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2009.03.07

『幸せのちから』と『3つの祈り』

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昨晩、TV放映された映画を娘と観ました。『幸せのちから』。成功するためのヒントがいっぱい、でも、しんどくなく、明るく爽やかです。

私がヒントにしたいなぁと思った1つは、実在の人物がモデルである主人公のクリスが現金も尽き、とうとうホームレスになってしまったときのあるシーンです。
午後4時に他の研修生(証券会社の、ただし無給)より早く仕事を終え、急いで帰ろうとしていたとき。5時までに息子とともに教会に並ばなければ、その日の寝る場所がないのです。急ぐ彼を上司が呼び止め言います。「おい、クリス、5ドル貸してくれないか」
クリスは財布を見ますが中には5ドル札が1枚、1ドル札が3枚だけ…。一瞬躊躇するクリスですが、上司に5ドル札を差し出し立ち去ります。その日は結局、並ぶのに遅れて教会にも泊まれず、深夜営業のカフェで一夜を過ごしたようです。
クリスが20人の研修生から、ただ1人正社員として雇われたとき、上司はその5ドルを返します。

それで私は思ったのですが、上司は彼の生活事情を知って、わざと5ドルを借りたのではないでしょうか。(彼は、トランクに着替えのシャツなどを持って通勤していました) この場面も、彼を正社員に採用するための一種の面接場面だったのではないかと。

上司の要請が、意図的であったとしてもなかったとしても、人はいろんな場面である意味自分を試されるのだと思いました。そのとき、自分にできること、与えられるものを出し惜しみしてはいけないのです。
クリスのことを「ハシリ」に使う社員もいました。人一倍忙しいクリスですが、何一ついやがらず、すごいスピードでやっていました。その社員が、最後にクリスの採用の知らせの場面の伝令になっていました。彼からの最後の呼び出しは、「ハシリ」ではなかったです。やはりその社員も、クリスの仕事ぶりや人となりを観察していたのかもしれません。

しかし、やられっぱなしがいいとは私は思っていません。不当なことにははっきりノーを言うべきです。クリスはハシリさせられても、なけなしの5ドルを取られても、自分そのものは損なわれず、逆境の中でも「与えて」いました。その度量の大きさが、彼のたぐいまれな能力と共に、彼を成功へと導いたのです。
それにしても、どうやって自尊心を保ち、奪われるのではなく、与えることができるのか、これは相当難しいです。

最近、樋口恵子さんの講演を聴いて、参考にしたい!とメモした言葉と結びついたので、紹介しておきます。

神学者、ラインホルト・ニ-バーの3つの祈り

おお神よ、われに与えたまえ、
変えるべきことを変える勇気を
人間の力では変えることの出来ないもを
受け入れる冷静さを
そして、変えるべきことと
変えることのできないものとを
はっきり見分ける叡智を

「変える」の部分をこんな風に言いかえてみます。「与えられるものを与える勇気」「奪われるべきでないものを奪われない冷静さ」「与えることと奪われることをはっきり見分ける叡智」。勇気と冷静さと叡智、この3つの力があれば、奪われずに与えることができる人間になれるかもしれない、と感じました。
ただ、与えることだけが重要なわけではありません。3つの力で的確に現状認知し、周囲の人に配慮しながら、自分の道を切り開いていきたいと思います。

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コメント

>やさぐれさん
貴重なコメントありがとうございます。とある場所でのSCの実状なのでしょう。

SCに限らず、心理職は採用が少なく、たとえ採用されたとしても金銭的にも境遇的にも厳しい状態にあることは学生の頃より度々耳にしてきました。ですが、周知のことでしょうが、都心部でなければそれなりに心理士の募集(SC、クリニックや施設等の心理士)をしているところもありますし、地域差はかなりあると思います。

なので都心部で働かなければならない理由がある方々はより大変な状況にあると思います。

また心理士が何をする人なのか知らない方々もいらっしゃっるので、(とても大変なのですが)職場内で理解を得られるよう努めることも大切ですよね。

いずれにしても心理職が根付き安定してくれることを願うばかりです。実態を知っても働こうと思うかどうか(実際に学部の段階で異なる職種へと変更された方もいらっしゃいました)、また私情を絡めすぎることなく働けるかどうかが求められる職種のように思います。

投稿: じゅん | 2009.03.15 22:34

どうも気持ちがすさんでいると、文章もすさんだ感じになりました。

掲載してくださってありがとうございました。

投稿: やさぐれ | 2009.03.15 19:22

やさぐれさん、コメントありがとうございます。
世間知らずの自分が恥ずかしいです。
お返事するための、どんな言葉も見つかりません。お気持ちや大変な現状をお知らせいただいとことに感謝します。

投稿: ひろみ | 2009.03.15 00:34

いろいろと社会の理不尽さにやさぐれているものです。

多分常勤の恩恵を受けていて、心理職の現状を知っていると思えないひろみさんの、上から目線に反発してメールしています。
また、このサイトを将来の仕事のために見ている人のための参考と思って書いています。

このサイトは資格をとるためのものですが、資格をとった後の現実について書きます。

長々と申しわけありませんが、削除せずのせていただきたいです。

これは東京の場合ですが、東京は資格をもっている人が余っているので、仕事を見つけるのがとても困難です。
何十通(オーバーか?)もの履歴書を送っても、二次の面接までもいかずに撃沈、1枚250円の証明写真だけでも返して欲しいと思いますが、めんどうなのでしょう。公のところは履歴書は返却しませんとことわっています。(そこが民間は違ってちゃんと返却してくれます。)

ひどいところは時給が1000円、ちょっと時給がよくてもひどいところは6時間勤務でこきつかいます。
埼玉のSCなどは時給は高くても、6時間勤務にして、日数を増やしています。
私は、都のSCの時給は法外で年収としてある程度の確保できることが大事ではないかと思っています。
新卒が堂々と法外な時給を受け取って、SCと言うむずかしい仕事がちゃんとできているのでしょうか?疑問です。
都のSCは、270人も応募したらしく、なれた人はほんのひとにぎり、欠員があったらまた知らせますという状態で、なれる可能性が少ないのに日にちをあけて待っていられますか?
それなのに、また来年度は受けなおさなければいけないそうです。
これっておかしくないですか?
もし、採用候補にするのならば改めて受けなおさなくてもいいようにすればいいと思いますが、都はなりたい人が余っている状況だからだと思いますが態度が大きいように感じてしまうのはおかしいですか?

落とされた他の方たちがどのような方かはわかりませんが、今年は医療関係者の応募が多かったそうです。
私は違いますが、結局心理職の恵まれない待遇でがんばっている方たちが、週に1回のSCでできることはむずかしいと思っても、生活保障のために受けている方は私だけではないのではないかと思います。

区や市では小学校のSCを請け負っていたりしますが、その給与たるや泣きの涙のところが多いです。
少しの自治体が都のSC並にしていますが、ひどいところは、3校ぐらいを受け持たせたりしています。年35日で複数校受け持って何ができるのでしょうね。
まあ、余り期待はせず、SCを派遣していることを議会対策ぐらいにしているのでしょうかね。

都の採用SCでも区市の採用SCでもやることにそれほど変わりはなく、体制がひどい中でやっているのに、市区の採用の方が教育委員会のしばりが多い分、むずかしいこともあります。
その上、都のSCは都の臨床心理士会が研修や相談などの体制がしっかりしているようですが、東京都の場合、自治体勤務のSCには都の臨床心理士会に入っていても面倒はみません。
結局、大変な環境の中で、孤軍奮闘または泣き寝入りしている実態があります。

自治体によっては教育相談室の相談員も同じですが、過酷な状況です。
就学相談をやれ、検査をやれ、学校の相談を受けろ、時には講師もやれ、今では緊急支援まできちんと研修もしない相談員にやれと命令して、現場からはひんしゅくを買っている自治体が実際あります。
そして相談のことが全然わからない長などが来るともっと悲惨で、コストパフォーマンスが悪いと長いケースを切ろうとしたりします。

これで本当に今困難さがましている子どもや保護者、学校に必要な支援ができる力のある人材がいくでしょうか?
他にいくところがないから仕方なくやっている方も多く、経験を積んで力をつけた人がもっと働きやすいところに移り、少し経験がある若い人でまわしているところが多いです。
そこに虐待他重篤なケースがいってアップアップしたり、SCから相談室にはケースを回せないという区が実際あります。

毎年募集をしているところと言ってわかるかはわかりませんが、注意した方がいいかもしれません。

これから心理職を目指す方は、仕事をする段階で泣きをみないためにも、就職の実態を知ってから対策を考えられた方がいいと思います。

投稿: やさぐれ | 2009.03.14 23:17

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