論述対策
土曜日に論述対策の講座をしました。
始めてで、不手際もありましたが、実際に受講生の方に書いていただいた論文を教材に使わせていただいたので、私自身とても参考になりました。
それで調子にのって、みなさんのいいとこ取りして、自分も書いてみました。
特別公開!しますので、参考になさってください。
臨床心理士としての必要な面接のスキルにはどのようなものがあるか、あなたの考えを述べよ。
面接は、Clと臨床心理士が直面する場面であり、言語を中心とするやり取りが進行する。その過程で、Clの内面の問題が明らかになり、Clは臨床心理士の援助を得ながら、解決に向けた方向性を見つけていく。臨床心理士からまず十分に受け止められることで、Clは自らの課題に気付くことができる。そのためのスキルとしては、傾聴だけでなく、Clの言葉をそのまま言い返す、うなずきを返す、必要に応じてClの発言を要約して返す、別の表現で言い換えるなどのスキルが必要となる。しかしもちろん、重要なのは応答における表面上のスキルではなく、Clを尊重し、その言葉に共感しながら耳を傾ける姿勢であることは言うまでもない。
Clを十分に観察し、Clの状態についての仮説を持ちつつ面接を進めることもまた重要である。それによってClが混乱して危険な状態に陥ることを予防したり、面接場面でClが過剰な反応をした場合にも、落ち着いて対応することが可能となる。
その際に必要なスキルは、Clに共感しながらも、その反面、客観的にClを観察できる冷静さが挙げられる。Clの外見を含め、表情や言葉の調子に十分に注目する必要がある。観察によって得た仮説を検証するためには、心理テストを導入する必要が生じる場合もある。必要に応じて必要なテストを実施できることも、面接における重要なスキルであると言える。
面接を通じて、Clが自己の課題に気づき直面しても、その解決方法を見つけられない場合、臨床心理士は決してその解決策を示してはいけない。あくまでも、Cl自身でその答えを見つけられるように援助すべきである。そのためには、Clと一定の心理的距離を保ち、Clから依存されないように心がけることもまた重要である。自身の立ち位置について常に敏感で、Clと決して心理的に一体となってはならない。つまり、Clへの冷静な観察眼を持ったのと同様に、自己自身を冷静に観察できるスキルも必要なのである。
以上から、臨床心理に求められる面接のスキルは、Clへの傾聴と共感のスキルと同時に、Clと自分自身を冷静に観察できるまなざしと言えよう。Clへの共感という、どちらかと言えば熱くあるべきところと、冷静な観察眼というクールであるべきところが混在しなければ、面接でClへの適切な援助者たり得ない。このスキルの獲得は、臨床心理士が援助者としてあり続ける限り、求め続けていかなければならないものであろう。また、そのような姿勢だけではなく、心理検査についての正しい知識や使用できるスキル、査定の能力も、面接場面でのCl理解において重要であることも言うまでもない。
ホットだけれどクールな人(イチローがよく例にあげられますね!)にあこがれがあるので、ネタにしました。(^_^;
私の論述の構造は、導入、論点を2つ以上、結論(まとめ)です。
上の例では、導入部分で、テーマに対する筆者なりの解釈とアプローチの方法を明示しました。「面接」とは自明のようですが、読む人によってイメージするものが異なる場合があると思ったからです。
論点はもっといろいろあるでしょうが、3つに絞りました。
上の例のように、論点を整理して順に書くと構成がしやすく失敗がありません。過去のテーマでは、「沈黙」と「自殺の予告」がそのパターンで書く練習にはちょうどいいです。練習しようと思う人は、その辺りから始めるのがオススメです。
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