PTSDと代理トラウマ
17-42と22-10について
参考にしたのは、じほうの『心的トラウマの理解とケア』です。
17-42A
無視によるいじめのために不登校になった中学生が、PTSDと診断されない理由
一般にトラウマ反応を論じるときの体験というのは、多くの人にとって強い衝撃をもたらすような、日常では見られない出来事だけを指すようにしている。具体的には事故、傷害犯罪、戦争被害、性犯罪、災害などである。
これに対して、直面した出来事が日常的なものであり、多くの人間にとって些細なものと思われるときには、その結果としての症状については、必ずしもトラウマが原因であるとは考えられない。
無視によるいじめはトラウマ体験とはみなさない、と考えます。ただ、今、いじめの後遺症について新聞報道されています。いずれは判断が変わるかもしれませんね。
22-10a
代理トラウマ
じほうの本には、代理受傷が載っています。
外傷的な出来事の話を聴くと、聞き手の側も精神的打撃を受ける。これを「代理受傷」あるいは「二次的ストレス」という。発生する症状は、不安、抑うつ、罪責感、無気力、不眠、食欲不振などさまざまである。このような聞き手の身体的精神的反応は程度の差はあれ、誰にも起こるものであるが、十分に回復する必要がある。
援助者が受ける二次被害一般の解説と受け取っていいと思います。援助者や身近な人が受ける二次被害については、いくつかの定義がされていて、厳密には異なるようですが、そこまで詳しく調べることができませんでした。
二次的外傷性ストレス(Figley, 1983)
代理トラウマ(McCann, & Pearlman, 1990)
共感疲労(Joinson, 1992)
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コメント
17-42は「推測」してPTSDと“診断”されうるものを問うているので、他の参考書でなくDSMやICDを参照するべき。
いずれにも、「自身が死ぬ、ないしは重体になるような体験をする、もしくはそのような場面を目撃する」(著作権の問題上、改編)と明記されているので、それに沿って答えればよい問題。参考書を元に独自の考察をするべきではない。
報道云々ではなく、診断基準が変わらない限り、容易に診断の判断も変わらない。
投稿: 通りすがりのSC | 2013.08.05 18:44