« 宝塚歌劇とモーニングワーク | トップページ | 占いとカウンセリング(香山リカの心の美容液) »

2012.07.20

フット・ルース(事例研究)

暑い夏を乗り切りましょう! 人気ブログランキング
    ↑ ↑ ↑
1日1クリックよろしくお願いします。

今日は同僚とカラオケに行ってました。7人で3時間半ガンガン歌いました。
また遅くなってしまったので、昨日の続きを手短に書きます。

フット・ルースの物語の背景は、臨床心理学の事例のようでした。
規律だけを重んじる父親。夫と心が通わない妻。「話を聞いてくれない」という娘。うわべは優等生の彼女は、実は村の不良グループのリーダーと付き合っています。何人もの男の子とキスをしたといううわさもありました。親への反発が原因の不適応行動だと判断できます。制服に真っ赤なウェスタン・ブーツを履いている彼女は、「私がいなくなっても、お父さんが私を見つけてくれるように」とその理由を語っていました。心はとても孤独で、精いっぱいのSOSをいろんな風に発信していたのです。
彼女の「お父さんは変わった、あのときから」という台詞が、過去に起こったなにかしらの事件を窺わせます。
父親が心を閉ざしているのは、あの事件から時が止まり、心が凍りついていたからでした。最愛の息子を失い、その苦しみから逃れられず、過去を変えようとするかのように厳格になっていたのでした。5年半もの間。
その父親が自分がしがみついている大きな荷物に気づき、自分の周りにいる大切な人たちに目を向け、未来に向かって歩きはじめるというサブストーリーは、まさにモーニング・ワークそのものでした。
未涼亜希の苦痛から離脱への演技がとても上手でした。うずくまって肩を震わせる気づきの瞬間は特に圧巻でした。そのとき、それまでふたをしてきた自分の心の深淵を直視して、そこから這い上がってくる姿が、私には見えました。そしてほんとうにさわやかにさっぱりとした表情で、最後は笑顔で、妻と向き合い未来に向けた一歩を踏み出せました。
自分を大切にできずに、デートDVありそうなボーイフレンドと付き合っていた娘も、自分を大切にしてくれる主人公と出会い、不適応行動を終わらせます。息苦しくて、出口を探して、列車に乗って村を出ることだけを夢見ていた彼女に、「出口を探すだけじゃ変えられない。逃げ出したって同じことの繰り返しだ」といった、主人公の台詞も素敵でした。今いる場所に踏みとどまって、まわりを変える努力をしようと励まされ、彼女も現実に目を向け始めます。
「キスして」と彼女に言われても、「いや、今はしない。君のほかの男たちと比べられたくはないんだ」とやさしく諭したのは、ちょっと映画の「阪急電車」を思い出しましたが、胸キュンでした。もちろん、しかるべき後に、素敵なラブシーンがありました。そのときの照明、ハート形のスポットライトに2人の影が重なり合っていく、も良かったです。

我ながら、熱く語ってしまいました。なんだかリピートしたくなってきました。公演は23日までです!

|

« 宝塚歌劇とモーニングワーク | トップページ | 占いとカウンセリング(香山リカの心の美容液) »

コーヒーブレイク」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: フット・ルース(事例研究):

« 宝塚歌劇とモーニングワーク | トップページ | 占いとカウンセリング(香山リカの心の美容液) »