭作品に表現されているテーマが継時的に展開しないときには,制作者と治療者の関係が十分確立されていない場合や,治療者の感じているテーマが誤りである場合もある。
e.箱庭制作は,自己表現である。治療者との信頼関係のもと,自らの世界を表現するその行動も,カタルシス効果を生み出している。
9-74
A.箱庭療法で用いられる砂は,適度の心理的退行を促す治療的な素材であるが,その感触がまた,崩壊感を招く素材にもなる可能性を併せ持つ。
D.箱庭作品のより深い受容のためには解釈が必要となり,意味ある解釈には受容的態度が必要という,受容と解釈は相補的関係にある。
10-85
A.砂は感触のよさから治療的退行を引き起こすが,自我の病理が重い人にとっては,崩壊感を引き起こす危険もある。
B.クライエントによっては,少量の砂の方が作品を作りやすい場合があるので,容器を準備して砂の量を加減できるようにしておくとよい。
11-61
b.箱庭療法は,「母と子の一体性」という表現に示されるセラピストとクライエントの関係性に基づく。
c.箱庭療法で表現された世界の象徴的意味を解釈して伝えることは,必ずしも必要とされない
d.箱庭の表現の段階として,Kalff, D. はNeumann, E. の考えにしたがって,1.動物的植物的段階,2.闘争の段階,3.集団への適応段階として示した。
e.箱庭療法では,セラピストは基本的に受容的態度に徹することを旨とする。
12-65
b.水の使用に関しては,慎重な判断を必要とする。
c.箱庭の左側は,その人の内的世界・無意識的世界を,右側は外的世界・意識的世界を示すといわれている。
d.セラピストは,自由にして保護された空間を保障することを求められる。
e.作品をシリーズとして見ることによって,クライエントが変容と可能性を発展させていく方向に,より注目することができる。
14-71
A.箱庭療法の基盤はクライエントとセラピストの人間関係であり,用具にあるのではない。
15-77
B.乾いた砂あるいは湿った砂のいずれを使うかは,クライエント次第である。
16-66
a.箱庭療法で使用される箱の大きさは,その前に立った人が,箱全体が自然に視野に収まる範囲を意図され,一定の大きさに限定されている。
c.空間を限定する箱庭の枠は,はてしなく深くて広い内的世界を表現する場合には,むしろ必要とされる制限である。
d.プレイルームも一つの枠で,箱庭はその空間にあるもう一つの枠である。箱庭療法は,臨床心理士との関係と,この枠の守りのもとに展開される。
e.箱庭の箱が作り出した空間の枠が,心理的に保護された空間として安全を保障する守りの役割を,ときには果たせないこともある。
17-20
a.河合隼雄は,分析心理学を加味して発展してきた「Sandspiel;sandplay technique」を,日本人に馴染みやすいものであると考え,「箱庭療法」と訳して日本に導入した。
19-51
D.初回面接時,あるクライエントは自分の問題を如実に示していると感じられる作品を作ったが,セラピストはあえて解釈をせずに見守る態度を取り続けた。
誤文
5-82
C.箱庭作品を解釈することは治療の流れをこわすことになるので,援助者(治療者)は解釈仮説をもたず,クライエントに自由で保護された空間を提供することが大切である。
D.箱庭表現を系列的にみていくことが,クライエントの理解を深めるために必要なので,できるだけ毎回作ってもらう方がよい。
7-83
A.作品を制作するのだから,クライエントに箱庭を作るように言って,臨床心理士は別室で記録を書くこともある。
B.クライエントが玩具を使用しないで,砂だけで作っているので,臨床心理士はクライエントに玩具を使用するよう伝えた。
8-76
c.箱庭作品が,了解困難な混乱した表現であっても,治療者は流れを妨げることなく,制作者の内的現実の表現としてとらえ,中止しない。
9-74
B.箱庭表現は面接過程中に1回だけ導入される場合もあり,TATなどの投映法と同じように査定性も強く,心の全体的状況を知ることができる。
C.箱庭作品は,言語化が困難な内的世界からのメッセージを表現するものであり,適用範囲は神経症圏内はもとより分裂病の治療にも適している。
10-85
C.砂の湿らせ具合は重要な治療的要因であるので,セラピスト自身がもっとも適当な量の水を加えて準備しておかねばならない。
D.ミニチュアを使わずに砂だけを使って作品を作るのは,正しいやり方ではない。
11-61
a.箱庭療法は,遊具の治療的性質に助けられ,誰にでも簡単にできる便利な方法である。
12-65
a.遊具それ自体が治療的性質をもつので数多くの遊具を集めるのがよい。
14-71
B.箱庭作品を作らずに砂を触っているだけでは,箱庭療法とは言えない。
C.片付けはクライエント自ら行うことに成長促進的な意味があり,セラピストは観察していなければならない。
D.セラピストは箱庭作品から理解したことを解釈として伝えなければ,クライエントの心理援助過程は進展しない。
15-77
A.砂だけで作られる作品は,箱庭作品とは言わない。
C.砂に手を触れる程度が大きいほど,クライエントの心理的健康度は高い。
D.砂を箱から全部出してしまうことは,禁止事項である。
16-66
b.箱の枠により限定された空間は,自由なファンタジーの表現を制約している。その閉じ込める力との闘いが,攻撃的な破壊的表現を出させる。
19-51
A.中学生の母子同席面接を始めたところ,子どもが箱庭制作に没頭し始めた。そこでセラピストと母親は,別室で話すために,子どもに声をかけて退室した。
B.5歳男児の遊戯療法において,ミニチュアをまったく使わずに箱庭の砂で遊ぶだけのセッションが続いた。そこでセラピストは,「おもちゃを置いてみない~」と促した。
C.箱庭で十分に自己表現をしたと考えられるクライエントが,1週間後のセッションでは表面的な話題に終始しそうだったので,再び箱庭を導入した。
すごい分量ですね!読むだけで勉強になるのがおわかりいただけましたか??
長くなったので、もう1つの効用については別にアップします。
| 固定リンク
« 論述試験 | トップページ | 論述試験での用語 »
「勉強方法」カテゴリの記事
- 100問練習(2011.09.23)
- あと3週間(2011.09.20)
- よい習慣は才能を超える(2011.02.12)
- 合格体験記(2010.12.15)
- ノートの作り方(2010.03.01)
コメント
secondさん、コメントありがとうございます。
8時間睡眠大切ですね。生活時間の管理がきちんとできていることは、何をやるにも基本です! きっと合格を引き寄せられますよ!!
私のプロフィールは以前は、
「趣味は茶道、特技は編み物、道楽は着物」でした。それが今はちょっと変わりまして、茶道と着物(着付け)はご無沙汰しています。その代り、2年前くらいに始めたバレエに一生懸命です。編み物は近く新作のお披露目ができる予定です!
投稿: ひろみ | 2008.10.15 23:00
ありがとうございます。
私のような者に丁寧にコメントいただき感激です。
いえ、何も知識があるから勉強しないわけではありません。
他専攻卒→社会人→大学院
修論で統計はまったく使っていません。
一夜漬けとはいえ直前に根を詰めるタイプではないので、
8時間睡眠はkeep、8時間労働は仕方ないとして、残りでどこまでできるやら。
仕事の合間にこうしてこちらのサイトをのぞく(自宅にはPCないので)のが
唯一試験が近いことを実感させます。
調子に乗ってまた書き込んでしまいました。
こうしてちょこちょこ読ませていただき、管理人様のパワーその他にどんな方なんだろうととても興味を持ったので‥。
時間的に貴著に目を通すことがギリギリかなと思っています。
投稿: second | 2008.10.15 12:31
secondさん、コメントありがとうございます。
このサイトが、少しでもお役に立てたらうれしいです。
みなさん持っていらっしゃるベースがさまざまなので、どれくらいの受験勉強が必要かは一概に言えないと思います。(私はとても知識が貧弱だったので、相当の受験勉強が必要だっただけです)
ただ、直前に無理しすぎず、コンディションを整えて試験日をお迎えください。
投稿: ひろみ | 2008.10.12 22:56
恐る恐る書き込んでみます。
このサイトを知ったのが1ヶ月前。それから必勝マニュアルと過去問を購入しました。
仕事の合間にパラパラめくるのが精一杯で、試験勉強を始めるのはこの週末からという不届き者です。
今日初めて1年分解いてみました。
院試(7年前)が懐かしく思い出されましたが、知識はやはり錆付いていることを実感しました。当然ですが。
皆さんがんばっておられて、ここで余計なことは勿論聞きません。
ただ経験から、こんな者もいて覗いているという事実に多少ほっとする方もいると思うので‥。
とりあえず、ひどい一夜漬けですが、やってみます。
月曜祝日なのが、ちょっと救いです。
投稿: second | 2008.10.12 22:36