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2014.02.18

親の前で踊るということ

すみません、久しぶりなのに心理に関係のないネタです。
その前に…今日、2014年度受験に向けた勉強会の問い合わせをいただきました。今のところ予定はありませんが、希望が多ければ例年通りにさせていただきたいと思います。関心のある方はお問い合わせください。

今日、映画「リトルダンサー」をTVでやっていました。私がバレエを始めた頃にやはりTVで放映があり、そのときも興味深く観たことを覚えています。
以前は、ダンスのシーンが印象的でしたが、今回は、父親の愛情により深く感動しました。

父親は、息子(11歳)が踊る姿を見て、自分を犠牲にしてでも息子の可能性を伸ばしてやりたいと決心します。
親の前で子どもが踊るというのは、蒼井優の「フラガール」でも、非常に重要な場面です。
子どもの成長ということは、いろいろな側面で示されるのでしょう。その中で、子が親の前で踊るということは、非日常ではありますが、親にとっては、子どもの成長を否応なしに見せ付けられる場面です。親は子どものエネルギーに突き動かされます。堂々と踊った子どもたちには、やはり親に対して、自分を主張したい、親とは違う自分を見せたいという欲求があるのだと思います。
親と子どもが面と向き合うけれど、親が子どもにおのれの姿をモデルとして見せるのではなく、子どもが自分の中で育ったものを「どうだ」と言わんばかりに親に見せる。こんな対面が、子どもの成長と自立には必要なのだと、深く感じ入りました。
どちらの映画でも、その場面は偶然に訪れました。通りがかかったり、届けものによったり。親は子の本当の姿に気づいていないし、子も意識できていないので、どちらかがお膳立てするということはないのです。だから非日常なのですが、でも、日常生活の中に、きっといろんなサインはあるかもしれません。少し子どもに関心を持って見守れば、思いがけない子どもの成長の目撃者になれる。
子育てはほぼ終わった今になって、でも、まだまだ我が子を見守りたいと思ったわけです。
「フラガール」で、私は蒼井優の母親が彼女のダンスを見るシーンが本当に好きです。それまでは、働くとは、額に汗して、石炭まみれになり、辛い労働に耐えることだという信念を持っていた母が、「違うかもしれない」と感じる場面です。明るく笑って、美しく踊ることも、別の働き方なんだ、自分とは違う女性の生き方がある、そう気づけたことは、彼女の解放にもつながっていると思います。強くてしっかりして頼りになる女性でしたが、柔軟さや人生を楽しむ視点が持つことができました。
この母娘の、無言の和解のきっかけをつくったのが、蒼井優の夢を諦めた親友だったというところには、脚本のうまさを感じます。苦労イコール人生だった母の物語、家族のために夢を諦めた親友の物語、そして、夢のために家族を捨ててうちこんでいる蒼井優の物語が、ここでがっちり一つになって、夢が現実となり、新しい時代が開けていくのです。
長文失礼しました。

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