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2012.08.09

H17問題(質問の回答)

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H17年度問題について質問をいただいたので、こちらでお答えします。
H17は私が受験した次の年ですが、難問奇問が多かったです。H18の問題を公表したとき、認定協会は「重箱の隅」問題からの脱却を表明し、公表問題の解説もするようになりました。

回答の前に…新い赤本を手にした方も多いと思うので、私からみなさんに宿題です。
p.4から「診断から査定へ」ということで、診断と査定の違いについて書いてあります。
診断と査定と言えば、H18年度の論述試験のテーマです。
「 診断と査定の異同について述べよ」
私からの宿題
新しい赤本のp.4下の行からp.6までを熟読して、上のテーマで論述してください。1001文字以上1200文字以内です。原稿用紙はできればA4、横書きのものを使用してください。
関西の勉強会に参加される方は、私からもメールしますが、12日か26日に持ってきてください。添削させていただきます。
論述の書き方については、こちらを参考にしてください。
では、H17問題です。

質問は、

20c37c42A間違いの理由と正解の文  47 48D 49 50 90A
10年問題10-77A

では、順番に
17-20c
Frankl,V.E. は,人生は基本的に無意味なのであるが,共同体への貢献に向かって行動することによってみずから意味を作り出していくことができるとし,共同体への貢献の決意,すなわち,「共同体感覚」の概念を提唱した。

この記述文に正解の文はありません。でたらめだからです。
誤文に関して、正しい文に書きかえる作業は重要だし、きっちりやった方が多くの場合はいいです。しかし中には、こんな風にとんちんかんな誤文もあるので、頭をやわらかくすることもまた必要です。
Frankl,V.E. は、人生における人間の主な動機は意味の探求であるととらえました。そして人は自分の人生に独自性の感覚を与える意味を見出せないとき、実存的空虚を体験すると主張しました。
共同体感覚は、Adler の後期理論の鍵概念です。人間が生得的にもっている所属への欲求で、社会参加への傾向のことです。だから、「共同体への貢献に向かって行動すること」「共同体への貢献の決意」の部分は、Adlerの共同体感覚の説明と言えます。
17-37C
1940年代初頭,Kanner, L. は不登校の原因を分離不安とみなした。

こちらも、でたらめ誤文ですので、正文への書きかえはできません。
ご存知の通り、Kannerは早期小児自閉症の論文を初めて発表しました。1943年です。ですから、1940年代初頭はあっています。翌年の1944年に、Asperger, H. が「小児期の自閉精神病質」という論文を発表しました。
不登校の原因が分離不安だ、という部分はでたらめでしょう…と思っていたら、あるんですね!「母子分離不型不登校」。アメリカのジョンソン, A. M. が最初に報告したそうです。

長くなったので、ロールの問題以下は、明日にします。


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コメント

こうさん、質問ありがとうございます。
一度にお答えできなくてすみません。
勉強会の案内はこうさん宛にメールを送りましたので、ご確認ください。

投稿: ひろみ | 2012.08.10 21:08

感謝です。
13-94bもお願いします。関西の勉強会の日時と会費をおしえてください。

投稿: こう | 2012.08.10 09:41

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